「 2010年04月 」一覧

最近多い 梁の室内表し(露出)で法律違反か?

この写真のように、最近吹き抜けや梁材が室内に露出する事が多いですね。

この写真の矢印部分等が梁材の端部であれば、平成12年の法律改正で金物によって緊結(しっかりと固定)が実質義務づけられています。そのため一般的な梁の緊結は下の写真のように補強ボルトによる金物(羽子板ボルト)で行います。

ところが最近、見た目を優先してこのような金物を取り付けていない建物を多く見ます。この補強ボルトの見栄えが悪いので敢えてつけないのでしょう。それとも法律上でもここに補強ボルトが必要なことを知らないのかもしれません(法律義務でなくとも、耐力上必要ならつけなければならない)。

しかし法文では

令第47条

 構造耐力上主要な部分※である継手又は仕口は、ボルト締、かすがい打、込み栓打その他国土交通大臣が定める構造方法によりその部分の存在応力を伝えるように緊結しなければならない。・・・以下省略

具体的には基礎基礎ぐい、壁、柱、小屋組土台、斜材(筋交いや方づえ、火打材等)、床版、屋根版、横架材(梁や桁)を指す。

とあり、その具体例として許容応力度設計の解説本では「全ての梁の端部は最低羽子板ボルト以上を取り付けなければならない」とされています。しかし、どうもこの事が守られていないようです。

建物の最優先は絶対に「安全性」です。これを度外視してのデザインや見た目重視は許されないのではないでしょうか?

もし見学会やカタログで見る機会があれば是非建物をチェックしてみてください。きっとありますよ。
その時金物がなくても大丈夫!」と即答する営業マンは一番タチが悪いと思ってください。法律を故意に違反することは偽造事件と同じですし、決められていることと違うことをする場合は、それ相応の根拠が必要です。

この件では住宅コラムに詳しく解説しているのでご覧頂ければと思います。
ちなみに「緑の家」では標準でクレテック金物を使っているので羽子板ボルトは必要ありません(そのためクレテック金物+集成材を13年前から採用しているのです)。


「新潟の家」の事で伝えたい内容がいっぱいあるのに・・・。その2「緑の家」とは

2010 04 27夕刻加筆修正

伝えたい内容がいっぱいある中で、以前指摘のあった「今までの建て主さんとのお話」が沢山ありますが、プライベートな事も含むのでなかなかご紹介できません。また、そのお話は私の心の中の宝物にも相当するので、おりを見てゆくっりとご紹介します。

打ち合わせスペース。

さて今日は・・・

当事務所の住まいの総称がなぜ 「緑の家」なのか?

この前振りがとても長いですが・・・まず、

地球温暖化対策といって

結構、振り回されていることありませんか?

最近は住宅でもやたら「地球温暖化防止・・・」 目に付きます。

温暖化防止との理由で見当違いの商品化もあります。

当ブログでは以前にも過激な言い方をしていますが

「地球温暖化防止(CO2減)は無理強いできない」のではないか?

と申してます。

但しあきらめているのではありませんし、

また防止策を否定しているわけでもありません。

ただ、今まで好き放題CO2を排出しておきながら、

発展途上国にCO2を削減しましょうとは納得して頂けないでしょう。

だから温暖化防止は急激に進むことがないと感じます。

一人当たりCO2排出は世界8位。しかし全量に対する日本の排出量は4.5%と少ない。米国、中国、加国が取り組まなければ意味がない。

それを踏まえてプラス思考で考えます。

地球の歴史を振り返ってみると、

恐竜時代が1億年以上も続いていた事が知られてます。

因みに人間はまだ誕生から400万年いわれてます。

恐竜が住んでいた時代は、いまより気温が5度から10度も高く、

大気中のCO2濃度も今より数倍も高かった事が調査発表されてます。

この大量のCO2で樹木は大型化し旺盛だったとも言われてます。

事実、事務所の水槽に大量のCO2を与えると

光は同じでも水草が倍近く早い凄い成長をします。

一方氷河期といわれる時代も長く、温暖化と冷氷期を繰り返してます。

ここで生物に生死の影響が高いのは「氷河期」のような寒い時期です。 

出展:Wikipedia 2万年前は本州と全てつながっている陸地

一番最近の数万年前の氷河期では、なんと瀬戸内海、東京湾も陸地でした。

それが温暖期に入った1万年前から氷がとけて

海面が120mも上昇してつい最近、今の日本の地形になりました。

↑(ネットの様々な情報から)

