2021建築学会学術講演 論文梗概集  その5 マスクと空気清浄機の効果

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その5は・・・

マスクの効果と空気清浄機の効果の研究でこちらもその2に続いて選抜論文で4ページとなっている。

発表者は東京理科大の倉渕先生G.でありF.A.は学生。

本来なら人が活動時の飛沫に対するマスクの効果は、飛沫により感染リスクとともに医学関連の学会で研究するべき内容だと思うが(既往の研究あると思われる)、建築学会で再び検証していることで建築は生活に密着し幅広い分野だと改めて感じる。

結果は従来と多分同様で、人の一般的な活動による飛沫の発生を抑止することが認められたとある。ただし実測したマスクは下の図の通り・・・

ウレタン製のマスクや布製のマスクは含まれていないことに注意したい。ウレタン製は各メーカーによって違い、または時には手作りのマスクがあるが、それらは特に品質基準が不明確で比較が難しいのであろう。当然N95基準のマスクは家庭用のマスクの数倍の抑止効果がある。一方正しい装着であっても図4からは若干は漏れ出ることがうかがえる結果となっている。

次は空気清浄機の補修率であるが、これは各メーカーからすでに多くのデータが公開されている。本論文でも同様の結果になるのは必然だろう。

この論文のまとめを下におく。

HEPAフィルターがある空気清浄機は、その機器自体の補修率がとても高いことが伺えるが、それらのフィルターをエアコンなどに設置することは現実的ではなく、設置位置や空間に対する適切な位置が重要となるとの結びがある。となると「その2」で案内した天井カセット型の空気清浄と位置との関連が出てきてわかりやすい。

この2つの論文から私が思うに・・・住宅内において人の出す飛沫に対する抑制はマスクと空気清浄機を設置することが現実的であり、換気量を無理に増やすことより換気負荷が減り空調電力を多く使う必要もない。ただし空気清浄機の設置位置は、各空間によって適正な位置が変わることが予測され、実際にはないよりあるほうが良い程度になるのだろう。またマスクを家内で装着し続けることには今後の生活を継続するにあたり違和感がある。すなわち、感染症2類(ペスト等)の致死率の高い病気の感染予防は隔離と陰圧管理による換気・空調が現実であり、家内での飛沫による感染予防は現実的ではないと思うがいかがだろうか。事務所に設置しているジアイーノのように飛沫捕獲より空気中の殺菌を主眼においたほうがお手軽かもしれない・・・が、3時間かかってようやく90%のウイルス死滅率ならやはりおまじないか。

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