2024年建築学会 学術講演梗概集から 1 蒸暑地域の高湿問題その①

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今年も8月28にから始まる建築学会の大会で発表される論文で、面白そうなものをご案内する。
最初は一昨年以来ハマっている研究室の論文である。

こちらの研究室で一昨年からカーテンが窓の結露に対する影響を調べた論文が面白くてご紹介したが、今年は同じ研究室のこの論文が目に留まった。小椋先生の関与する梗概集での論文はなんと今年は13報もあり、私の恩師である赤林研究室も大変多かったが最も多かった時と同じか多いくらいである。

13報もあるのでびっくりした。

さてなぜ興味を持ったかは・・・当然高湿問題だからである。ただし、今回のテーマは地域が沖縄であり建物はRC造、気候が違いすぎて気を付けないと間違った解釈をしてしまう。まず背景と目的だが、このテーマが今の私にありがたいのでハマったのである。今の日本は空き家率が過去最高で、空き家になると本州の気候でも「カビ臭」で大変困ることを多くの人が体験している。高湿被害の大きい沖縄なら何らかの対策の手掛かりが得られるのではないかとの期待がある。

上のピンク色で囲った既報に興味が向かう。しかし・・・

近畿支部で発表された報告なので、入手は難しいが大体同じ内容で全国大会でも発表されているので探して後ほどご紹介する。

まずはいつもように結論から↓。

梅雨時における日中の換気はカビのリスク低減効果は小さい・・・とのこと。換気がどの程度のことなのかはわからない。またRC建築物の特性もあると思うが、まあそうだろうと思う。そもそも本州の木造住宅でも同様で換気は多湿によるカビ等を悪化させない事が主目的であり、低減効果等期待はできない。それがいつの間にか何か伝言ゲームのように「換気でカビを予防、低減する」なんてことに変わったのだろうと思っている。人が住んでいれば湿気は放出される。よって換気しない建物より換気したほうがまだましということ。もう一度言うが換気(通風だとおもうが)ではカビ予防やカビ軽減は難しい。

そして次報では湿害抑制のための温湿度調整手法についての検討をおこなうとあり、すぐに読みたくなる。

さてその前にこの実測、計算内容だが・・・

調査対象は上のRC造の建物である。

測定結果と計算結果は次の通り。

内容を細かく説明するのは難しい。もしご興味があれば原本をお送りするのでメイルかコメントでどうぞ。

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