ここから学べる事は、

温暖化防止ではなく→温暖化になった時の対策です。

例えば今後温暖化で海面が上昇に備えて

今後低地には都市は造らない。←すごく過激ですが

「低地の都市は緩やかに低地以外に移設しよう」です。

低地を海抜8m以下とすると・・・

新潟県では新潟市は殆ど低地になりますし、

新潟平野の信濃川流域(三条市、白根、巻)も相当低地があります。

また東京の都心も愛知、大阪も低地地域は多くあります。

このような低地では今後台風による被害、高潮が増える事は

専門家の中でも強く指摘されております。このように温暖化による

海面上昇は国土縮小等も含め大きな問題を引き起こします。が・・・、

地球上の生物は地球に合わせて行動や生活を変え、

また一方では生物の行動で地球の環境を変えてきました。

人は産業革命以後200年間も地球の環境を変えてきたので、

これから200年間は地球にあわせて行動する事が

理にかなっているとおもいます(簡単ではないでしょうが)。

CO2をできる限り抑制しながら、

大事に、大切に資源を使う、そして「足を知る」

という事です。やっと本題ですが・・・

そしていつの時期でも一番大事なのは、

大量に酸素を造ってくれる唯一の生物、

植物=緑を大事にする事です。

もしCO2が増えれば、植物は盛んにO2を増やします(CO2が減る)。

だからこそオーブルデザインは家と共に身近の木を大切に考え、

いつも緑と共にある事を肌で感じ過ごす事が必要です。

これが「緑」と共にある「家」=「緑の家」なのです。


新潟の家 超高断熱高気密の家 過去を熱く語る。

今日の朝は寺泊海岸清掃のボランティアです。昨年の嵐とは違い快晴で気持ちよく参加しました。

美しい海岸を次の世代にきちっと引き継ぎたいですね。皆さんお疲れ様でした。

さて、昨日も建て主さんにある事を熱く語ってしまい少々反省です。
それは・・・

以前からご紹介しているとおり

「家造りの過去を消去するな」

です。
製品寿命が10年から20年の家電製品や車でも、誠意があるメーカーのホームページに行けば普通は過去の製品のスペックや取り扱い説明書などが閲覧できます。
ところがなぜか家を提供するハウスメーカーや建設会社、工務店のホームページにはありません。まず間違いなく消去されています。

家の寿命は短くても30年。そしてこれからは50年以上、もしくは100年くらいは使い続けたいと願っている人が多いと思います。
だからこそ過去の家のスペックや考え方の保存期間は20年以上はほしいと思いませんか?しかし、現在の住宅業界ではたった2年間まえの家造りの姿勢やスペックでさえ残っていません。完全に故意に消し去っています(当事務所では13年間まえのお勧めスペックなどほとんど残ってます)。新しい現在お勧めの性能やデザイン、仕様だけ大きく掲げ過去の家はほとんどありません。

いくら完全注文住宅でもその当時建て主さんは、工務店さんが勧めるあるスペック(例えばこの家は檜で全てつくられているとか、地震に対してはこのように考えているとか、気密断熱性はこう考えているとか、基礎はこのように考えている、内装仕上げはこれが良い)を聴いて、そしてそれを信じて購入しています。
だからその頃の情報を削除する事は、その当時の建て主さんを削除しているような気がしてなりません。

ではなぜ消し去るのでしょうか?

「過去お勧めした家造りのスペックに自信がない」
からでしょうか?

「その時だけよければ10年後はどうでも良い家」
だからでしょうか?

