さてその6でお伝えした「杉」の「超仕上げ」の驚くべき凄いところは・・・
この上の画像に表れている。
これは冒頭の木の板数種類に、霧吹きで水を吹きかけ2分くらい経過した時のもの。杉の超仕上げ無塗装の床は反射光がない。一方ヒノキの床の方は反射光が見える。この状態を真上からアップで見るとヒノキは表面に水球があるがそれ以外に水が表面に薄く延ばされた状態(親水性が高いのか撥水性が低いのか判断はできない)である。一方杉はまだ水玉も残りでも表面に広がっていない。
なぜこのような事を試したかというと、2階の住居棟に使用している杉の縁甲板の中で、トイレの床だけ「オイルふき取り」を薄く2回行っている。これは水性汚れ防止の意味でおこなったので、無塗装との違いを確かめてみようと上と同様の実験を行ったのに、オイル拭きも無塗装も2分くらいは表面の水玉が全く浸透しなかったので、もしかして杉はオイルふき取りをしなくともオイルふき取りと同様の効果があるのではないかと考えた。
そこでヒノキと無塗装の床と杉の無塗装の床でどの程度水の浸透の違いがあるか軽く試してみたのである。
するとやはり上の写真のように杉の無塗装でも2分程度では全く水は浸透せず表面で水玉の状態を維持した。この2分というのはトイレでは大事で、もし床に水成分を落とした時に、ふけるまでの時間に猶予があるということ。
杉は見た目でも油分が多そうな肌合いをしており、実際にヒノキより水分を浸透するのに時間がかかる。まぁ考えてみれば、酒を造る大樽の材料は杉が大変多い。確かに癖がなく加工しやすいことが第一だと思うが、水を通しにくい材料もその理由になるのか・・・。
当然今回の杉の材料がたまたま油分などが多く、また表面仕上げがよかったのでこのような結果になったのかもしれない。したがってこの調査は今後産地や木材会社さんを変えて行いたい。同じ杉でも産地で性格が変わることはよくある。今回の杉は大分県の「日田杉」とのこと。次回は事務所に使う多分「吉野産」の杉で試してみたい。新潟県産を使わないのか?については残念ながらまだよい床板に出会っていない。
今回の実験動画は↓。 時間がなかったので荒っぽい編集となり時間ができた時に修正する。
とにかく無塗装の杉!のこの表面・・・魅惑的な肌触りとオイルふき取りがいらない本当に優しくそして凄い床である。