「 2009年03月 」一覧

新潟の住まい 冬に結露しないガラスの条件とは?

まず写真の図4を見てほしい。これは、岩手県立大学の本間義規准教授の「結露しない窓の断熱性能とは?」に出てくる図である。外気温-5度(新潟では年に1回位ある温度)のときの窓の構成による結露発生図である。

普通のペアガラス(空気層12mm)は、K=3であるため、常に結露する。このときの室内条件は15度で湿度70%(20度で湿度50%)のとき。LOW-Eペアガラス※にするとK=2となるので結露はしない。この空気条件で温度22度にすると、湿度が45%になり、温度23度のときは湿度が42%となる。つまり一般的に高性能といわれるLOW-Eペアガラスでも、室内の湿度が高いと結露する。特に風が強く吹き付けるガラスは、温度が低くなりがちで、多少室内が渇き気味でも結露の可能があるということ。逆に結露させたくないのであれば、LOW-Eペアガラスの上、湿度45%以下にする。このときの温度は22度であり、もし24度まで上げるなら湿度は40%以下にしなければならない。

一般的に快適な湿度が55%から40%といわれているので、もし温度湿度とも上げる(温度23度湿度55%)なら結露がおきる事は多少目をつむる事も必要となる。新潟県の室外温度は0度が多いのでLOW-Eペアガラスでなくとも22度45%ぐらいで結露がおきないが、風が強く吹いたり、雪が直接ペアガラスにつくと表面熱伝達抵抗が変わり直ぐ結露する。

この体験は皆さんが車に乗っているときに感じているはず。気温が氷点下でも空が曇っていれば窓ガラスが曇ることは少ないが、雪や雨がウインドウに着いたとたんガラスは曇りだす。これも空気中の湿気の量が変わったのではなく、ガラスと外気が触れる条件(表面熱伝達抵抗)が変わったためである。もっと具体的に言うと、同じ0度の空気と水がある。でも手をその中に入れると圧倒的に水が冷たい。これも手の表面の表面熱伝達抵抗によるものである。静止した空気は、熱を伝えにくいのである。

※・・・LOW-Eペアガラスとは、ペアガラスに薄く金属膜をコーティングした高性能のガラス。反射して鏡のように見える場合がある。価格はペアガラスの10~20%増。


新潟の住まい 省エネ法改正で玄関周囲の基礎断熱省略可能!

来月(4月)から省エネ法の改正が行われる。平成11年に次世代新省エネ基準以来の大幅改正。地域区分が細分化されたことと、気密工事が防湿工事と分離され気密の規定(所謂C値)がなくなったこと、そして今回の問題である玄関やお風呂周りの断熱工事が省略できることである。この「省略できる」が曲者で、省略したい人は、省略しても省エネ性能に関係ないからOKだよ!ということ。省略しなさいとは言っていない。同じように、床面面積に対し2%までは断熱性のある窓にしなくてもよくなった。

昨日基礎の表面結露が出てしまった家があったとご報告した。その中には基礎と断熱材のわずかなずれ(1から6mm)で結露していたところがあり、熱橋と呼んでもよさそうなわずかな部位がある。今回改正された玄関もお風呂もやはりこれと同条件になる。確かに冬季のある条件になると結露するが継続的ではないことを勘案すると、建物に被害をもたらすことにはならないという判断。小さな窓も同じ考えで、例えばトイレにあるような小さな窓は、普通のガラスのサッシでもOK。この程度なら断熱性に影響はなしで、さらに結露しても良いとも言える。

・・・と思ったが実は違う。

この「省略できる」や、「しなくてもよい」というのは、あくまでも省エネ上の計算であって、結露しても良いとは言っていない。確かにその部位が結露してもその被害は微小と思われるが、実務上それが許されることは少ない。結露すれば建て主さんは「どうして?」と思うし、できるなら結露しないようにし改善してほしいと要求されると思うし、私もそう思う。ここは勘違いをしないように気をつけなければならない。今までどおり玄関もお風呂も小さな窓もその家に見合うバランスの取れた断熱をしなければならない・・・と思う。


新潟の住まい 「緑の家」で基礎表面に結露発生!!

