三井ホームの坂部氏と北海道立北方建築総合研究所のチームが「部分断熱区画導入による住宅公団熱か手法の基礎研究」という論文を今年の学会で発表した。内容は、シュミレーションではあるが内部発熱の多い生活部分と、生活時間が短い部分を分けると効果的に家電から内部発熱が使えるとなっており、まったく同感。そのときの暖房負荷はおおよそ3割少なくなる。懸念される非暖房室での結露についてはまだ結論はないらしい。このシミュレーションは、普通の生活パターン。もっと週末しか使わない部屋とかを区画する条件時シミュレーションは差がつくだろう。(詳しい内容はご本人かこちらにお問い合わせください)
当事務所では、数年前から住宅における断熱区画をご提案している。特に最近は当HPでもその提案を明確にしている。そもそも断熱区画は、拙宅で12年前に行われている。拙宅は、前にもこのブログで紹介しているとおり、資金がなかったため最初は24坪だった。それを8坪増築したため、この8坪と前からある24坪部分がそのまま断熱区画となった。使ってみるといい感じで、普段は24坪の空間でOK。8坪部分は温度を下げて暖房するか、OFF状態。予めお客様がいらっしゃるとわかっている時は、前日から20度から22度に温度を上げ使う。無駄な光熱費をカットできる。「何だ普通の家もそうしているよ」とおっしゃる方もいらっしゃるが、この方法はしっかりと断熱区画した家でないと、結露を引き起こしてしまうので・・・。もともと高気密高断熱住宅は、家中暖房が条件で造られている。部分居室暖房は、国のマニュアルにも想定されていない。(多くの実際の住宅では、部分居室暖房が一般的という矛盾がある)
ご存知のとおり、新潟県で郊外の家は、今でも二間続き(和室8帖と8帖がくっついているような客間。ハレのときに使い、普段は誰も使わない)の要望が多い。このときにこの断熱区画は非常に無駄がない。2年前の「黒の平屋60坪」では、暖房費が厳寒期で月1万ちょっと(24時間家中暖房)という実績結果がある。この家には三間続き部屋があるが、ここは普段暖房しない区画。だからこのコストで快適さが得られる。
図は2008年建築学会梗概集「部分断熱区画導入による住宅公団熱か手法の基礎研究」坂部芳平氏ら から抜粋