「 2007年10月 」一覧

床暖房の評価の正しい評価を

Img_02_2正しく評価するのは難しい。といつもお世話になっている先生から聞かされてきた。「評価」を大辞林で調べると「物事の善悪美醜の価値を判定すること」と書かれている。価値は比べる条件で変わる事は多い。ある条件であるとAよりBが優れているが、条件を「少し」変えるとBよりAが優れている事は多々ある。

さて表題であるが、日経ホームビルダーの2007.09号の「広告企画」と小さく書かれているところ ←ここポイント に「最新評価で検証する床暖房の性能」と題し、某大学の教授が実験結果にもとづいた結果をトーク形式で載せてある。それによると「床暖房はエアコン暖房より3割少ないエネルギーで同等の快適さを得られる」と締め括ってある。ちょっと待ったー。私はこのトークの根拠となった実験の論文発表が空気調和衛生工学会の9月大会で発表される事がわかったので(実は同じセッションで私も発表した)、その論文発表と質疑応答を直に聞きいたがとても正当評価ではない気がした。というのは、ある大学の先生が「この実験条件は、床暖房に大変有利で一般的にこの体制でリラックスをずっとしているのは変。通常よく見られるソファーに座った条件で実験を行い2つを比べて評価すべきではないだろうか?」すると発表者は「その通り。ですので他の条件でも実験中」と応えた。

41221__2 全くもってその通りで、写真のようにその実験の人の状態では、暖かくなる床に人が一番接触しやすい条件である。(左のグラフはコメント覧で紹介した論文から抜粋)つまり床の30度近くの床温度がダイレクトに人に伝わるというもの。また人がこの写真の状態でリビングにいるだろうか?クッションもないのでお尻が痛くなってたまらないのではと思える姿勢。正しい評価というには無理がある。この某大学の先生は、正しい評価曲げなければならない理由(コネクション)があったのだろうか?共同研究者には某大手ガス会社の社員の名前があるが・・・。やはり他の条件の結果を待ってトークする事が正しい評価ではないだろうか?そうしないと一般実務者には誤解を与えるはず。大学は税金の補助を受け研究をしているはずである。中立性という箍が外れたら大学の研究評価は無意味ではないかとさえ思う。(実は当HPの過去掲示板に書いてあるが、床暖房とエアコン暖房は、快適性が同じという条件では投入エネルギーに差はない実験結果を知っているのである。)

そう、問題はこの広告企画記事を見て、「そうか。床暖房はやっぱり3割も省エネ」と言って販売の資料にされること。実験結果は正しいかもしれないが、正しい評価といえるだろうか?しかし日経ホームビルダーもなかなか。ごく小さいとはいえ一応「広告企画」と謳ってあって、記事ではないとされている。なるほど。納得であるが、ぱっと見、記事に見える。

この論文はここにおくので、見たい方はどうぞ。 2008.08←出所の使用注意を良く見たらインターネット上の複数利用は禁止されて事がわかり、リンクを削除します。メイルではご案内できるので興味のある方はご連絡を。


工事監理で思ったこと。

最近は、同時に様々な建設会社さんといっしょに仕事をさせていただいている。それぞれの会社の社風があり勉強になる。ワンマン性が強い会社は、一見、協力業者さんが統率されあざやかと表面では思えるが、実際はその協力業者さんの裏表がはっきりしている。現場の実務者が平気で「建築仕様を落としてもよいか」などと言ってくる。逆に組織的になっているところは、一見現場はたより無さそうだが多少まちがっていてもしっかりと最後まで仕事をこなす感じ。また、組織的でなくとも社長さんの人柄(人相)の良いところは、協力業者さんも最後まで真面目に仕事をこなす。私の仕事は人生そのもの。やはり真面目な会社が好み。

しかし、工事監理が重要と改めて感じる。工事現場は様々な人の集合で個性もいろいろ。全体的にコーディネイト(指揮)できる設計者、それを確かめる工事監理者は重要。(工事監理とは図面と現場が同一であることを監理しその責任を持つ人。現場監督とは、現場全体の業務を把握し段取り、工事範囲、内容を監督しその責任を持つひと。)


電球型蛍光灯の進化

Pict0069_5  家庭用照明には大きく2つの発光方法がある。いわゆる白熱球と言われエジソンが販売したフィラメントの加熱で発光するするもの。もう一方は蛍光灯といわれ水銀ガスのなかを電子を飛ばしてその衝突で紫外線を発生させそれを可視光として変換し発光させるもの。白熱灯は点光源で影がしっかりとできるが、消費される電気のほとんどが熱となるため、蛍光灯と同じ明るさを得るのに3倍以上の消費電力を使う。ということは蛍光灯の方が同じ明るさを得るのに白熱灯の1/3でよいということ。だから省エネになる。ちなみに照明器具は電気を使うがその効率は白熱灯で10%残り90%は熱などに、蛍 光灯は25%で残りは75%は熱などになる。最近ではLEDという照明器具があり変換効率は90%近くもあるそうだ。

