配筋検査と水害対策

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高低差600mm程度と小さな擁壁だが、擁壁は慎重に行う。

本日月見町の家の配筋検査(擁壁)に伺った。ここ3件連続して擁壁を設けた敷地での計画で、擁壁は住宅基礎と違い設置時から力が加わり続けるので小さくても配筋の確認は現地でおこなう。

擁壁も一発打ち込みで行うので捨てコンは行い、ベース部分の被り厚は建築学会標準の70mmとして通常の住宅基礎より10mm余裕を設ける。

建て替えのため解体後の地盤調査の結果で少し想定外の問題が起きたが、その対処も終わり地盤改良を行ってからの擁壁工事となる。これは砂質土(丘)、地盤改良が先端支持方式、機器の搬入から擁壁を先に作る必要性が薄かったのでその点ではよかった。

改良体の杭状部分の直径はわずか50mmというW-ZERO工法を採用。先端は直径230mmでここで支える。

さて、梅雨も明けたが山形、秋田では豪雨被害が大きいと報道されている。毎年この時期にそのような被害が報道されるためか、水害に強い家づくりが数年前から話題に上がることも多い。しかし「緑の家」は最近河川氾濫や決壊などの水害に対し、住宅の対策は特に必要ないと割り切っている。このような雨の災害は個人対策で防ぐこと又は減災することはコスト的に合理的ではないと考えているからである。特に防水性を上げ家を浮かしたりする家は、パッキンなどの寿命をどのように評価しているのだろう。紫外線や空気に触れるゴム類や可動部の防水性は寿命が短いので、災害発生率と比べその費用対効果はとても非合理的な対策。

家はまずはがけ地、低地、液状化地を避けた土地を選び、耐震性を上げることが王道だと考えている。その他天変地異として噴火などがある。火山噴火については最近熊本県に伺うことが多いが、飛行機から地上を見るとグーグルマップとは違い少し立体感がわかる。阿蘇山の上空を通過するときに、そのカルデラの大きさを見ると、圧倒される。

ピンクに色付けしたところがカルデラ噴火を起こして山が崩壊し沈んで無くなったところ。

今から数万年前に大爆発を起こした阿蘇山だが、今同じ爆発が起きると、その被害は九州全土は無論、本州の半分以上は降灰によって日本の大多数の人が亡くなるといわれている。

降灰20㎝の地域の人口は1.1億人と国内の85%にもなる。

これは降灰が20㎝も積もると発電や水道など主要なインフラはすべて破壊されて、飲料、生活水がなくなることで人が死ぬとのこと。当然そこまでの想定はする必要は全くないので、通常は数百年に一度の噴火災害に備えればよいと水害と同じように割り切ることである。

玄関の位置はご覧の通り地面から1400mm上にあるので、瞬間的な水位の上昇には対処できるが、長時間続くと配管貫通部分から容易に家内に水は入る。

さて話は水害に戻るが、本所リバーサイドの家はその名の通り、阿賀野川から50m以内にある敷地である。特別な水害対策は行っておらず、もしあるとすれば玄関の位置が高いことである。

太陽光発電が屋根上に設置されるので、南側に広く取れる招き屋根となる。

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