緑字は加筆部分

1月の末にA様の「緑の家」の床下で「表面結露らしき物があるので見に来てくれ」との要請があり伺った。すると確かに基礎表面に結露がある。7年ぐらい前に基礎に表面結露が発生したお宅があったが、その原因は加湿しすぎであった。今回はどうも違う。当事務所の基礎断熱は基礎内側に断熱を貼るタイプである。断熱材は基礎上端まできっちりと貼っていたのであるが、一部数ミリ露出していた所と、大丈夫と考え貼っていなかった部分があった。その北側隅だけに結露が発生していた(写真上)。下写真は東側の熱橋部分で、結露はしていない。北側結露原因は明らかに熱橋によるものであるが、過去にこの部分での結露はなかった。そこで1ヶ月間ほど床下の温湿度を測定し、熱橋以外に原因があるかどうかを調査した。

グラフ1は、1月31日から3月6日までの、結露した北側部分と結露のない東側部分の床下温湿度である。同じ床下空間でありながら結露した北側が東側より温度が1.5度低い。最初は外気、外風の影響で北側が低くなるのではないかと考えたが、一ヶ月ほぼ同じように推移する。この一ヶ月の新潟の天候は、寒かったり、暖かかったりを周期的に繰り返していた。よってこの1.5度の差は外的要因(外気温、風速)にはあまり関係ないと思われる。となると何か?この北側の真上床は畳である。そして普段使わない和室なので積極的な暖気取り入れはない模様。その影響が床下にそのまま温度差として現れたらしい。つまり床下への暖気供給は、上部床の熱伝導率と室温に大きく影響を受ける。

グラフ2は測定一ヶ月間の中で最も寒い期間である2月18日の北側床下温度である。床下温度は、11度まで下がり、この日結露していたらしい(A様曰く「寒い日に結露している。少し寒気が緩むとしていない」)。そしてこのときの東側では13度であり結露はしていない。たった1.5から2度の差が表面結露をおこすかおこさないかの分かれ目といえる。

今までの測定では床下温湿度は、冬季の床下温度は15度から17度くらいである。しかしA様の家は普通の緑の家の床下より1.5倍ほど容積があり、表面積が大きくなるため外周から熱が逃げやすい。それで一般床下より2度から3度低くなったと考えられる。

定常状態の式でシュミレーション(透湿抵抗大)すると

θ1・・・コンクリート表面温度 θ0・・・外気温-1度 θi・・・床下温度

r・・・室内側熱伝達抵抗 R・・・rを含む基礎全体の熱貫流抵抗 

R・・・0.11+0.09+0.04=0.24W/m2k

θ1=θi-r/R(θi-θ0)で求められる。

すると11度北側のコンクリート表面温度は6.5度

14度の東側のコンクリート表面温度は7.1度となる。

もし16度あればコンクリート表面温度は8.2度まで上がる。

グラフ2の黄色い線が露点温度であり、6.5度位で結露することを示しており、計算とぴったり合う。

しかしこのくらいの温度差で結露するのでは当事務所の標準施工としてよくない。安全率をもう少し大きくしたほうがよいと考えるので、少し納まりを変更しようと決めた。以上が今回の状況である。

A様にはご迷惑をかけたことこの場をお借りして改めてお詫びいたします。この部分の改善は数日中に行う予定です。尚、この後に他の数件の「緑の家」の床下を点検しましたが、このような結露や発生跡がなかったので、今のところすべての点検の計画はありません。もしご心配な方は、点検に伺いますので恐れ入りますがご連絡ください。また、よくウエブでも指摘されているアンカーボルトの結露がなっかた事、合わせてお伝えいたします。今回の件は、より一層良い「緑の家」をご提供していく上で学ぶ事の多い事例であり、早期発見通報頂いたこととても感謝しております。


認めましょう! 新潟 家造り 自然と人工のバランス

認めましょう!

