
神奈川県愛川町の「緑の家」がほぼ完成したことで、チェックを行いに先週末現地に伺った。その「緑の家」から徒歩1分のくらいの道中で、2匹のお猿さんに出くわした。彼らは驚いてすぐに擁壁上に上ったが、逃げるわけでもなく様子をこちらの伺っている。こんなところなら農作物の被害は多いだろうと容易に想像つく。

内部はこの通りまだ未完成の完成チェックとなるが、この段階でこちらの「緑の家」の内部空間の良さが伝わってくると思う。この仕上げ状態で確認申請を受けているので、既に行政の完了検査済みを受けて合格となっている。

建設地環境から建て主さんが薪ストーブの設置の強い希望。遮熱壁は青木村の家と全く同じフレキシブルボードの素地のままとして、モダンな薪ストーブのとの相性を合わせる。青木村の家とこちらの神奈川愛川町の家は同じような仕様であって、着工から完成までほぼ同じ日程という奇遇。


遮熱壁以外の壁は、DIY施工性を考えて漆喰となっている。色は顔料で部屋ごとに変えることもでき。トイレはブルーグレーの色をチョイスされた。

当然この日のチェック時でも建て主さんが鏝仕上げされており、既にその鏝捌きは素人とは思えないくらいこなれていた。


光の入り具合にもこだわっており、中央玄関にありがちな少し暗めのその正面に見えるのが、階段窓では特別な大きさの2段窓。その光を配るように階段横に淡い光がはいる室内開口部がある。

内部完成はこれからというその一方で外部はほぼ普通の完成・・・かな。
軒表しの跳ね出した屋根とウッド階段がこの環境にとても似合う。これはただ単にデザイン上の理由ではなく、これが玄関の付近の最も効率の良いシロアリ予防なのである。


地上から1.5m離れ宙に浮いた階段のため、シロアリの蟻道が目視できるのでとても合理的。

コンクリート製の1.5mの階段の場合もやっぱり地面から浮いて造ることで、シロアリの蟻道を露出させる。

次回はお引き渡し後の工事監理終了になる。その時はまた内装仕上げがほぼ終了しているのだろう。
神奈川県愛川町の工事監理は過去最も少ない7回(7日間)。これは内装の仕上げが無かったこともあるが、やはり現場監督さんとのコミュニケーションだろう。ほぼ毎日現場からお電話いただくことで間違いのない施工が確実に行われた。この場を借りて工事監理者としてお礼を申し上げる。よい監督さん(施工会社さん)に恵まれた。
さて過去6回こんな素敵な場所なのに一度も観光をせず強硬に日帰りが多かったので、完成検査を終えた次の日に、この現場のすぐ近く(歩いて行けるのでもう隣といってもよいくらい)にある宮ケ瀬ダムの見学をした。

神奈川県では最も大きなダムで構想は1969年。その一方1991年に工事着手し1994年にはもうこの本体はできていた。たった3年でこの大きさのダムをつくってしまうことに驚く。また近年に造られていることから総事業費は4000億円とダム事業として最も高額になっているが、それに見合っている規模と大きさなのだろう。ただ2020年東京オリンピック総事業3兆円から見るとそんなものかとも思う。
ダムから1500mほどにある県立あいかわ公園に駐車してダムに向かったので、下の愛ちゃん号にのってダム下まで行く。

この電車がとてもよかった。調べるとイタリア製であることがわかり、やはりこのようなレトロ感は欧州が上手なのだろう。

内装は樹脂などはほとんど使われておらず、スチールとステンレスとなので昔の電車内と似たような雰囲気が良い。
ダムで最も気に入ったのがここ↓。

左右にある階段のデザインがいい。同じ連続した形が続くのはやはり美しい。しかもこれはただ単に階段だけの役割でなく、ダム本体のフーチン(安定基台)を兼ねているとのこと。その形状からして与える影響は大きくはないのだろうが、デザインと機能は同一という観点と建築的要素も加わり、とても魅力的な意匠となっている。
ダム上はダムの内部を貫通するこのトンネル内を通って専用エレベーターで上がる。

教科書通りの地中内安定温度である15度から18度になっており、この日は外気34度まで上がるなかで異質の冷たい空間で、入った途端皆ほぼ同音「うわー」となる。

湿度がもっと高いのかとおもったらRH(相対湿度)70%とまあまあ。ただし壁は結露水でびっしょりと濡れている。説明ではダム最下部の水温が年中7度程なのでもしかしたら壁面はその影響で通常の安定温度より低くなるので、そのためでRH(相対湿度)が70%くらいなのだろうか。