性能が高ければコストが掛かります。だからコストと性能のバランスを考え、この家なら20年後も性能的に問題無く使えるよ。とか10年は大丈夫とかと決めてお勧めしているのではないでしょうか?そうであれば自信をもって過去を紹介すれば良いと思います。それが国民の生命と財産を守る建築士という国家資格をもつ「プロ」といえる仕事だと私は考えます。


築20年の今日の拙宅。シンボルツリーの幹の陰がシルバーグレー色の無塗装の外壁に。この陰がつくるデザインはどんな有名な画家でも描けない一瞬一品もの。しばし見とれる・・・。

ちなみに拙宅は築20年経ちます。その性能はQ値で1.9、C値で0.9です。今も上位クラスの家の性能で、勿論快適です。そして、20年前から無塗装の木を全ての壁天井に使っています。だからこそ今でも自信をもって緑の家を勧めていますし、これからも過去を消す事はありません。


新潟の家 高基礎の床下はヒートファクトリー 排温水利用実測①

1月に完成し2月から本格的にお住みになっている「緑の家」SSプランの超高断熱の住まいの実測データーには大変驚かされました。

そして今日はそのSSプランのもう一つの目玉である「Heat Factory&Strage System」の実測データのプレ報告です。

 まずおさらいですが、

Heat Factory&Strage Systemは上の図のように高基礎の床下を、熱工場と大収納にするシステムです。大事なポイントは、SSプランのように超高断熱&高基礎と組み合わせる事です。

Heat Factoryの簡単な特徴は、いつも捨てているお風呂のお湯やシャワーの湯から、熱だけ奪い取って冷水にして捨てようと言う事です。もったいなから洗濯機に残り湯を使う方も多いと思いますが、その場合は浴槽のお湯だけしか使えません。ところがこのシステムは、お風呂場で使用した全てのお湯から熱だけを奪って捨てるので、お湯の熱が無駄になりません(もったいない精神です)。

簡単なシステムフローは、

「浴槽湯を捨てる、シャワーを浴びる」

「床下のタンクに貯湯される」

「次の日の湯張りまで床下で放熱」=暖房となる。

「浴槽にお湯をはる」

「貯湯されたタンクの中を給水が通る」=熱を給水に与える。

「貯湯タンクの下部水が冷える」
「熱が与えられた給水はエコキュート(電温)のタンクへ」

「お湯を捨てる、シャワーを浴びる」

「冷たい水がタンクから下部水フロー排水される」

となります。電気など一切使わないシンプルな構造です。この排水から次の湯張りまで22時間の時間差があるのがポイント。
もし次の日入浴しなくても、床下への自然放熱だけでもお湯から半分程度の熱エネルギーは回収できます。さてその実測結果は

 床下への自然放熱(暖房)の結果。しっかりと周りの室温になるまで水温が下がる。

給水への熱交換がされている状態。給水温度7度でタンクから出た時は12度から28度と最大20度の温度上昇。

上のグラフは3月上旬のある一日の貯湯タンク内水温変化(上)と、夕方の湯張り時のタンク内で熱交換される給水の入り口と出口温度を示してます。

どうですか?計画どおりきっちりと熱回収されているのがわかりますね。完成見学会で「本当に?」と言われた方、この結果をご覧頂けたでしょうか?

いずれも熱回収された部分は赤色です。まず20時間かけて自然放熱で床下に熱を放出します(暖房エネルギーになります)。更に湯張り時に、7度の冷たい水がタンク内の21度以上の中で熱交換され、12度から28度(タンク内温度に依存)まで上昇し、その後電気温水機やエコキュートに入ります。排湯タンク内にはこの給水で冷たく冷やされた冷水ができ、その水は下部に分離層を造りながら溜まります。その冷たくなった水を排水(オーバーフロー)させて1サイクル終了です。

お風呂の湯張り後直ぐに入浴、排水すれば冷たいままの水がオーバーフロー排水されます。少し時間ををおくと(2~3時間以上)冷たくなった水は、タンク周囲の空気で温められ温水として排水されるので、できれば湯張り→入浴→排水がスムーズ行われた方が効率はよくなります。しかし仮に温水として捨てられても、タンク周囲温度以上に水温は上がりませんから、当初の自然放熱分としては50%は行われます(下部分離水温はこれから解析します)。

