2024年建築学会 学術講演梗概集から 5 軒裏換気口ありの無難性

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こちらは実務的な内容ですぐにでも参考になる報告である。建て主さん(エンドユーザーさん)には軒裏換気口や通気層、屋根通気層の話は難しいかもしれないが、耐久性にかかわるこの部位は関係者ならとても興味がわく話題である。

上の図のとおり3タイプの「外壁と屋根の通気層のつながり」でどのように通気効果があるか前報の1で実測と計算式の比較で問題ないことを確認したとのことで、その計算式及び実測で上の3つのタイプを調べた内容である。

昨今は屋根断熱が多くなりそれに伴って屋根通気層が設けられている。その時に屋根通気の取入れ口がどこにあると効果的を数値で検証している。ちなみに「緑の家」では軒の出がある家ならこの図だとすべて「Type1」に該当する。

そしていつものように結論だが・・・


とのことで当然軒裏換気口を設けたほうが通気層内の流速が大きくなり、結果RH(相対湿度)が下がる傾向がある。最近通気層と屋根通気層の連続したType1、Type3が多いと思う。いずれでも軒裏換気口を設けたほうが湿気をよく排出してくれることは当然といえば当然だが、条件が大事なのでここから先もしっかり見てほしい。

ただしなぜか通気層の厚さが一般的ではなく、「緑の家」では屋根通気層の厚さは30mmで、この論文の条件では10mmと1/3しかないので、その点には注意が必要。なお多くの現場でも30mmが一般的ではないだろうか。一方壁通気層は18mmでこちらの例では21mmと少し大きい。

最後に・・・

表3の結果からType3はType1と2の1/3程度の通気内風速でこれは屋根通気層が壁通気層21mmの半分以下の厚さ10mmしかないことが大きなり理由だと思われる。現在の公的なマニュアルでは推奨屋根通気層厚さは30mmとなっていることからも、なぜ10mmにしたのか理由が欲しいところである。もし30mmならどうなっていたのだろうと多くの関係者が思うのではないだろか。

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