随分前(8年くらい)に当サイトや季刊紙で紹介しているとおり、当事務所では白熱球を電球型蛍光灯に変えることを勧めてきた。それが今年になって地球温暖化防止の観点から、国では来年の照明器具のカタログに白熱型の器具の掲載をやめるよう業界団体に申し入れる決定した。それに伴い従来電球型蛍光灯の弱点とされている、ON、OFFの頻繁におこなわれる場所での寿命が著しく縮まることを克服した商品がパナソニックから発売された。これでトイレ等のON、OFFが一日に20回以上もおこなわれるところにも使用が可能になったか?具体的なその商品のことはここのメーカーサイトを。それによるとこの商品の点灯寿命は10000時間、点灯回数は3万回となっている。すると1日に25回点灯するとして3年くらい。3年なら1日9時間点灯でようやく点灯寿命とON、OFF寿命が釣り合う。だからちょっと不満足。ON、OFFを1日15回なら5.5年はもつ。すると1日5時間でなんとかまあ許せるかなという判断。1日10回程度なら8年程度。このくらいでようやく実用的。すると夜10回程度のON、OFFする家だったら効果的で温暖化防止になる。かな??

今までの電球型蛍光灯の常識からすると、電球型蛍光灯は普通の部屋に使っていて2年くらいという感覚。それから考えるとずいぶん寿命の長い商品。ただしこのメーカーのこの機種のみであり、最近ホームセンターで販売される安価品からみると3倍くらいの値段をどう判断するか?皆さんいかがですか。ちなみに写真は自邸の器具です。風呂、トイレ以外はすべて電球型蛍光灯です。


心の成長

真面目なタイトルです。

先日ラジオである50代女性が「家の長女(娘)は子育てが出来ない。娘は自分の2歳の子供が泣き出すと無性に頭に来る。全く可愛くない。と言っていた。私はどうしたらいいんでしょう?」するとコメンテーターは、「お母さんが娘の心をしっかりと今まで受け止めていないで来てしまった。だから娘は自分の子供を授かって子育てしようとしたとき、自分が母の本当の愛を知らないので心に安心感がない。母の愛を知らない。すると娘が泣くとにどうむかったらよいかわからない。子供を守ろうという一番基本的な愛情が育まれなかったのでしょう。お嬢さんは体と年は大人で仕事もよくできるでしょうが、心はまだ子供もまま。今こそお嬢さんをしっかりと受け止めて愛してあげなさい。それは「どんな事があっても、私があなたを守るよ」という言葉と態度です」だった。お母さんは、その娘が「私には子育ては無理。仕事に復帰したいので実家に帰って子育てしたい」と申し出た時、「子育ては誰でも大変なもの。がんばりなさい。」と言ってしまった。そこでコメンテーターは、「それは一般的な愛のない言葉。母さんは、自分の娘がHELPサインを出しているのだから「直ぐに戻ってきなさい。あなたが困っている時はどんな事があってもあなたを守る。」と言ってほしかったに違いないと。」

私も全くそのとおりだと思う。子供にとって最大の安心感は、「お母さんに守られている」という事。その安心感があるから心が安定するのだ。最近の話では、大相撲の入門弟子が、その環境がきつくてもうだめだと家に戻った時、親は「もう少しがんばれ」と送り出してしまいその次の日に亡くなってしまった。親は会見で「一番だめな親だ。子供を守れなかった。わかってやれなかった。」と泣いていた。子供は親に送りだされた時どう思ったのだろう。「どうして僕をわかってくれないの?僕はもう苦しい。」と感じたと思う。そして生きることを諦めたような感じで命を落としてしまった。(本当に逃げようと思えば、縄で結ばれていない限り、相撲部屋から警察に駆け込むぐらいのことはできると思うから。)

私の妻はある事件(ブログに掲載した幼稚園事件)をきっかけにきっぱりと娘に言い切る。「万が一いじめやつらい事があったら、最後は絶対私が守るよ。」この言葉を横で聞いていたとき、私の心が温かくなった。(熱くなった)そして私は心で「妻が守いきれなくなったらない時は俺が家族を守るよ」と。ここで言葉を発して言う事ができればもっと私の心は成長していると実感できるのだがまだまだ心の修行が足りないないだめな父親。心での言葉となった。

親(社会)は子供に対し心の成長(豊かさ)も責任を持って育むことが、次世代に繋ぐ大事な使命と思う。私は23歳まで冒頭の娘のような気持ちがあった。だからわかる。子供の心の成長は、その子が望めば年月ではなくある一瞬で豊かになる事もできる。