また、排温水をいかにタンク内に拡散させないように入れるかはポイントで、施工時2回手直しを設備屋さん(新潟市の本間工業さん)からして頂きました。感謝です。

謝辞
本システム、改良、測定に助言を頂きました新潟大学のA先生、また機器設置、測定に多大なるご協力を頂きました新潟県立大学の坂口先生にはこの場をお借りしてお礼申し上げます。


「新潟の家」の事で伝えたい内容がいっぱいあるのに・・・。

ある人から

「毎日ブログを書き込む事大変じゃない?話題とかある?」

といわれた事があります。

私にとって書き込む話題に事欠く事はなかなかありません。

日々の仕事や暮らしで新しい発見やわくわくするような経験が

いつも起こります。感動も・・・。

大変なのはその事を書く時間がないと言う事です。

特に最近は忙しくゆっくりブログを書く時間がありません。

時間がないので

「誤字、脱字が多数」、「文の繋がりが変」といういい訳は

しませんが・・・(この事が既にしていますね)。

 先日のブログで取り上げた縄文時代の日本の人口は、

この資料によると大凡2万から30万人でしたね。

普通に考えると縄文後期の方が人口が多くなるのに

縄文後期に著しく減少し30万→8万人に下がりました。

これは地球全体が一時寒くなったためと、南極の氷の調査解析から

わかっています。寒さ→人口減(つまり生命体がへる)事です。

暖たかい生活が人に豊かさと心の平穏をもたらす

といつもこのブログで申し上げています。

この頃の寒さによる恐怖がDNAによって

今も人に受け継がれているように感じます。

厳しい寒さが来ても家の中なら大丈夫という安心感を

「緑の家」の超高断熱という技術でこれからも大事にします。

ここからは蛇足で、家には全く関係ないので読み飛ばしましょう!

上のグラフの右側部分。将来の日本の人口予想は・・・。

なんと90年後には4770万人と現在の1/3くらいです。

でもこのくらいの人口なら今後の日本技術を持ってさえすれば、

日本内の自給自足(エネルギーも食べ物も)は何とかなりそうです。

課題は人口減になりながら経済の成長または維持です。

これを何とかみんなで目標を決める事が今の私たちの

未来へ繋ぐための課題です。

少子化対策とは、人口を増やす施策ではなく、

「人口半減でも成り立つ日本社会にするシステム」と

私は思います。

人口増→経済成長は既に過去の事です。


「自然共生建築を求めて」を読んで。

先週、「自然共生建築を求めて」という本を購入し、読み始めましたとご案内しました。ようやく読み終えて感想を・・・。

「すばらしい!その通り・・・ただ難しくしすぎて私では読み飛ばしてしまう」の一言です。きっとその分野では凄い事が書いてあると思いますし、私がよく助言を頂く環境系先生も「その分野では第一人者」とおっしゃっていました。興味がある方はどうぞお読みください。

この本ではエントロピーエクセルギーという概念で様々な現象を解いています。これが意外と頭に入らなくて、この概念に置き換えなくとも普段の生活の表現(経験則)のままの方が良いと私みたいな老化が始まった人はそう思いました(温房概念は理解が容易)。

ある物質を人が使用すれば(エネルギーを使えば)、廃棄物(熱も含)は必ず発生する事は日々の生活で身にしみてます。またこの廃棄物は、人間以外の他の生物がまた使用して、それを繰り返すことで再び人間が使用できる状態になります。これは大地と共に暮らしていれば当たり前に実体験でわかることです。これをあえて建築関連ではエントロピーとかエクセルギー等という机上の言葉にするとわかりにくくなり、とてもついていけませんでした。
また開かれた系においてエクセルギーの使用には必ず熱などを捨てなければ使えないという発想は少し理解が・・・できませんでした。循環に順番はなく、あるのはバランスのみでは無いかと思ってましたから・・・。逆を言えばバランスがとれていなければ循環はあり得ないと言うことだと思っていました。近年の地球の気温が上がる現象はバランスをとるために温度修正をしているだけで気温が上がれば、宇宙へ逃げる熱は増え、また太陽の熱を空気中の多量になった水蒸気で遮る等しながら数十億年過ぎたのだと思ってます。
エネルギーの概念では必ずこういう定義(エントロピー等)が無ければいけないのですが、私みたいに実践だけの設計者は非常に頭に入りにくかったです。つらい・・・まさしく老化です。

