論文の大切さ 査読論文 
家庭用エアコンのAPF その2

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

その1から時間が空きすぎて忘れた方はもう一度その1をご覧ください。

何時ものようにこれ以後カラーの線や網掛けなどは浅間がわかり易いように論文に勝手に手を加えた。論文執筆者様にはこの場で無礼をお許しを頂きたい。

その1ではこの論文の結果を申しあげ、この論文の主結果が「実測した風量自動COPを使ってAPFを算出したときに、カタログAPFとの差が2倍になる条件も存在した。また合成COPマトリックスに変えた場合はその差は1.2倍程度になった」

事でした。その2ではこの合成COPマトリックスについてご紹介します。

まず・・・エアコンのモードは主に「暖房」と「冷房」と「除湿」が有りますが、更に細かい設定があり、その中でも設定温度を除くと最も効率と快適性を左右するのが風量です。

一般的に風量を多くすると熱交換の効率が上がり(=冷媒温度差が少なく出来る)ますからCOPがよくなります。一方暖房時に風量が多いと気流感を感じる範囲が広がり快適を損ねます。冷房時は暖房時より大きな影響は少ないのですが、風量によっては冷気ムラや冷房除湿を行うと冷えすぎてこれも快適性が低くなります。

前置きはここまでで論文に移りますが、

先ずはその1で画期的な発想であるとご案内した風量合成COPとは何かについてです。

上の図5(下のピンク色)のところに概念図がありますが、風量でかわるCOP特性において常に一番よいCOPの風量に設定したときのCOPを風量合成マトリックスと考えております。

予めエアコンのこのような特性がメーカーでわかっていれば、ソフトをそのように作ればこのCOPに近くなると思われ、そのように作ったCOPでAPFを算出すると、カタログに近いAPFになるとの事です。それでもまだ20%も低いAPFなのですが・・・。

またAPFは地域毎にかわりカタログ表記されるAPFは東京都が地域条件になっております。地域の気温条件がエアコンに効率に影響を及ぼす事は良く知られておりますが、顕熱処理量が同じ場合、潜熱処理量の変化はエアコンの効率に影響を及ぼすかどうかをまず補足説明しております。

図の中央赤ハッチング部分に潜熱処理量がCOPに大きな影響を与えない事を前置きしている。

次に・・・合成したCOPの図です。

次に・・・自動風量のCOPと合成風量のCOPの図です。

少しわかり易いように赤線と黄色線を加えさせて頂きました。赤線は外気温毎の一番COPが高くなる出力ポイントを結んだ線。黄色い線はエアコンの定格冷房と定格(標準)暖房です。

もう説明するまでも有りませんが、どのエアコンにおいても暖房時には定格暖房の半分またそれ以下の出力時が一番よいCOPになっております。一方冷房時には機種毎に違っており、小さい機種(6帖用)では定格に近い方がよいCOPなっており、大きい機種(18帖用)では外気温が26度以下において暖房時と同じように定格の半分が一番高くなりますが、外気温が27度以上になると定格に近くなる方が良い機種又は、二つのCOPの山を持つ機種があります。この特性は風量自動の場合で、合成風量では大きい機種も小さい機種も自動風量より単純な特性(COPの山が一つ)になります。考えられる事は自動風量の場合、冷房時には快適性を優先するために顕熱比を下げる風量にしている可能性があると考えられます。

このように現在販売されているエアコンは機種毎に様々な特性をもち、ある一つのカタログ性能数値だけでは正しく評価出来るとはいえません。

以下私の考えですが・・・

最近「緑の家」がエアコンのCOPが最も高い機種を推奨していない理由がココにあります。現在のエアコンの選定は、暖房時の高い性能に加え、除湿が有効にできる冷房又は再熱除湿の機能を持った機種がお勧めです。

最後に

この論文の「今後の課題」として・・・

とあり、

私の10年前の博士論文と同じ課題表現がある事に、10年経てもエアコンと住宅の関係の課題はそのまま残されているエアコンの社会環境が残念です。

この論文の全文はこちらにCCE20171014置いておきます。この論文本文へのご質問は新潟大学赤林ラボまでお願いします。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする


コメントの入力は終了しました。