ちょうど一年前にある疑問で下のブログを載せた。今読み返しても「良文だな」と手前味噌である。
しかし一度納まった疑問が再びこみ上げてきた。この基礎断熱の熱損失については既に疑問を通り越してあきれている。それは・・・
あぁーそういえば今日は再び「風」のタイヤがパンクしたことを見つけたので、更に気持ちが沈んでいるのである。しかも一昨年新しくした10000km前後しか走っていない同じタイヤに再びパンクとは・・・。このことは日を改めて書き込む事にする。
本題に戻り・・・
基礎断熱の熱損失の疑問の経緯を説明するには長くて大変だから一年前の2つのブログのリンクを下に置く。まずそれを読んでほしい(以前読んだ人は下へ)。
そして上のブログから一年後、性能表示の断熱等級が増えたことを機に、再び基礎断熱の熱損失の評価が変わった・・・らしい。
そしてその内容をみるとまじめな実務者ほど腹立たしく思うののではないだろうか。
上の緑部分が2022年4月から新評価の数値とのこと。当然一新されて全てで数値が大幅に良くなっている。
「一年前の表13の土間床等の外周部の線熱貫流率が1.57w/mkだったのが今年から1.6倍熱が逃げなくなり?0.99w/mkにします」
とのこと。
「表14でも大幅に熱が逃げなくなりました。」
とのこと。
技術は時によって進歩し、以前の計算方法が違っていることもあり、それを責める事は希望しないし、よりよくなることは誰も非難しない。しかし問題なのは、これだけ国民に義務を負わすような法律を準備中(2025年義務化)に、さらに補助金もこの省エネ評価をあてにして審査が行なわれている最中で、下のようなどの部署が責任を持って出したのかわからない通知書では、とても納得がいかない。この評価で補助金審査がおこなわれるのですよ。これは国立研究開発法人で国交省ではないとの理屈はNG。そもそも国立研究開発法人の最終責任(理事長の解任権をもつ)は国土交通大臣であるとされている。
冒頭のこのブログでも言ったとおり、構造系の人から見ると
「環境の温熱分野って甘々の寄り合いだな~。もしこんな事が構造系で起こったら耐震で裁判にもなるかもしれない。」
と叱咤されるだろう。
現在の温熱評価のUA値は、基礎からの熱の逃げが少なく平屋等の評価では有利になっているが、今年と、昨年のUA値時に用いる新たな基礎からの熱損失評価と、それ以前を比べると下表のように大きく違う。
五日町の家(平屋)22坪 | |||
2020年 | 2021年 | 2022年 | |
外周線熱貫流率w/(mk) | 0.19 | 1.026 | 0.52 |
UA値 w/(m2k) | 0.24 | 0.34 | 0.28 |
何度も申し上げるが、技術は進歩するので過去の計算、数値間違いはあるだろうし、それは問題無い。問題なのはこの数値を決める部署はどこで、だれが最終責任を負ってこれを世に出しているのか?と言うことと、新たな数値が決まったら、原則過去の数値を使う事はしてはいけない。同じ建物で同じ評価方法で算出しても値が2つあることは公平ではないこと。
そして何故このような計算違いが起こったかを説明してほしい。ウエブはほぼ無限にページが増やせるのだろうから、他の参考資料をこれだを多く載せているのに、肝心のこの部分の説明がないように見える。
2つのまったく異なる評価数値。その数値で計算すると値が大きく変わるのは上の表から明らか。これを認めたら技術者のモラルがなくなると思うが、既に日本の技術系はそれ(大手メーカーへの天下りなど)に犯されどんどん衰退していると感じる。