もし「自然と共生する建築」と問われたら私の率直な意見は、

「自然共生建築」や「環境共生住宅」などは出来ない。多分その言葉を使うなら
「自然共生の文明の建物」や「環境共生文化の住まい」になるだろうと思うからです。文化や文明の中の住まい方の一つに建物があるだけかな?

私は今の社会で一住まい(いちすまい)の単位で自然と共生するなんてとてもいえないと思っています。仮に一都市の単位でも同じで日本のほとんどが同じ意識(つまり文化)にならなければほとんど意味の無いことで自己満足(趣味)にしかなりません。本気で考えならまずは東京一極集中の施策を最初にやめなければ到底無理でしょう。

田舎である「寺泊」に住み、趣味で自然農等に関わっていても、自給自足、自然のサイクルに寄り添う事などできないと日々知らされているからです。多分大都市に住むんでいると感覚が麻痺し、日本でも田舎に行けば、自然と共生できる建物が出来ると勘違いするのでは無いかと思いますが、日本において現代の文化では無理といえるでしょう。

仮に一個人レベルでも山に籠もった仙人のように生活すれば自然と共生しているのでは?等と問う方もいらっしゃると思いますが、その人が暮らして行くためにどのくらいの縄張り(テリトリー)が必要でしょうか?せめて1km四方の土地は最低いるでしょうね。すると日本の国土が377,835km2ですからたった37万人しか仙人になれません。それを裏付けるように縄文時代はこのくらいの人口でした。これ以上の人数では食料やエネルギーで争いが絶えないでしょう。山でとれる食べられる物は思っているほど多くありませんし、木だって一度切れば30年後でないと使えません。
余談ですが実は稲作が最初に人を自然環境との共生文化から決別させたのです。稲作により、飛躍的に人口が増え、分業が進み文化(生活方法)が変わって急に人口密度が増え始めたのです。さらに18世紀の産業革命で今まで地球が経験したことのない未曾有の急激な人口増となります。

さて、ここまで来ると話があまりにも飛躍してしまいますので、少し戻して・・・

田舎に住み、自分のテリトリー内である程度循環させる事を考えると、その時の基本は

「大切にする、使う」

につきます。自然農の行われている畑では、勿論水道なんてものはありません。山に降る雨水がメインですから、これを貯める事から始まります。雨水でも一度土に染みこんだわき水を使いますが、あふれる程あるわけでもありません。乾期には枯れますし・・・だからその使用には順番があります。飲めるような浄化装置はありません。飲み水だけは自宅から容器で持って行きます。
まず一番きれいな水は食器荒い等に使います。次に野菜の下洗い、最後に畑へ・・・。大切に大切に使います。大切にすれば、何とか貯め水だけでやりくり出来ます。

このわき水はこの自然農のガーデンの持ち主が水のかすかな音を頼りに掘り当てた(40cmくらい地中の水脈)

煮炊きも山の枯れ木を使いますが、釜などを造って効率を考えます。野炊きではあっという間に多くの木を燃やしてしまいますから、釜を作り枯れ木でさえ大事に燃料にします。でないと木は直ぐに無くなります。例えば以前から申し上げておりますが、断熱性能ない家での薪ストーブは地球温暖化防止に貢献してません。大事に資源を使う工夫を今の技術を使って最大限努力するのです。釜の中であれば小枝だけでも煮炊き可能。