と、唐突にいわれても・・・では何を?人間はわがままなのです。ということを・・・。

家造りに関して、「エコだから薪ストーブ」がよいとか、「家造りは自然が取り込める家がよく、高断熱や高気密なんてもってのほか、少しは寒さの我慢を」とか、「石油製品や気密シートを貼る家造りはやめよう」おっしゃるサイトが多々あります。前にも検証したとおり、日本中の暖房を薪ストーブで行った日には、日本中の森や林が数十年で丸坊主ですよ。それでも薪を国民全てが使うように勧めることが「エコ」ですか?薪を自分で集める事をした人はそんなことを言いません。それだけ薪はあっという間になくなります。薪ストーブは楽しみ(趣味)の一つですし、周りが森林のところでの暖房方法です。

自然が取り込める家だとしても、冬はやっぱりほとんど暖房してますよ。自然派雑誌の写真はどれもこれも室内で「暖」を取ってますよね。普段の生活の中、室内で分厚いコート着て写真に写っているアウトドアマンは見たことがありません。それだったらホームレスの人の段ボール住まいが、一番自然の気候とマッチした家です。

そして石油製品から造る気密シート(所謂ビニール)はおっしゃるとおり人工材料です。でも暖房という行為は、そもそも力まかせで自然気候ではありえない温度差20度の人工気候を造ることですよ。温度差20度といったら、冷蔵庫内の温度と室温の差以上ありますよ。この人工気候状態を維持できるのは、やはり人工素材をどこかに使わないといけませんね。冷蔵庫の箱を木と土で作れますか?造れませんね。すぐにだめになるのは目に見えてます。だから家の壁や天井の材料は、一種類でも人工物(ポリエチレンフィルム等)が必要なのですよ。

どうしてこんな単純な事から目をそむけるのだろう。現代は車(石油エネルギー)なしではほとんど生活できない。コマーシャルでもあったように、「今あなたがすっている空気でさえ、車が運んだ石油によって造られる電気によって換気されている空気ですよ。」

するとこういう人がいるだろう。「大丈夫私の家では換気扇がついていない。」

では、「その家を作るのに、材料を車で運ばなかったのかい?材料を切るのに電気工具を使わなかったのかい?」 「その着ている服は・・・」

いい加減に認めようよ。人間はわがままなのだよ。巷で言う自然はもう自然ではないのだよ。その自然を支える化石燃料もそろそろ限界が見えてきているが・・・。

しかしこの先も自然と同居できる希望はある。この豊かさが持続可能なように今の責任をしっかり尽くそうとしているし、受け継ぐ子孫を信じる事ができるから・・・。だから正しい情報を伝えようよ。人間はわがままだから、暖房も必要、車も電気も必要。だからこそそれらを造る原料を与えてくれる自然に心から感謝して、大事に使う気持ち育み、自分ができる行動を着実に行う事が重要な事を・・・。島国日本から率先して始めたいね!

(写真は拙者が作ったかまどの火入れ模様。伐採された枝が燃料。)


長期優良住宅先進的モデル事業に申し込みました。

赤字は2009.03.25加筆

先週、国交省の補助金事業の「長期優良住宅先進的モデル事業」に申し込みました。なんと申し込もうと思ったのがその2週間前。実質作業開始が7日間くらい。よく間に合ったものです。これは図面関連のスペシャリストと文関連のスペシャリストがいる当事務所ならではです(思い立った時すぐ実行のわがまま筆者もいます)。

ここにあるのは低画質画像ですが、当ホームページにPDFファイルとして申請した提案書を近日中においときます。ご興味のある方はご覧ください。住宅最新ニュース」のタグから入れます。

内容は今まで作ってきた「緑の家」のSS仕様です。これにちょっとだけ提案を加えて今回の応募する長期優良仕様になってます。 これが受理されれば、当事務所が12年間ずーと取り組んできた「緑の家」が公にも「超耐久性のある住宅」として認められた事になります。

昨年から2度の募集があり今までおおよそ100プロジェクトが採択されてますが、新潟県の民間企業(フランチャイズや共同組合を除く)が採択された事がまだありません。この当事務所が採択されると民間企業としては新潟県初となります。限定5棟だけに補助金200万が建て主さんの新築建設資金となります。是非お問い合わせください。

