最近、住宅性能評価を2件を日本ERIさんにお願いしていた。その内ひとつの評価書が来た。
住宅性能評価とは、品格法で定められた客観的に住宅の性能を評価するシステム。新聞広告やチラシに「地震に強い建物」とか「地震に強い構造」とかあるが、実際はどのくらい強いか建て主にはわからない。そこで「国が一軒ごとに評価しましょう」という法律を7年くらい前に造った。その評価を受ければどのくらい強いかわかるというもの。
評価する項目は10種類。
①耐震性、耐風性
②火災時の安全性
③耐久性
④維持管理の配慮
⑤温熱環境
⑥空気質
⑦明るさ
⑧音
⑨高齢者配慮
⑩防犯対策
である。
この中でオーブルデザインが拘るのは、
①、③、④、⑤、⑦である。その他は特に最高ランクに拘らない。
全て最高ランクであれば言う事なしであるが、例えば耐震性を最高ランクにすると、明るさが最高ランク取れなかったり、高コスト化する。そこで「緑の家」では①の耐震性は等級1から等級3の真中ランク等級2とし、③、④、⑤、⑦は最高ランクを標準としている。すると「①の耐震性も最高ランクにすれば?」というご意見もある。しかし最高ランクでは「緑の家」の自由な間取りや吹き抜けが制限される。そこで数百年に一度の大地震の1.25倍の力に対しても倒壊しない家である等級2を標準としている。実はこの耐震性の項目だけ、一番低い等級1と等級2には大きな隔たりがあり、我々建築士の中では雲泥の差となる。等級1は構造計算を必要としないし、基礎の計算も不要。つまり客観的評価が事実上ない。だからもし皆さんが性能評価を受ける時は、必ず耐震性は等級2以上をお奨めする。等級1では我々建築士は特に何もしないが、等級2を取得するにはその設計裏付け費用として10万以上の経費(実務時間3日以上)がかかる。そのくらい検討するということ。
因みに日本ERIの新潟支店さんは去年開設されたが、大手メーカーの住宅以外で、オーブルデザインが初めて木造住宅で性能評価を行ったと聞いている。