こういうことが自然と共になるべく過ごす基本です。自家発電装置だって畑にはありますが、全く人工的な物を排除するすのではなく、大切に使わないとあっという間に資源は無くなる事を学ぶのです。そして「足を知る」事です。それが今の日本人が自然と共生する第一歩です。広大な土地と資源を持つ米国のまねをしすぎたところを直す事から始めることが重要だと考えてます。

しかし縄文時代のような生活を目指す事では無く、せっかく祖先が造った文明の利器を使い、今の技術にあった自然と共生する文化を目指すのですね。たとえば寒いときには暖房を・・・、移動運搬には車を・・・またソーラーパネルから電力を・・・。
そして暖房が手放すことが出来ない文化なら、その暖房のエクセルギーを浪費しないように大事に使わなければなりません。太平洋側では、日射が多く利用できるのである程度の高断熱と蓄熱などと組み合わせれば良いのでしょうが、お日様がでない日本海側の住宅では「超高断熱仕様」が必須となるのです。


新潟で自然素材の家 木は濡らさない② 木の外壁

まずこの写真から

三条市の旧大通り近くにある建物です。窓の中をよく見るとわかりますがこの建物は土蔵造りです。土蔵の外壁である漆喰壁はその漆喰内部の土壁が湿気で脆くなるので数十年に一回塗り直しが必要です。そこで最近の土蔵はメンテナンスを減らす意味で漆喰壁を覆うように木の外壁を貼ります。昔ながらの白い漆喰の土蔵は見なくなりつつあります。

この木の外壁は杉の無塗装です。約30年から40年経過してしていると思いますが、まだまだ十分美しく、もう20年くらいはいけるのではないでしょうか?このように上に屋根があるだけで木の外壁はよく持ちます。この外壁を留めている釘は鉄ですが、この釘が先にだめになるでしょう。

そして驚くべきは、窓の上の庇が木だけで出来ています。デザインも美しく、見事にこの倉にマッチしてます。さすが昔の大工さんは、木をどこにどのように使ったら良いかよく心得てますし、美的センスも持ち合わせています。

この木だけで造った庇は上屋根に守られ、こちらも機能上全く問題ありません。木は屋根があれば、無塗装であっても非常に腐りにくい素材です(但し新潟県平野部は西側は季節風があるので寿命は25年から35年)。
しかし屋根がなければあっという間に腐り土に帰ろうとします。この庇だけを見ると杉をウッドデッキの床に使っても腐りにくいのではないかと考えてしまいますが、これは間違いです。水がかかりにくく、仮に掛かっても屋根のように斜めで直ぐに水が切れる事が重要なのです。

ずいぶん前から何回か1 2 3  )申し上げておりますが、
最近の設計者は屋根の出がない家(軒の出の無い家)をよく設計します。流行の軒の出のない家に木の外壁は避けなければなりません。例え防腐オイルなどが塗ってあっても、あまり意味はありません。屋根の下の木に比べ寿命は1/2以下でしょう。特にエコや自然を大事にと御旗を掲げたのに、自然素材の代表である木を雨ざらしで使っては全く逆効果で自然素材の浪費となります。


今日は仏前で結婚式・・・

 春は喜びの季節。そんな桜満開の新潟市で今日、従兄弟の結婚式がありました。結婚おめでとうございます。この話題は全く家関連ではないのですが、仏前結婚というなかなか出席できない式にお招き頂きましたのでご報告させて頂きます。生物である人は、死と生が最も大きな事柄ですが次の大きな節目として結婚があると思います。お焼香と半鐘の音が響くそんな式に参加させて頂くと、いつもと違った見えない幸せパワーに包まれ心地よくなります。ありがとうございます。末永くお幸せに!

そして・・・いつものように泣かせて頂きました。


換気扇フードの欠陥。換気不良の原因で結露やシックハウス!

