17年前に設計し、16年前に竣工した「緑の家」のメンテナンスに伺ってきた。
メンテナンスといっても15年経過した昨年連絡があり、トップライトから雨漏れがあるとのことで、屋根屋さんと屋根に上がったのが昨年の春。当時施工した工務店さんは既に今はなく、大野町の家の施工を行っている屋根屋さんから対応してもらった。
トップライト付近からの雨漏りはよく巷でもきく話であるが、私が体験した雨漏れは、全てトップライト自身からの雨漏れであった。このトップライトはベルックス製で20年前、国内で断熱性に優れたトップライト(木製)はほぼこのベルックス製しかなかったのである。
このメーカーさんは10年ごとの補修メニューを推奨しており、その補修をすればトータル20年の保証がつく(10年目の補修をしなければ当初の10年保証のまま)。しかし有償補修メニューのことを知ったのはトップライトをつけた10年後であり、当時そんな表記がカタログにはなかったにあったがもっと柔らかい表現であった。しかも数年前に補修メニューの価格も大きく値上がり再びこのメーカーさんの保険をつける気持ちにはなれない。
雨漏れを探すのはとても大変である。今回も1年かけて場所を絞り込んだ。するとやはりトップライト付近ではなく、トップライト自身から雨漏りの可能性が99%となった。製品が原因となるとメーカー以外手が出せなくてやっかいになる。
ガラス周囲を全てシーリングし問題がありそうなところつぶして様子を見たのが昨年の春、2ヶ月くらいは問題なかったが夏の豪雨に再び漏水。
雨漏れを箇所を切り分けるために上の写真のようにまずトップライトだけを覆って様子をみた。
すると・・・10ヶ月間雨漏れが全くなかったことで、このトップライト自身が原因とわかった。
普通はトップライトから雨漏りがあると、トップライトに懲りて取り外して屋根にしてしまう建て主さんが多いと聞くが、「緑の家」のオーナーさんは違う。
このトップライトを生かしてなんとか雨漏りだけを防ぎたいとの希望。
これは他の「緑の家」建て主さんも同様で、いままで住んでいた家がトップライト周りの雨漏れで苦しめられても、新たな家を建築するにあたり「トップライト」を希望されることもある。雨漏り対応よりも得られたメリットが大きかったのだろう。無難な仕様が特徴の「緑の家」であるが無難でないといえるかもしれないところもある。
今回の雨漏れした「緑の家」でも下の写真のようにトップライトとハイサイド窓が効果的に使われている。
当時は木の外壁が法律で使用できなかったのでサイディングも使われている。
一度も再塗装していないが、さすが当時のオートクレーブ養生されたクボタ製のサイディング。今もきれいだった。ただ・・・シーリングはそろそろ再施工の必要があるくらいヒビが入っている。
現在でも世の中では主流の窯業系サイディングはシーリングの寿命でメンテナンス時期がきまるのであろう。ガルバニュームの外壁もしかり・・・。