とにかくバランスがよい家。それが緑の家です。今後ともよろしくお願いいたします。


新潟での高気密高断熱 緑の家 木の外壁③

  春満開です。三条市下田地区でも黄色いクロッカスが満開です。

小川のせせらぎも心地よいですね。

今、特にお勧め外壁「杉板 無塗装。」こちらこちらのページでも良さをお伝えしています。そしていま三条市でも着々と出来つつあります。現在は上棟が終わり外壁下地を作っているところです。

この地域は今年こそ雪は少なく、いつもは1.5mくらい降ることも多い地域。だからこの「緑の家」は耐雪2.0m住宅。さらに、品格法の耐震表示等級2相当です。

正面から見るとわかるが、ビルトイン車庫があるプランで、当事務所の厳しい偏心基準0.15で設計されています。性能表示耐震等級2の基準では偏心率0.3以内との決まりがありますが、その倍以上の厳しいさで設計してます。それには理由があり、偏心率が低い家ほど地震時の損傷が少ないとされているからです。偏心率とは、たてものの重心(建物重量的中心)と剛心(耐力壁の中心)のずれをいい、このずれが少ないほうが建物変形がしにくくなります。さて、その0.15の偏心率にするためには、工夫がいります。開口部の多くなる玄関側に赤丸で囲まれたところをラーメン構造(梁柱剛接合)にします。ラーメン接合といえば、古い民家の大きい柱と梁の接合方法と同じ接合のことですね。こうすると開口部であっても建物は強くなります。

そのラーメン接合はなかなか重厚で下のような写真の感じです。

柱下部はM16アンカーボルト2本で固定され上部は新幹線柱脚の補強としても有名なアラミド繊維シートで緊結されています(ハイテク素材です)。柱として36cmにもなる柱脚は木造の接合部ではないくらいの雰囲気です。

このような技術で無理なくビルトインガレージを作るのが安心の家ですね。


新潟 住宅性能表示で耐震等級2の構造計算した基礎

さてこれは何でしょうか?

これは基礎を作るコンクリートの中にある鉄筋を浮かせるためのサイコロと呼ばれるものです。大きさが違いますが、左は一般住宅で使われる4-5-6と呼ばれるコロ。右は緑の家で使う7-8-9-10のコロ。それを7の位置で使っているところ。この数字は鉄筋のかぶり厚を示す。かぶり厚とは、鉄筋を腐食から守るためコンクリートで保護する厚さ。厚いほど腐食スピードが遅くなる(つまり基礎の耐久性が上がる)。このかぶり厚は法律で決まっており、基礎スラブで下からの寸法は最低6cm必要。だから普通の現場は左の4-5-6の6の部分をつかう(よく5cmで違法建築を見るが・・・)。一方「緑の家」では7cmを指定する。これは構造計算時、かぶり厚を7cmで計算しているから。通常固定端のスラブは端部下端筋に一番大き応力がかかるので、下端筋が効果的になるように最低の6cmにしている。ところが現場では下写真のように人が上から踏みつけたりして、 6cmのコロを使うと5cmくらいのかぶり厚部分も生まれる。また、構造計算の考え方で端部ピン端にするとスラブ中央の上端筋に一番の応力がかかる。そのためできるだけ上に近いほうに鉄筋があった方が有利なので、下からなるべく離す7、8、9cmのほうがよい。その2つ理由から「緑の家」ではあえて住宅基礎では普通は使わない大きなコロを使う。この辺が設計事務所の工事監理と設計手法。施工オンリーの工務店では考えられないところ。これはシングル配筋時のことで、ダブル配筋の場合は6cmでOK。下端筋を踏みつけられないし、上端筋は別にあるから・・・。


新潟の住宅設計ブログ・・・「知ってましたか? 新築住宅の設備に・・・」

  今日「国交省主宰のある講習会」の中で配られた資料があった。それが上の写真。それによると屋内ガス給湯器類と石油給湯器、FF式石油温風暖房機、ビルトイン式電気食洗機、浴室用電気乾燥機は、ある程度の期間(7~10年くらいだろうか?)経過したとき、持ち主の依頼で定期点検をしなければならなくなった。もちろん有料である。この持ち主の依頼というのがどうも・・・。年金と同じ「申請」があれば払うに似ている。つまり持ち主が依頼せずそのせいで故障し被害があっても「点検申請しない人が悪い」になると解釈すればよいのか、今までどおりでもかまいませんよという選択肢があると理解したらよいのか・・・。

不思議なのが、石油給湯器だけ屋内屋外問わず点検が必要ということ。ガスの給湯機で屋外の場合は、問題ないらしい。ということは、石油のほうが製品的な危険性が高いということか?そこが不思議である。石油式のほうが技術的に劣っているということか?また、今や新三種の神器の食洗機(古いか)もリストに上がっている。これはなぜ?