オーブルデザインでは換気扇フードは決まった物を使用しております。ですがあるお宅で指定品番と違う物が付いているのに数ヶ月のアフター点検で気づきました。
完成の竣工検査で気づく事ができず建て主様にはご迷惑をかけ申し訳ありませんでした。この場で改めてお詫びいたします。

 さて、取り付けられていた換気扇はフードは上の写真のように網が付いてます。これが問題なのですね。当事務所は設立以来このように網が付いているフードを一度も指定(取り付けた)した事はありません。それは下の写真のように直ぐ埃で詰まるからです。特に排気用換気扇は、室内の埃が付きやすく早い時は1年で、遅くても数年でつまります。詰まると殆ど排気されず換気量不足に陥り、冬は結露が発生し、夏はシックハウスになる可能性が高くなります。この写真のような位置に網があるとメンテナンスはまず不可能です。更に高いところにあれば、専門家に頼んで外すしかありません。

 上の換気扇をひっくり返した所。表からでは埃で詰まっている事に気づかないからとてもやっかい。

実は換気扇フードカタログでも末尾の品番1文字違いで普通に網付きのフードが売らてます。何となくあると虫が入らないような安心という錯覚に陥ります。だから専門家でも間違った知識で取り付けられている可能性は高いとおもいます(今回も電気屋さんが勝手に気を利かせたつもりで付けていた)。
もし皆様の家にこのような換気扇フードが取り付いていたなら、直ぐに交換してもらいましょう。これは換気扇のシステム欠陥です。24時間換気が法律で定められた10年以内の建物なら無料交換となるはずです。

因みに「緑の家」にお住まいの皆さまは大丈夫です。網はありません。


新潟で自然素材の家 木は濡らさない①

最近「木」を外壁に使った家や建物を多く見ます。木を使った外観はとても柔らかい雰囲気を出し人気があると思います。
木の外観はとても歴史が古く、日本の建築の外壁は「木」だったと決めつけても問題ないくらいです。ところが戦後の建築から木の外壁が消えました。この原因は「防火仕様厳守」→「高価になる」という事が大きかったと思います。このことは後に再びお伝えします。

アイアンウッド(ウリン)で造った大きなT邸のウッドデッキ。当初この木は無塗装のままのでこんな茶色。これが数年でシルバーグレー色になる。

木は濡らさない①

今回は流行の「ウッドデッキ」から・・・。まず簡単に歴史を。

新潟県ではウッドデッキは15年くらい前から流行し始めました。当事務所でウッドデッキを初めて造ったのは、事務所開設後直ぐの12年前になります。この頃はウエスタンレッドシーダーという材で造りました。この材は当時は高価でしたが、腐りにくいのであえて採用しました。今も立派に機能しておりますが、やはりそろそろ痛みが目立ち始めました。

その後ウエスタンレッドシーダーと耐久性が同等と言われた防腐剤が入った針葉樹系の材料でコストを押さえた造りで2棟、そして6年くらい前から全てアイアンウッドでウッドデッキを計画してます。このアイアンウッドで造るきっかけとなったのがある建て主さんの一言です。

「木自体の材料価格が2倍しても、2倍の耐久性があれば、その材料で造ってくださった職人さんの努力は倍の時間は無駄にならない。勿論コストも・・・。」

本来なら私がそれを申し上げる立場なのですが、この一言で多少コストが高くてもアイアンウッドを奨めようと決めております。

ウッドデッキには色々な木が使われますが、ほぼ次のような耐久性です。

スプルス     ・・・4~6年
杉         ・・・5~8年
松         ・・・5~8年
檜(ヒノキ)    ・・・6~10年
ヒバ、米杉    ・・・6~12年

加圧注入(軟材)・・・7~15年
〃    (良材)・・・10~20年 公園の設備等に使用
アイアンウッド等・・・20~30年 桟橋などに使用

 これは防腐剤(ex.キシラデコール等)を塗布しても殆どかわりません。というのは、木は各接合部から腐り始めます。一度組み立てた接合部には、防腐剤を追加で塗る事はできません。その接合部でも木口と呼ばれる部分からの腐朽が殆どです。この木口は接合部であり、この接合部がだめになると安全性が確保できないので寿命となります。まだ丈夫な平部分があるのにも関わらず・・・。こちらのリンクはログハウスが築10~15年で腐ってリフォームした情報です。

