真夏にエアコンを使わない魔法の家、そして杉の床の評価

今日の日立の家庭用エアコンの撤退のニュースには大変驚いた。その日立のエアコンを全く使わないでデシカ※１台だけで夏季を過ごしている魔法の「緑の家」がある。
※デシカとは換気設備のことで全熱交換型換気扇で、内部にヒートポンプを内蔵している特別な換気システム。

床下内に入ってみるとまだ物がほとんどなくまっさらに近い床下。その段ボールの上に温湿度計（おんどり）がおいてある。おんどりは国内のメーカーで大学の研究室で常用されるメーカー。

床下用エアコン含むすべてのエアコンは夏季になってから一度も運転していないのにこの温湿度。通常一年目の床下内は地中の温度がまだ低いため、床下内で何もしないと22度くらいまで下がるが、布基礎で外周囲断熱を徹底したこともあり24.2度でRH（相対湿度）56％と安定。さらに居住部でもエアコンは全く使用していないが・・・

26.7度RH43％で安定。これでも人が5人いるので多少上がっており、通常は40％くらいにまで下がるので、夜間はデシカを止めて明け方動かすこともしているとの事（換気も止まるのでお勧めしていないが）。すると明け方RH50％台後半になるのでちょうどよいとの事。

エアコンを全く使っていないでこの環境になる驚きの「緑の家」は・・・

この春から本格的に住んでいる美幸町の家である。

室内は快適でその環境はエアコンの再熱除湿をさらに上質にした吹き出し口の温度変化が全くない。どこが冷源で冷やされているのかが全く分からない他とは異質な室内空間。

床下内を温めていないので多少（1度）くらいは床温が低く表示されるが、逆にその差は0.6度しかない（床下内との差は２度）。そんな凄い空間の温湿度だが・・・

しかし・・・

しかし、オーナーさん曰く

最もこの家に住んでから実感した素晴らしいことは・・・

杉の床だった。

こちらの「緑の家」ではヒノキの床と杉の床（いづれも超仕上げ無塗装）が貼られているが、その良さは全く違い、杉の床が自分にとって圧倒的によいとのこと。素足で歩くと確実に違いがわかることは、見学会でも多くの人に感じて頂いている。是非採用して頂きたいが、その養生の難しさから大工さんが嫌がるだろう・・・（多少の傷は受け入れることで採用することをお勧めする）。

足の触れた、そして歩いた時の柔らかさがダントツに違うとのこと。この超仕上げの杉の床を体験すると、ヒノキの超仕上げの床でも固く感じ、試しに一部屋だけ貼った杉の床だが、今貼っているヒノキの床をすべて杉の床に変えたいとおっしゃっていらっしゃった。その見積もりを本気で施工店に聞いていたが、施工店のヨシダハウスの吉田社長は、「それは相当面倒で手間がかかる。もう少し様子を見ては如何か？」と笑顔で諫めていた。

また住みはじめ直後には、検討していた床下お掃除ロボのルンバであるが、実際何回か運転してみると、思ったように掃除してくれなくて、返却してしまったそう（もともとレンタルで購入はしていない）。ルンバ以外のメーカーはもっとだめでやはりカメラを搭載して学習機能を駆使したルンバが最もよかったが、それでも掃除のこしが多々ありダメだったそう。これも掃除状態を目視できるこの広い床下空間があるからで、見えないところでルンバを動かしてもそれすら評価できない。やはり人が目視できる床下万歳なのである。最終的に汚れも少ないので自身の手で年数回掃除なら苦ではなくとのこと。使う掃除機は・・・なんとクイックルワイパー！で十分とのこと。そういえば「床下空間は汚れない」との理由で換気の新鮮空気をここに入れるシステムがあるが、本当に10年後の床下を隅から隅まで本気モードで見たことがあるのだろうか・・・。

この温湿度のデータは後日オーナーさんから頂く予定。楽しみである。

美幸町の家　基本性能：

Ua値　0.17w/m2k、

耐震等級3（Z=1と10％増）、長期優良住宅取得、

耐雪1.3m、布基礎、換気デシカ、床下1.4mの高基礎、屋外ブラインドシャッター付きUF-Lサッシ（シャノン）