小屋裏物置(収納)の制限

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小屋裏の取り扱いの一例。これはある行政庁の4月から実施する内容。

建て主さんにとって小屋裏収納(ロフト)は魅力的な空間として認識されており、現在でも人気が高い住宅の仕様である。その用途はあくまでも「物置」となり居住としての利用は違法となる。しかし片流れ屋根が流行し広くなった小屋裏部分を「物置」としてではなく、居住的利用をする仕様が都市部を中心に多く見受けられるので、各行政庁で具体的な取り扱いの違いがある。上の例は東京都のある都市の取り扱いである。

写真はイメージで本文とは直接関係ない。

片流れの多い地域を見渡すと、明らかに物置としては「?」という窓を持った小屋裏が目に入る。このようなグレーの建物が一定数存在するため、ある程度具体的な制限を設けないと建て主(設計者)としては判断できないので、各自治体では下のような説明がある。

東京都のある特定行政庁の決まり(取り扱い指導)

まず(7)の窓であるが、0.36M2以下という制限が多い。次に古くは認めなかった固定階段であるが、ある大手メーカーの商品が固定階段を持つ形態で、それが型式認可されたことがきっかけで殆どの自治体でOKとなっている。

上の具体的な制限を持つ自治体の例は、(12)と(13)で最も厳しい感じのルールとなっているが、これだけ厳しく制限されている理由の一つが、近隣への迷惑が上げられる。もし太字で表現された(2)にあるとおり余剰空間の利用が積極的に利用されると、建物高さが2階建てにもかかわらず3階建て並みになり、近隣建物の採光条件が悪くなることが上げられ、2階建て制限地域でも3階建ての不利益さを被り平等の観点から逸脱する。また制限を厳しくするもう一つの大きな理由が、小屋裏収納は地震時に不利になることで適切な耐力壁を加算しないと倒壊の恐れがあるためである。そもそも余剰空間とは当初から小屋裏を作るために意図されたのでなく、余ったので収納にしたよとの見解であることは大原則となる。

兎にも角にもまずは・・・ずいぶん前から殆ど自治体で居室的な利用は法で禁止されているのであくまでも「物置」や「倉庫」、「収納」でなければならない。当然階に算入される(3階建てなど)のであれば問題ない。

現在「緑の家」で久しぶりに小屋裏収納を持つ住宅を設計しており、その行政庁で小屋裏の扱いを調べたところ、(12)と(13)上の小屋裏制限のような厳しさはなかったが、このような主旨をやはり原則的には守る姿勢が必要である。その点「緑の家」の床下収納はその原則を堅持して且つ地震性能の低下が一切ない。

「緑の家」の床下収納は「物置」として作られるので、入居後もこのよう使い方で統一される。

これらのことから現在設計中の2階上部の小屋裏収納も、床下収納と同様に「物置、収納」として使われる事を原則堅持する窓無しで仕切りで区分けされた余剰空間となっている。上の自治体のように確かに厳しすぎる制限もあるが、法とは守って適法としつつおかしな事は改善を訴えるその手順が法治国家である。

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