まず写真の図4を見てほしい。これは、岩手県立大学の本間義規准教授の「結露しない窓の断熱性能とは?」に出てくる図である。外気温-5度(新潟では年に1回位ある温度)のときの窓の構成による結露発生図である。
普通のペアガラス(空気層12mm)は、K=3であるため、常に結露する。このときの室内条件は15度で湿度70%(20度で湿度50%)のとき。LOW-Eペアガラス※にするとK=2となるので結露はしない。この空気条件で温度22度にすると、湿度が45%になり、温度23度のときは湿度が42%となる。つまり一般的に高性能といわれるLOW-Eペアガラスでも、室内の湿度が高いと結露する。特に風が強く吹き付けるガラスは、温度が低くなりがちで、多少室内が渇き気味でも結露の可能があるということ。逆に結露させたくないのであれば、LOW-Eペアガラスの上、湿度45%以下にする。このときの温度は22度であり、もし24度まで上げるなら湿度は40%以下にしなければならない。
一般的に快適な湿度が55%から40%といわれているので、もし温度湿度とも上げる(温度23度湿度55%)なら結露がおきる事は多少目をつむる事も必要となる。新潟県の室外温度は0度が多いのでLOW-Eペアガラスでなくとも22度45%ぐらいで結露がおきないが、風が強く吹いたり、雪が直接ペアガラスにつくと表面熱伝達抵抗が変わり直ぐ結露する。
この体験は皆さんが車に乗っているときに感じているはず。気温が氷点下でも空が曇っていれば窓ガラスが曇ることは少ないが、雪や雨がウインドウに着いたとたんガラスは曇りだす。これも空気中の湿気の量が変わったのではなく、ガラスと外気が触れる条件(表面熱伝達抵抗)が変わったためである。もっと具体的に言うと、同じ0度の空気と水がある。でも手をその中に入れると圧倒的に水が冷たい。これも手の表面の表面熱伝達抵抗によるものである。静止した空気は、熱を伝えにくいのである。
※・・・LOW-Eペアガラスとは、ペアガラスに薄く金属膜をコーティングした高性能のガラス。反射して鏡のように見える場合がある。価格はペアガラスの10~20%増。