さて何でこんなことになったのか?思い出してほしい。これは数年前に起こった松下製(現パナソニック)のFF式石油ストーブ回収事件、及びパロマの改造被害のせいであろう。20年以上前の機種を使い続けていたら不具合がでた。これはメーカーが悪い。回収せよという強い世論に押され(その前にパロマの事があった為か)、3年間ぐらいCMなどで呼びかけ回収していた。松下さんは相当な経費を掛けたと想像できる。ここまでメーカーの責任は必要なのかと思った内容であった。ここからは推測であるが、日本一の家電メーカーから、「これではメーカーがとても不利。法改正を!!ユーザーとメーカーの半々。」という働きかけがあったのではと勝手に想像している。

不具合が多くあるのにこのリストに載っていない製品もある。最近色々騒がせたリチウムイオン電池と車である。この不具合でも、下手をすれば出火し人命に影響を及ぼすはず。でもこれはリストにはっいってない。またまた推測であるが、リチウムイオン電池、車は、全世界へと輸出されているものばかり(ノートパソコンの電池等)。一方今回のリストに上がったものは、国内限定品ばかり。これは一体・・・。世界的にみると、今回のような法律を輸出商品に該当させたら、世界からバッシングを受けるのでリストアップしない・・・と感じる。うーム 製品(形あるもの)には必ず劣化寿命がある。それを使用しているものが、しっかりと管理するのが大原則なのだが・・・。なんでもかんでも行政に何とかしろというと「大きな政府」になる。そのしっぺ返しは必ずユーザーに値上がりという形で帰ってくる。・・・と思う。火を使う給湯機より明らかに危険と感じにくいリチウムイオン電池のほうが危険で点検が必要な気がするがリチウムイオン電池の場合、劣化ではなく設計製造の不具合らしい。なんとも一筋縄ではいかない。


最大手積水ハウスの偽造 告発

今日業界の住宅ニュースを見ていたら、「建築確認の公文書を偽造、積水ハウス浜松支店の元社員刑事告発」とあった。びっくりした。最大手の積水ハウスが10棟もの建物について偽造していたとは・・・。これではどんどん確認申請の書類審査が厳しくなるはず。しかしいつも思うことは、悪いことをする人は世の中にはいる。こういう人に合わせて決まりを強化するのではなく、悪いことをした人をしっかりとキツク罰するほうが良いと思う。法律を守る人まで、法律強化のとばっちりをうけて、確認申請料のアップや、確認申請料書類の煩雑化となり、結局建て主さんへ経費アップとしてつけが回るから。積水ハウス浜松支店の設計事務所登録を抹消するくらいの事をすれば、こういうインチキはなくなると思う。普通この建築士だけの個人判断ではできない、支店ぐるみの行為では・・・と思う。でなければ管理建築士の管理が相当ずさんでやはり設計事務所登録の末梢にあたる。静岡県知事が決めることだけど、とてもひどい話である。積水ハウスは建築士の懲戒解雇と言っているが、そんな社内的な話ではないはず。
いつも申し上げるが、大手だから大丈夫!ということはありません。この事件のニュースはこのリンク先ですが、見るには会員登録(無料)が必要かも知れません。


新潟 「緑の家」の工事監理。性能表示 耐震等級2の基礎②

先月の末、 CASBEEの戸建評価委員として登録された。私は登録や免許や資格取得は最小限度にしている(実際は取れない)ので、久しぶりの資格である。CASBEEとは、今後主流になるであろう「持続可能性」の推進念頭においた「建築物総合環境性能評価システム」のことである。簡単にいうと、「住宅の環境効率」となる。さらに噛み砕くと、その家の快適性とその家の与える環境負荷の比率というのだろうか?自分の家単体だけではなく、周りの環境にその家がどのような影響を与えるか迄考える住宅の評価である。庭がしっかりある「緑の家」では、最高覧ランクになる可能性は高い。

