何故高基礎なのか?その2

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上の図は建築関係者なら良く目にする建物の模式図である。2階建てならこのようなイメージを持つように建築士は学んでいる。

地表の物体である建物は、地震がおきると上のような串に刺した団子のような形で荷重を各階ごとに分けて考えることが出来る。地震が起こったとき2階耐力壁は主に屋根の荷重に加速度※を乗じて地震力を算定する。1階耐力壁は2階と屋根の重さに加速度※を乗じて地震力算定する。従って荷重が多い1階壁は2階壁より常に大きな力が働くため、1階の耐力壁が2階より多く必要になる。※地震層せんだん力

次ぎに「緑の家」と小屋裏収納を持つ一般の家を比較した図が上である。ロフト=小屋裏収納は2階の上に乗っかるようなイメージとなる。一方「緑の家」は床下収納は地面の上に直接載るようなイメージで間違いない。

この状態で地震が来ると・・・

床下収納にどんなに重い荷重がかかっても地震力は一切増えない。

小屋裏収納を持つ一般の家の1階と2階壁にかかる地震力は小屋裏収納の分だけ必ず大きくなる。つまり収納すればするだけその家の耐震性は悪くなる。さらに・・・この図からわかるとおり「緑の家」の床下収納は、どんなに重い物を沢山載せても、建物に加わる地震力は変わらないのに対し、小屋裏収納が重くなればなるほど一般の家の地震力は大きくなる。

例えば空の段ボール箱に重い物を載せて横から揺らすとくしゃっと潰れるのに対し、重しを載せない空の段ボール箱は横から力を加えても決して潰れない。地震時には上に重しのない建物は圧倒的に有利となる。実際建物の安全性を構造計算で確保する場合、小屋裏収納が12帖ほどあるとその天井高が1.4mとした場合には23.5KN(2.3トン)を追加荷重としなければならない。一方「緑の家」の床下収納が12帖ほどあっても一切追加荷重の加算は必要無い。仮に巨大な床下収納が100m2あっても加算の必要がなく、この100m2を書籍で満たしその荷重が実際600KN(60トン)になっても割り増しは必要無い。これは地面に書籍を置いていると同じ状態とみなされるから、床下収納の重さは地震力として一階の壁に作用しないのである。

そのため「緑の家」の床下収納に上の写真のように書籍を沢山置いても・・・地震に対する強さは変わりないが、小屋裏収納にこのように書籍を載せると載せた分だけ建物耐震性は悪くなるのである。当然積雪地の雪がないときのように小屋裏収納が空の時には耐震性は有利になる。

このように「緑の家」の高基礎は、

A.高基礎は法律厳守する半永久的な仕様。
B.床下の設備メンテナンスとして。
C.床下収納として。
D.床下暖房時のメンテナンスとして

E.耐震性の無影響(収納)として

と5役をこなしている。これが高基礎の採用理由である。

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