EV業界のガリバーであるテスラ。そのテスラ社が新たなEVを発表した。
それによると、
運動性能、航続距離、急速充電時間がさらに向上し、まさしく国内EV車とは全く次元が違うような進化の早さである。しかも自動運転の三種の神器の一つ、ミリ波レーダーを使わないとのこと。確しかに人はミリ波レーダーを持っていないが、現時点で最も事故なく運転が出来ている。つまり視覚からの情報が8割で現在の安全性を担保出来ていると思えば、大事なことは映像による情報処理が最優先されるのだろうか。
次に運動性能であるが・・・まだ高級車の部類となるEVでは重要なことであると私は思う。新しいテスラのModel S Plaidは、静止状態からわずか2.1秒で約100km/hに達する(国内一般ガソリン車は8から13秒、リーフは8秒弱)。これは現在一般販売されている所謂スーパーカーでも未達な凄い数値。4000万円するイタリアのスーパーカー720Sの2.9秒より1.5倍早い。しかもモードを変えれば少し早い程度のセダン車にスペックダウンでき、一般道路の運転のしやすさはそのままである。こんな超高性能が公道でどんな価値があるかどうかは別に、1500万で手に入ることが重要なのである。そして航続距離は628km、最新の専用急速充電機なら15分で322km分の充電が可能とのこと(実用は250kmか?)。
https://www.tesla.com/ja_jp/models
これが売れに売れて数年後に大量生産によるコストダウンが可能になり、大衆車むけに400万となったとき・・・それまで地盤をつくったアメ車テスラが戦後のように再び世界を引っ張る存在になるのか・・・。
確かにこのようなスペックが既に一般販売されていれば、数年後にEV車は大衆車となる道筋がみえる。あとは前回話した急速充電機の5分でOKだが、今でさえ15分で322kmなのであと9年で5分になる可能性はある(約40KWを5分だから480kw相当で400Vで1200A!・・・無理かな)。
で、もっとも今回伝えたいことは上のリンクを見てもらえばわかるが、このEV車の宣伝で「CO2抑制」とか「温暖化防止」とか「カーボンフリー」なんて事はこのページを見る限り出てこない。この本音感が好きなのである。EV車を何故売るかは、それが今のガソリン車より性能だけでなくコストも含め優れているからと単純明確なのである。なぜ日本はCo2が走行中にでないとか、カーボンフリーとかの建前をつけたがるのだろう。少なくても日産リーフのページにもそのような建前がなくなってきているが、未だに多くの報道ではそのような伝え方はされていないと感じる。やはり「エコカーだから補助金を沢山つける」という建前のせいかな。「他国との開発競争に勝つ国策だから補助金をつける」に変えてはどうかと思う。
コメント
赤林先生
確か15年ほど前に先生の研究室で「カセット式取り換えバッテリー」とか「大容量コンデンサーで急速充電」が来るまで難しい・・・などを伺いました。ここにきてEV車は少し進歩しているようですが、未だに仰せの通り無理して急速充電を行っているやり方かもしれません。
なんだか無理して急速充電しているようで電池の寿命に疑問を感じます。スピードが速いのは当然で、エンジンより電動モータの方がよほど進化していますし、性能も格段によいからです。
CO2フリーは本来ライフサイクルで考えるべきで、作ってから廃棄するまでのトータルで検証しないのはどうしてなのでしょう。どこかの講演を聴きに行ったら、木質ペレットで発電しているからCO2フリーと言っていましたが、木質ペレットを作るのに炭酸ガスはどのくらい発生するのでしょうかと聞いたら知らないと言っていました。