
昨日ようやく農林水産省が「米が足らなかった」ことを認めた。あまりにも遅すぎる謝罪である。しかも本来なら政府が国民に一番最初に謝らなければいけない立場なのに、なぜか政府でもない党の部会で先に謝罪するこの不思議さ。まるで政府は農林水産省に騙されたといわんばかりのパフォーマンスともとれる。
このブログでは時折建築に関係ない話題を取り上げるが、その内容は生活の基盤であり住まいに密着する内容としている。その中で当ブログでは6月に↓の話題を取り上げた。
ここで申し上げたエビデンスの通り、令和5年は酷暑により新潟をはじめとする米どころで壊滅的な被害となり一等米が16%以下という未曽有の不作となった。それにも関わらずこの一年間は農水省はコメはどこかにあると言い続けた。つまり国民が選んだ代議士が主からなる政府が役人をコントロールできない事(馬鹿にされている)が浮き彫りにされたのか、その全く逆で政府の身代わりとして農林水産省が責任を全て受けて先に謝罪させられたのかどちらかである。多分・・・私は後者だと思うが根拠はない。でも農林水産省の人たちが私でもわかりそうな米の不作で総量が足りなくなる事を知らないはずもない。知っていてそれを公表できないなにか理由があったのだと推察できる(それが問題なのだが)から「需要が拡大して足りなくなった」との言い訳になる。本当にこんなに足りなくなるほど需要がどこで拡大したか統計データを公表して欲しい。それともまた嘘か?
さて・・・実はこんなことは農林水産省だけではない。住宅建築の所管の国交省でもあるかもしれない。現在住宅の分野では大工さんの不足が大問題になるであろうと思われる。この問題では本来作り手であるはずのハウスメーカー、建設会社さんは、つくる事より計画する側(設計)に力を入れているように思える。つくる側は大工さんという人材を育てなければならないのに、大工さんを育てることより省力化(工場でつくること)に力をいれることに専念しているように思え、それを国交省は民間に任せきりで、大工さん減少に何らかの改善策を提示できていないばかりか見て見ぬふり。確かに時代と共にいらなくなる職種はある。誤解を恐れずにいえば例えばタタミ屋さんである。40年前は一戸建て住宅で畳は必ずあり、多いときには一軒に大凡16枚程入っていたが、今は畳がある家が珍しいことに変わった。これは時代の変化だと受け止められる。しかし大工さんは違う。どんな大手ハウスメーカーだろうと大工さんは必要。これは現地でモノをつくる以上必ず必要になる職種である。是非業界全体が大工さんという木造建築の花形をもっと力を入れて育てる方向にと願っている。私たち設計事務所側はさらなる高見を目指して、法的にも構造的にも耐久性的にも専門家として、また建て主側に寄り添える独立した専門家としての後身を育てていきたいと思う。