今だまともな旧Q値算定ができないようでは・・・

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旧Q値計算は昨年の10月に一応廃止。経過措置として27年の4月までということ。

住宅業界では今でも住宅の温熱環境性能を示す指標として旧Q値を多くの企業・事業所が使用しています。それも旧はつけずQ値として・・・。

しかし昨年の10月から新省エネルギー法が施行されており、この法律での新Q値は以前のQ値とは違い換気による熱損失が定数になっており、同じQ値という呼び方でもその数値は全く別物とこのブログで昨年取り上げました。

ただ、旧法の省エネ法は来年の10 4月まで(2015年)使用できるので、旧Q値を使う事は問題ではありませんが、せめて「旧」をつけることと、正しい旧Q値の計算くらいはお願いしたいものです。

というのは・・・

あるところから見せて頂いた旧Q値計算書の換気の熱損失が、なぜか0.5回/時から0.05回/時に減らされて計算されておりました。なぜ0.05回/時なのかを推測すると、その計算で想定した熱交換式換気扇の顕熱交換率が90%だったので

0.5回/時×(100%-90%)=0.05回/時

凄い・・・オリジナル法解釈です。

熱交換率が90%だから熱損失は10%しかないので0.5が0.05になる・・・

これにはびっくりしました。

この旧Q値の計算方法が施行されてから10年は経過しますが、今だこんな解釈で熱損失係数を計算している建築会社があるなんて・・・

熱交換換気扇は冬は有利働く事が多いでしょうが、冬以外中間期は無駄に余計な電力を使っているので90%の熱交換だから10%で計算するという単純な事は×ですと国のマニュアルにしっかり記載されております。さらに有効換気率も大きく影響しますし、トイレ、厨房、風呂の一般換気量も熱損失として計算しなければなりません。これらを加味した換気回数を見かけの換気回数といいこの数値を必ず使います。

もしそれらを知らないようでしたら、他のQ値計算部分も怪しいでしょうね。とにかくこのようなQ値計算は自分で理解して、他人・業者任せ、ソフト任せでは出鱈目な数値になります。

2013年公布新省エネ法におけるQ値の定義

換気による熱損失は、エアコンのCOPによる省エネの違いと同様機種によって左右されるものだから、新省エネ法では定数になったのです。そこをしっかり理解しましょう。と同時に早くUa値に移行した方がよいと思います。そうすればこのような複雑な換気計算はいりません。

このような事で建て主さんが不利益を被らないように当ブログはわかり易く発信し続けます。

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