昨日熊本城跡見学と一昨日の夜「クリスマスマーケット熊本2024年」で過ごした。
花畑広場で毎年開かれる「クリスマスマーケット熊本」は12月8日~12月25日まで毎日行われているイベント。特に12月14日(土)はイベント初めての週末だったので、その賑わいは人生の中で最も印象に残る時間だったと感じるほど、良かった。そのため次の日の15日(日)ではあるが、参加するために会場である花畑広場にいった。行ったといっても実は宿泊のホテル下がその会場なので、徒歩0分で会場インできる。しかし夕方5時30分ではまだ薄明るいので他の小料理屋さんで一度引っ掛けてから戻る。
実は私ここ6週間、休みを取っていないことに気づいた。突然始まった事務所移転の工事で、普段の混みあったスケジュールの上に更に加わった追加業務で、今までは確実に休む月曜日の事務所定休日にも自宅に帰ることなくデスクに向かって仕事をして、また工事の打ち合わせ等もしていた。そしてこの14日からは熊本の家の工事が終わるので、最終工事監理に16日までここ熊本まで出張しており、そこでの業務をすべて終えた最終日だけ大いに楽しんだ。
何がそんなに印象的かというと、あの40年前のバブルだったころの渋谷のセンター街と年に一回行われる町の夏祭り会場を足して2で割って二乗したような感じ。
会場にはお祭りのように老若男女問わず乳母車の子までおり、しかもその全員と会場にお店を出している売り子までが始終笑顔が絶えない。かといって怒声や大声が聞こえるようなことはなく、何ともアゲアゲのオーラが会場中から立ち上る。そこにいるだけで幸せいっぱいになるそんな空間がこの花畑会場を覆って別空間をつくっている感じ。
最初はかるく会場をまわるだけのつもりが、結局22時終了のほぼ最後まで飲み食いしていた。当然気温は熊本とはいえ、寒気が南下している天気だったので多分3~5度ととても外にいられる気温ではないが、ホットワインを同行しているスタッフと共に何杯もお代わりして体をあたためると、現実離れした映画の一場面のように屋外であるにもかかわらず暖かい暖炉の前で過ごしている感覚になる(危ない?)。
酔っているのか、それとも人の幸せオーラが包み込んでくれるのか・・・。当然この会場に入る前に17時くらいからすでに馬刺し(ハツが好き)と焼酎で結構出来上がったままこの会場に20時に入り、出張先では暴挙ともいえる閉会まで飲食する行動だった。だけれどほんとに幸せな時を過ごすことができた。これも熊本にそしてこの時期に「緑の家」の完成となったことが全てである。その熊本の家はまた後日ご案内させていただくが、とにかく夢のような時空がここにあった。
熊本市は政令指定都市で73万にと新潟市より人口はわずかに少ないが、何しろ日本で最も活気がある町だろう。建築分野でも業界雑誌によると、東京都に次いで建築業界が活況な都市で、三位の大阪市をぶっちぎっているほど好景気な都市。しかも行政がうまく熊本市の市街地に人をぎゅっと集めるような施策を行っており、これが大成功している。特にこのサクラマチバスターミナルでは、2019年以前は枯れたバスターミナルだったが、リニューアルさせたこの中心的な施設ができたことで、最もにぎわっているところに変貌したとの事。市の政策や市民の協力で素晴らしい街になる良い事例だと思う。
次の日は熊本城の見学となる。しかし正確には「熊本城跡」の見学と伝えたほうが良いだろう。唯一建物内部に入ってしっかりと見られるのは天守閣だけで、本丸や過去にあった宇土櫓を始めとする櫓・城門・塀等13棟(櫓11棟、門1棟、塀1棟)が国の重要文化財に指定されていたが、このどれも見学はおろか建物がほぼないので、「跡地」となる。唯一の天守閣も木造でなくほぼ鉄骨補強造で、内部は全て新しく新建材の資料館といったほうが正確である。よって古いままの建物として実際に見ることができるのは、上の写真の本丸のごく一部だけである。大変残念である。この「大変残念」だったのはそれらの建物が見られなかったことではなく、なんで今までこんな立派な建物をしっかりと見学に来なかったのだろうという自分への残念さと共に、歴史ある建物が消失したその悲しい気持ちの意味である。決してこのような特別展示会を開催している熊本市に対してではないことをしっかりお伝えしておく。
この熊本城跡を見終わったあとのスタッフとの会話で、「消失する前に見ておかなければならない建物は、自身で機会をつくってみておこう」という気持ちがわいたということ。最近の建物を見ることも大事だが、古の建築物が現存しているということは、それらを作った職人以外が何とかして未来へと引き継ごうと考え、それら多くの人の想いと時が詰まっている。それらを五感で受け取るために最優先で行動したいとの結論である。
跡地なだけに自身の目で見るだけではほとんどわからないことを、現地でボランティアスタッフ?さんなのか、無料でガイドしてくれる方がいらっしゃる。是非熊本城跡地にお越しの際は、ガイドさんから話をいて頂くとよい。私たちもガイドさんから聞いてこの跡地に想像で建物を頭の中に描くことができたし、石垣が擁壁という扱いではなく、建物の土台である認識をした。だから今建物がない石垣は不安定で壊れやすい。擁壁は上に何もないほうが良いのだがここが石垣と擁壁と全く違うものである。