電気自動車、バイクの難しさ。

私が最初に運転した乗り物は原付の「パッソル」(ヤマハ製)。当時はホンダのロードパルがヒットし、原チャリのブームが始まった頃。しかしロードパルではあまりにも・・・と思い、発売されたばかりのパッソルを買った。(ぺスパがほしかったけれど、価格が高くて手が届かなかった。)それから25年以上経ち一時廃番となったパッソルが電動バイクとして帰ってきたニュースを見たのが2年前。ほしいなーと思いつつ20万は高いと見守り続けてきたが、この度、販売中止のニュース。原因はバッテリーの耐久性に問題があったようだ。携帯電話やノートパソコンで体感していると思うが、バッテリーは比較的寿命が短い。2年くらい使うとヘタリ、2~3年くらいで当初の半分くらいしか使えない。パッソルも同じだったようだ。バッテリーは高く2~3年で交換していたら維持費がとても現実的ではない。携帯やノートパソコンのように途中で使えなくなっても諦めがつくが、バイクという用途から、途中で止まったら押して帰るか、運搬引取りとなる。これがクレームとなったらしい。

ではバッテリーで動く自動車といえばプリウス!!これが現在も大ヒットしていて更に販売車種の拡大を狙う事ができるのは、充電をするプログラムが優れているから。乗っていても思うし、トヨタさんの情報でもプリウスのバッテリー消費や充電のの仕方は、そのほとんどが最大容量の半分前後で頻繁に行われる事による。つまり満タンや空にほとんどしない。(1週間1回くらい強制満タンモードが行われる。)このようにハイブリッド車は、車に仕込まれたソフトが何時充電するかを決めるので持ち主は関与しなくていいし、関与できない。ところがパッソルを始めとする純然たる電気自動車(バイク)は、充電を所有者の判断で行う。すると最適な充電方法から外れバッテリーの寿命を著しく縮めてしまう。満タンにしなければ走行距離が縮まるので何時でも満タン。この充電方法ではやはり限界は500回から1000回でバッテリーがおかしくなるのであろう。(携帯電話のように)つまりバッテリーの高容量が安価出来ないかぎり、電気自動車が主流になる可能性は低い。バッテリーの状況を踏まえ現実的な提案をしたハイブリッドの開発Dscn4059者には拍手してあげたい。

PS

今年から自家用ハイブリッド普通車には国からの補助金が出なくなったことは残念。写真はハイブリット車の充電や放出を示すモニター。


住居内のダニ、カビは性能の良い家が少ない。

今年の建築学会で発表となった論文で面白い物を見つけた。論文名は「カビ・ダニの実態と建築的要因に関する調査 連報3」である。ダニ・カビと建築的要因の研究は、まだ多くない。巷の話では、「住宅の高気密高断熱化がカビやダニによる影響を多く受ける。」と言われる事が多い。ところが今回の研究では、結論として「断熱(気密)化と換気確保による室内の湿度制御と掃除等の基本的な対策がカビ・ダニ等の抑制に寄与する」と締めくくってある。

当サイトでも何度か取り上げたが、冬の相対湿度抑制(高断熱化が、壁、床付近の温度と部屋中央部の室温との温度差をなくす事で壁、床付近の相対湿度が下がる事)と機械換気、そして掃除が重要と訴えてきた。そのことが実証された感じである。自然重視派を目の敵にしているのではないが、実際我々の暮らしは、既に暖房無しでは生活できないくらい日常的なものになった。この現実をしっかり受け止めると、中途半端な断熱化はお奨めできない。本当に自然派住宅を考えるなら、社寺仏閣のように一切暖房せず、冬でも隙間風が入ることに耐え忍ぶ生活をするか、住宅に囲炉裏を設け、室内で木を焚くことで日常的にホルムアルデヒドを発生させ、建物に満遍なく浸透すれば、カビやダニ等の影響を受けにくくなる。はず・・・。しかしこんな事を多くの人に実行してもらう事は現実的ではないし、大正時代以前の暮らしに戻れるはずはない。

注・・・自然重視派とは、家は昔のような素材と造り方が良くて、機械換気や高断熱高気密住宅を否定している人(団体)。または中途半端な断熱と気密が良いと唱えてつつ、自然素材で中途半端な断熱住宅を薦めている人(団体)。

論文原稿はここに置くので、原文を見たい方はご参考にどうぞ。ちなみに調査対象住宅モニターは、「主にインターネット及び建築専門誌媒体を通じた公募により、間取り略図等を書けることが条件」であるので一般との多少のずれはあるかもしれない。


急に・・・。

Img06035 寒くなりました。急に・・・。寺泊の今日の6時の気温は14度。内地ではもっと冷えたのではないかと想像します。寒さに弱い拙宅住民はなんと暖房(エアコン)をON!!。数日前までは冷房ON!!だったのに・・・。エネルギー削減が求められている昨今に、こんな時期から暖房を使う私たちはわがままと言えると思います。が、やはり急な寒さには勝てません。

ところで最近寺泊から出雲崎まで海岸沿いを娘とサイクリングしました。気持ちいいですね自転車は。自分の足だけで10km以上離れた町までぶらっと出かけられる乗り物。自動車で移動するエネルギーを自転車でエネルギーゼロにしたことで、暖房用エネルギーを使った分を「チャラ」にしたと勝手に思ってます。

写真は拙宅バルコニー前から見た今朝の海です。