名古屋千種の家と熊本の家② 窓の配置と種類、そして建材。

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昨日の午前中「熊本の家」で気密施工チェックを行ってきた。「熊本の家」はUa値0.20w/m2Kの超高断熱で長期優良住宅を取得。「熊本でこんな断熱が必要なのか?」と言われるくらい高い性能。無論Aグレード仕様。

前日から雨が降る予報だったので傘まで用意して現場に向かったが、結局傘は使わずじまい。確かに雨は降ったが、バスから徒歩および外部作業では雨がやんでいた。まだ晴れ男の力は少しあるようだ。

まさに脂っけが多そうな見た目であり、思わず触れてしまった。

熊本の家の床は「杉」である。しかも杉の浮造りという仕上げ。これは表面にブラシをかけ夏目を削って冬目を目立たせる仕上げ方法。確かにこの九州産の杉は「脂」がのっているようでこれはこれでよい。

2階のメインのコーナーサッシ。右のFIXがメインのビューウインドゥでUF-Lで最大寸法となる。

熊本の家の家族の間は2階にあるいわゆる逆転プラン。であるから窓位置は意外と自由になるが、やはりここは最も視界が開けた方位に主窓をもってきたい。ということで北側に主窓をもってくることになる。それが上の写真で北西に設けたコーナーサッシである。

当然2階なので外とのつながりが途絶えがちのため、ここは多少のリスクを承知で2階にバルコニーを跳ねだす。そしていつもように視界を手すりで切り取ると、隣家は消え去り山と空だけが映る窓になる。当然この窓外はバルコニーのためFIX窓でメンテナンスの問題はない。エクセルシャノンではトップクラスのUF-Lシリーズの遮熱ガラスの窓では最大の大きさで設定。

見事に手すりで下の視界をカットして隣家からの視線を防ぐのでカーテンなしの生活ができる。

当然北側のバルコニーのため日射も夕方以外は屋根でカットするので、暑くなりにくい(午前中)使えるバルコニーができる。

実は2階がほぼワンフロアーのためコーナーサッシはもう一か所あり、こちらは南西方向となる。

こちらは流石にカーテンが必要。この段階でまだ台の上にPBの3×10はない。

すべてのサッシは遮熱型ガラスを使用し、夏の日射を最大70%以上防ぐ。熊本でこの断熱性能Ua値0.20W/m2Kなら、日射侵入型ガラスを使えば無暖房住宅が簡単に可能だと思われるが、そこは夏の日射と紫外線カットを最大限考える「緑の家」らしい提案を、オーナーさんが熟慮後に快諾。省エネも大事だが省エネだけが家の価値ではない。でもキッチンから見た時に南西で唯一視界が開けたところである。

キッチン正面にある窓。
近隣が迫る中、ポカっと穴が開いたように空が見える方向の窓がキッチン正面。

さて気密だが・・・

この写真の「3×10」って何のことかわかる人は建築関係者である。

これは「さんとうばん」と板とは書いていないがそこは省略して読み、3尺×10尺=910×3030を示す。つまりここの壁は3×10板を貼るという記号。そこで私は驚いた。通常はこんな長物で大判はつかわない。なんといっても運搬が大変で、意外ともろいPBは角がかけるとAEP下地としての価値はないので、慎重にぶつけないように運ぶ。それをまさにいま2階へ運んでいた。

綺麗に並べられたこの板はPBといい3×10、3×9、3×8と3サイズ。手前には定番の3×6もある。

当然2階へはまだ階段もないし仮にあってもこんな大きな板は階段では無理で、階段を設置する前にそのあいている1.82m×1.82mの穴から持ち上げている。一人で運ぶため厚さ1.2㎝の板が一瞬大きく撓むが、そこはなれたものですぐに横方向にして用意された台の上に置いていた。寸分狂いなく置かれたPBは綺麗に寸法ごとに分けられ終了。これを見ると建材屋さんはしっかりその仕事を完遂していると感じられ、私も自身の仕事も同様に行いたいと改めて思う。

ここからバトンタッチしたヤスダホームの保田さんがキッチリと壁に貼るのだが、このように指示している仕事はすべてが綺麗である。当然気密もキッチリと要所を抑え見た目も内容も完璧である。変に現場で発砲するウレタンフォームを多用してそれに頼ることがない、気密マニュアル通りのお手本のような気密施工であった。

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