気密チェックと防水検査

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見た瞬間わかる平屋の外観。

先週美幸町の家の気密シートのチェックと防水検査に伺ってきた。

Aグレードのこちらの設計からタイベックシルバーを指定し始めている。

通気層もほぼ終了して防水検査を行っているが、この通気層・・・いつもと違うと思っていらっしゃる方はコアな読者さんである。そう・・・いつもの通気層より細かいピッチで通気胴縁を設置してビスを打ち込んでおり、通常より2.3倍の量のビスを使っている。これはALC外壁となるから。

2017年竣工の伊達の家 外壁はALCのパワーボード。

上のような外壁のことで、ALCとよばれる外壁は鉄骨やRCではポピュラーな外壁である。一般のサイディングに対して厚さ2.5倍(37mm)もあるので、重さも2倍以上になる。このため外断熱の外壁を固定するためにビスが2.3倍必要になる。詳しくは下にあるのでご参照頂ければと思う。

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ALCは良い塗装材を使えば30年くらい塗装もそして最もやっかいなシーリングも大丈夫という外壁材。高耐久の外壁材としては間違いなくトップにある外壁と言える。

フレキシブルボードの軒裏とそこに外壁を差し込む隙間をあける計画している。

そして軒裏はこちらも伊達の家で使っていたフレキシブルボードである。このボードは一般的に軒裏に使われるケイカル板に比べ堅さも耐久性もとても高く、そのため価格も高いが、何しろケイカル板の欠点である長期間風雨にさらされると脆くなることがないため、無塗装でも使える優れもの。軒裏もこの材料のうえに耐久性の高い塗装にするため、外壁と同じメンテナンス周期30年で考える事が出来る。また外壁材の塗装がし難い部分は軒裏に入れて納める工夫で耐久性に対する配慮も欠かせない。

美幸町の家は平屋なのであるが、面積が広いため屋根が大きく、基礎も高い事で一部2階建てに近い高さとなる。

それでも、軒は低いので近隣住宅にも優しい。

室内では気密工事が始まっているが、その室内中央には既に重量130kgのデシカが鎮座する。

1階床の大引下にピッタリと納まるデシカ(ダイキン工業)。「緑の家」では4度目の設計である。

このデシカは「緑の家」の床下1400mm内にピッタリと納まるため、130kgの重さが特に気にならないし、コンクリートの上に設置するので振動も少なめとなる。加えて寿命を見越した取り替えの提案として、真上に梁を設け、そこにチェーンブロックを設置して取り出せるように工夫している。

このデシカで室内を安定的にRH(相対湿度)40%台を一年中で維持するつもりである。通常の「緑の家」でも日立のエアコンで再熱除湿運転を駆使すれば同様の環境にする事は可能であるが、あくまでも「駆使」するという表現のとおり、住人が手動で操作の加減をして維持できる表現。しかしデシカは操作パネルで設定するだけで限りなく設定した湿度環境を比較的簡単に維持できる。この手間がなく安定的に湿度コントロールが出来るためデシカを採用している。

気密シートの施工も問題なく防水検査も特に問題ない。通気層内の地面に近い木の部分のみにホウ酸水を塗布し、今週からALC外壁をはる。着々と進む美幸町の家である。

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