さて、性能評価を受けているS邸の進捗であるが、先週コンクリート打ち(一発打ち)を行った。午前中スラブ及び150mm程度の立ち上がり。アンカーボルトを設置して午後から立ち上がり打せつ。

最初の写真は、ポンプ車のホースに最初に通すノロを捨てているところ。結構これをそのまま打ち込む会社が多いが、これは×。コンクリートと違って水のりみたいなもの。捨てないといけない。

一発打ち込みは、立ち上がりとベースが一体化するので、シロアリの弱点となる金物周囲の隙ができにくく、構造計算本来の梁の高さが取れる。「緑の家」では当たりまえであるが、世の中まだまだ2回に分けてコンクリート打ち込み(別々に打ち込む)ことが多い。私どもは1.2mの立ち上がりまで、一発で打ち込む。

基礎の区画はご覧の通りの地中梁が計画される。また人通口のような立ち上がり高さが低いところでも、一般の立ち上がり高さより高い。そしてD16を2本とD13を1本の補強鉄筋が入る。これでもぎりぎりの鉄筋量である。普通のべた基礎の家は、補強筋はD13を一本だけだろう。

たて筋にフックをつけていないのは、構造計算時せん断力がフックなしのコンクリートだけでもOKであるため。これは今後コスト共に検討しフックありになる可能性大。代わりに周囲のベースハンチを取りやめる方向。

この型枠の高さを見ると、普通の基礎ではないことがわかる。これから立ち上がりを打ち込む。


超高断熱の家 環境住宅「緑の家」は必要か?

赤字2009.09.16加筆

あるサイトのブログを見ていたら、食糧危機がおきた時のマニュアルがあることを知った。その名前は「不測時の食料安全保障マニュアル」となっている。この中で想定されているレベル2には、「一人一日当たり供給量が2000Kcalを下回ると予想される場合を目安」とあり、例として国内農産物だけで2020Kcal分の食料を考えると、

上の表のとおりである(農水省HPから抜粋)。この食事内容だけで2000Kcalを超えるとは、いかにいつも過カロリー生活をしているのかがわかるし、国内物だけだとこんなものか?とショックを受ける内容だ。しかしこれは現実に起こりうるということと考えたほうがよい。現在の世界の人口は、68億くらい。ところが2025年には79億になると予想されている。現在でも飢えで苦しむ人々はたくさんいる。これがさらに増え、世界的に穀物が不作になると、日本に輸出してくれる国は少なくなるであろう(今は円にものをいわせて買ってこれるが、・・・)。農業のことは私は専門外なので何か自分なりできることはないかと考えると、国産材を積極的に買うことしか思いつかない。

また、石油が不足するとまず最初に農作物に使われる石油の確保がおこなわれる法律があるのをご存知だろうか?この法律は石油需給適正化法と呼ばれている。よって石油が入りにくくなると暖房(北海道を除く)や家庭のマイカーなどは制限される可能性がある。この場合、新潟県の住宅は寒さを我慢する生活になるのだろう。その時に超高断熱の家であれば、家内部での発熱(人、調理など)で少しは温度が上がるはず。太陽が出れば充分暖かい室温も考えられる。しかし今の次世代基準の断熱ではそこまで室温が上がることはなく、この1/3以下と考えられつらい生活となる。今からその時のための準備をしておこう。拙宅は20年前は新潟県で充分と思われるQ値1.9W以下であるが、今実感するのはもっと高性能(Q値が高い)が必要だということ。だからお勧めしているのが緑の家SS仕様である。確かに金額は3から4万/坪(40坪程度の断熱性のみSSプラン。その他の仕様はSプラン)やは上がってしまうが、当時の高気密高断熱住宅がそうであったように価値はある。

ちなみに海がまん前というせいか、拙宅の樹脂サッシのガラスを止めている押し縁ビートから、暴風雨のときは、注射器で出すように水がにじみ出る。そろそろパッキンの取替え時になるのか?まだ築18年である。