基礎コンクリート打ちからみる空調服と風呂CF

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新潟県では最も暑くなる新潟市秋葉区で、昨日コンクリートの打込みが行われたので、それに立ち会った。

その前日にも現地に伺って最終配筋チェックを行ったが、とにかく暑い。しかも今回は布基礎なのでいつもの「緑の家」高基礎でもベタ基礎より250mm型枠が高く、地面からでは中が覗きにくいこと(真上から見ないとかぶり厚など)で地上から1.3mある型枠にのりチェックを行う。足を踏み外したら怪我ではすまないだろうなと思って気合いを入れる。とにかく暑さは人の危機意識を削ぐので、いつも以上の集中力を維持する必要がある。検査はほぼOK。今回はM12アンカーボルトの長さをL=500とすることを事前にお願いして、多少の上下の誤差でも全く問題ないので埋め込み深さをいちいちチェックする必要がない。

プラントは比較的近いところだったのでこの時期には大変有利。それでも修正標準配合となりコンクリート温度が高めの状態を補正している。

巷では布基礎に対し低い評価もあるようだが、高低差がある土地の場合や、計画時には都合がよいことは以前申し上げた。さらにこのような暑いときに打ち込むコンクリートは比較的養生もやりやすい。布基礎は基礎天端をしっかり養生すれば、水分の逃げは型枠で抑えられるが、ベタ基礎はスラブ面を全面水没させ、この時期の直撃する日射から過乾燥を守る必要がある。そもそも構造計算で安全性を確認すればベタ基礎も布基礎も計算上の強度は何も変わらない。

手前のフードを被った職人さんのようにほとんどの人が胴左右にファンがついている服をきている。

最近の職人さん達は空調服を着ている人が多くなった。これはまるで風呂CFようで、今までの常識を覆している。上の写真のように朝から外気温33度を超えるときにこそ、上着から繋がるフードまでかぶり作業をしている。50年前は出来るだけ薄着のタンクトップで作業する形態が、10年前から薄手の風を通しやすい長袖で日射が肌にあたらないように保護していたのが、数年前から風を通さない少し厚手パーカーで身を包み、そのパーカーの2重になっている内部に空気を吹き込む(←ここが肝心)。内部に常に空気を送り込みそれが内部側の繊維から漏れ出て体に直接空気を当てる。外部側は出来るだけ空気が抜けないような素材であるため、内部側だけからでた空気で肌からの汗が直ぐに気化しその際気化熱を奪い体が冷やされる。空気を直接肌に当てることが早く汗を乾燥させる。いつも体の周りに風が吹いている状態をつくる。これは風呂CFと同じ原理である。乾かしたい物に風をあてることが肝心なのである。

科学が発達し50年前では考えられないような厚く風を通さない服を真夏に着る。これが可能になったのは高効率のモーターと高効率の電池、そして意識の変化。昔の人が見たらとんでもない真夏作業風景だろう。また現在でも頭が堅い人なら同じことを言うだろう。住宅も同じで現在は安価に冷房ができるようなエアコンと断熱遮熱性能があるので、風呂の乾燥は室内空気を捨てる排気型換気扇ではなく、風を浴室の床や壁に吹き付ける風呂CFがふさわしい。このことを頭の固い人からが見ると「理解できない」というだろうが、理解していないのはその方自身の固まった思考の危うさでなないかと思う。

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