「緑の家」の住い方ルールは・・・たった2つだけ

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先日の「カビが家の寿命を決める(再)」では何が伝えたかったかというと、「自然素材を沢山つかった住宅では、カビ発生に注意することを設計した人は伝えなければならない」・・・である。

「緑の家」のお引き渡し時に必ず伝えることがあり、その中で「この2つさえ守って頂ければその他は自由にしてください」との勢いで引き渡し説明を行なっている。

一つ目は、スリッパ厳禁である。

「緑の家」の床はヒノキ材の無塗装がおおく、時折ナラ(オーク)等の堅木のオイル拭きもある。どの木であろうと塗装されていない木は原則スリッパ厳禁である。理由はスリッパ裏で木を削り艶を阻害しササクレルからである。下の動画でそのことを解説している。スリッパ裏には通常ナイロン又はポリエステルの糸がある。

スリッパ裏はナイロン等の樹脂繊維で縫われているものが多い。

当たり前だが木の硬度はナイロンやポリエステル等石油由来樹脂より低い。その数値的違いが明確に記述されている文献はないが、バーコル硬度で言えば、ナイロンよりしなやかなポリエステルでさえ60-80で、木の場合は40-60と1ランク低くなる。従ってナイロン、ポリエステル製の紐があるスリッパで植物の無垢材(無塗装)を歩けば常に床表面は凹んだり削られてしまう。畳の上をスリッパで歩かない理由はこのためである。しかも高級スリッパほど樹脂糸で縫われているからやっかいである。

このスポンジはナイロンで全てできているようである。

床を傷つける事を証明するために本来ならスリッパで証明したいが、スリッパは体重(40~70kg)を載せないとナイロン製の糸が床と接しない。また何度も繰り返し作業が難しいので、上のような素材(床はヒノキでスリッパの代わりに食器洗い用ナイロンスポンジ)で行なった。

多少音がでます。以前からつくりたかった検証動画。

二つ目のルールは、夏、冬共に床下のRH(相対湿度)を60%以下にすることである。

夏の床下内のRH(相対湿度)60%以下だけを守れば、室内の使い方は自由。当然窓を開けても良いが、窓を開けるとほぼRH(相対湿度)65%を超えることになる。

また冬は居住部のRH(相対湿度)を45%(20度換算)以下にすること。つまり湿度だけ管理すること。これは樹脂サッシの枠結露防止のためである。

真冬だけ室内相対湿度が45%(22度時の)を超えないようにしてもらえば他は自由。

「緑の家」の冷暖房温度も動作も自由であり、住んでいる人の好みにしてよい。但し湿度だけは注意する。特に床下の湿度は常に60%以下がカビの心配をする必要がないので厳守事項。つまり季節の良い5月頃に、窓全開でも床下の湿度さえ60%以下ならOKである。一方どの季節でもRH(相対湿度)60%を超える場合、除湿が必要となる。これを実際守ると、6月中旬からは窓開けができなくなる。それほど外気の湿度(AH絶対湿度)が高くなる。これさえ守れば三十年後のカビ問題もそのリスクが限りなく下がる。これで家が古いと感じることはなくなる。

「緑の家」の住い方はとても簡単である。

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コメント

  1. 佐野 より:

    お返事頂きありがとうございます。
    我が家では寝室、子ども部屋のある2Fのみですが、オスモなど勧められます。
    とりあえずは無塗装で経年変化楽しんでみようと思います。

  2. 佐野 より:

    はじめまして、いつも拝見させて頂いております。
    無垢ヒノキは無塗装で使用して大丈夫とのことですが、新築で国産杉を予定しており、施主でオスモ塗装検討しております。杉の無塗装にされることありましたら経過などご教示頂けましたら幸いです

    • Asama より:

      佐野様
      コメントありがとうございます。

      >杉の無塗装にされることありましたら経過などご教示頂けましたら幸いです

      残念ですが10年くらい経た写真はありません。ヒノキが標準なのでヒノキなら多くありますが杉はご要望がなければ柔らかい特性上計画しません。
      自邸床には張っておりますが、まだ2年と少ない上に、ワン子もいるので参考にはなりません。
      ただ言えるのは・・・無塗装のほうが間違いなく杉らしい肌さわりと香りです。自邸にはやむなくオイルをぬった杉部分もありますが、その感じが家族には不評で、洗面台カウンターも今のところ無塗装なくらいです。