「 2007年10月03日 」一覧

住居内のダニ、カビは性能の良い家が少ない。

今年の建築学会で発表となった論文で面白い物を見つけた。論文名は「カビ・ダニの実態と建築的要因に関する調査 連報3」である。ダニ・カビと建築的要因の研究は、まだ多くない。巷の話では、「住宅の高気密高断熱化がカビやダニによる影響を多く受ける。」と言われる事が多い。ところが今回の研究では、結論として「断熱(気密)化と換気確保による室内の湿度制御と掃除等の基本的な対策がカビ・ダニ等の抑制に寄与する」と締めくくってある。

当サイトでも何度か取り上げたが、冬の相対湿度抑制(高断熱化が、壁、床付近の温度と部屋中央部の室温との温度差をなくす事で壁、床付近の相対湿度が下がる事)と機械換気、そして掃除が重要と訴えてきた。そのことが実証された感じである。自然重視派を目の敵にしているのではないが、実際我々の暮らしは、既に暖房無しでは生活できないくらい日常的なものになった。この現実をしっかり受け止めると、中途半端な断熱化はお奨めできない。本当に自然派住宅を考えるなら、社寺仏閣のように一切暖房せず、冬でも隙間風が入ることに耐え忍ぶ生活をするか、住宅に囲炉裏を設け、室内で木を焚くことで日常的にホルムアルデヒドを発生させ、建物に満遍なく浸透すれば、カビやダニ等の影響を受けにくくなる。はず・・・。しかしこんな事を多くの人に実行してもらう事は現実的ではないし、大正時代以前の暮らしに戻れるはずはない。

注・・・自然重視派とは、家は昔のような素材と造り方が良くて、機械換気や高断熱高気密住宅を否定している人(団体)。または中途半端な断熱と気密が良いと唱えてつつ、自然素材で中途半端な断熱住宅を薦めている人(団体)。

論文原稿はここに置くので、原文を見たい方はご参考にどうぞ。ちなみに調査対象住宅モニターは、「主にインターネット及び建築専門誌媒体を通じた公募により、間取り略図等を書けることが条件」であるので一般との多少のずれはあるかもしれない。