真っ青な空での上棟 吉田の家

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この写真のとおり、今日は見上げると真っ青。湿度は低めでそよ風の吹く皆が気持ち良い穏やかな日である。

昨日柱据え付けから始まった建て方、今日は屋根垂木設置から始まる。

吉田の家の地鎮祭を行ったのが昨年の11月で、上棟が6月中旬・・・。今までで一番長い期間かかった上棟までの道のりで・・・8ヶ月である。

地鎮祭後測量を現況のままから確定測量に切り替えたため2ヶ月ほどかかり、その後地盤改良と基礎工事をおこなった。それが終了したのが3月下旬。それから突然の木材不安がおこり高騰して、それが理由の一つでプレカット打ち合わせから加工までが2~3ヶ月もかかった。

このシールのとおり米ヒバの正式名称はアラスカイエローシダー

それでもヒノキの土台材が手に入らなくて、急遽昔使っていた米ヒバ(正式名称はアラスカイエローシダー)になった。

ここで下の表ご覧頂きたい。

ヒノキも米ヒバも強度区分はおなじE95105F345になる。となると米ヒバもヒノキも耐久性区分も同じなので、材種交換取り替えが簡単に可能と考えてしまう。しかし当ブログのコアな読者さんはおわかりだとおもうが、ヒノキと米ヒバで決定的な違いがある。それは、めり込み強度である。めり込み強度とは木の繊維方向と直角に力が加わった場合、どの程度までめり込みにたいする抵抗ができるかという数値。

この数値がヒノキの方が1.3倍も強いのである。

ヒノキが7.8N/mm2に対し米ヒバは6N/mm2しかない。

ここで一般的に頭に思い浮かぶのが、積雪地域は柱にかかる荷重が大きいので雪の少ない地域は米ヒバでも良いのでは・・・になるが、この吉田の家でもそうであるが、土台をヒノキから米ヒバにしてNGになったのは・・・

「緑の家」標準座金は60角であり丸なら70Φ相当の面積。

このうえのようなアンカーボルトに使う座金なのである。柱下のめり込みはなんてことなかったが、地震時の柱の引き抜き力でそれに対抗するこの60角座金でNGとなった。一般的に使われる座金は40角やそれに準じた50φ以下の丸座金であるが、「緑の家」では全て60角座金。この60角座金で耐えられる力は18.72(13.94)KN/枚(短期強度)である。一方アンカーボルト12Φの埋め込み350mm時の強度は約21KN、300mm時は約18KNとなり、場所によっては座金のめり込みがそのマックスとなる。

今回は2カ所でNGとなり急遽アンカーボルトを2本追加することで座金数を2枚ふやしクリアーしている。単純に土台の基準強度が同じといっても樹種によってはNGだったりアンカーボルトが増えるときがある。

屋根がまだない2階床まであがり、一番手に入りにくい米松の集成材を確認する。強度はE135-F375 と高いので、耐雪住宅には米松集成材は必須素材である。

柱は赤松集成材を想定していたがスプルース集成材に。こちらは同強度で計算できるので特に問題はなかった。

4から5月に一般に顕在化した木材高騰の嵐。建て主さんから頂いた情報によると、木材高騰のピークは価格の決定要因の先物相場で既にピークアウトしているとのこと。グラフを見ると恐ろしい具合で4月から5月に値上がっていることが示されていて青くなる。資本主義、自由売買でしかたないが投機による架空の値上がりが引き起こす市場の混乱・・・。勘弁してほしい。

昨日ある建て主さんから頂いた情報。一年で4倍にもなる木材価格。既にピークアウトであるがそれでも以前の2.5倍での取引が行われている。
隣家と比べると少し高い屋根になることがわかる。

遠くからみても「緑の家」は基礎が高いので他の家より頭が一つぬき出る。このメリットはおおきい。

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