今は流行で雨ざらしでウッドデッキが造られますが、メンテナンスの有無に関わらずアイアンウッドや加圧注入(中材)以外はほぼ10年で朽ちます。それは間違い無い事です。しかし多くの建設会社や工務店さんが「大丈夫!メンテナンスすればある程度腐らないよ」と奨めてますが、これは間違った認識です。
昔の大工さんは雨ざらしで木を使う事は絶対してません(屋根を除く。屋根がOKだったというのは、屋根が多少腐っても人が載るような、また建物自体に危険が及ぶ場所でなかったためです)。

木は雨ざらしでは必ず腐るのです。特に松、杉、檜(白太)は10年以内で使用不可です。この点は間違った認識をしている専門家(工務店、建設会社)より賢くなり、無駄なコスト削減と資源保護をしたいですね。


ちょっとだけ急がないと補助金100万が・・・。

「平成22年度 木のいえ整備促進事業(長期優良住宅普及促進事業)の募集開始について」が先日ようやく発表されました。が・・・
なっなんと、今回の補助金100万(120万)の申し込み期限が
10月1日必着となっています。ということは・・・
8月31日までに設計図を全てそろえないと間に合いません。ここから逆算すると当事務所の場合は・・・

4月 設計ご相談
5月 基本設計終了
6月 実施設計開始
7月 実施設計終了
8月 長期優良住宅申請、確認申請手続き
9月 見積もり後(入札) 請負会社決定 契約 補助金申請

となります。
4月5日頃にようやく発表されたこの補助金ですが、実質8月くらいには殆ど終了していないと申請できません。あまりにも早すぎますが、なぜこんな急ぎ足になったのでしょうか?
   
その平成22年度 木のいえ整備促進事業(長期優良住宅普及促進事業)の募集開始についてはこちらに詳しくあります。
もしこの補助金を目当てにされている方はちょっとだけ急いで行動した方がよろしいかと思います。
こちらの補助金を逃すと次はエコポイント(30万)になりますから70万も違う事になります。

民家の涼しさを検証する・・・大地露出構造

さて、冷房中の家でどこに洗濯物を干すか?に少し昔の民家が涼しいと言われる理由をダブらせて考えてみます。ここからは番外ですが、昔の民家のすばらしさわかります。

まずおさらいとして

夏の洗濯物は「排気用換気扇の近くで干す」事でした。これは

洗濯物が乾く時、空気から熱を奪い、これで冷やされた空気は下へゆっくり下がります。一方気化した水は湿気(潜熱)となって均一に広がろうとしますから、これを排気用換気扇で広がる前にできるだけ排出するのです。すると顕熱は冷やされ潜熱だけ排出されやすく、家の冷房効果が上がります。大きな効果は無いですが理屈ではこの方法が良いですね。

と書きました。実はこの原理を昔の民家は家そのものがもっていました。

続きを読む


超断熱住宅における冬の洗濯物④ 新潟の自然素材の家から

超高断熱住宅における冬(夏)の洗濯物のお話も最後です。その4は・・・

まず最初に・・・超高断熱で夏の冷房のお話をすると、

「この工法は○×といって夏でも昔の民家みたいに涼しいよ」

と胸を張っておっしゃっている建設会社や工務店さんがいらっしゃいます。

???です。昔の民家はその工法だけで涼しいわけではありません。周囲の環境もとても重要です。昔の民家の周りには近所はなく裏に山や田んぼがあったりします。その山や田んぼの緑で冷やされた(ご存じ気化熱です)空気が、家中に呼び込める環境があったからこそ涼しく過ごせる事も可能でした。むろん住んでいる人もステテコにランニングシャツと軽装で通風の抵抗となる網戸も皆無でしたし・・・。それを無視して工法だけ工夫すれば涼しい家ができるなんて都合の良い解釈は、家の設計者、提供者として失格です。襟元の閉まった服装や長ズボンを身につけるような現代の生活では、仮に昔と同じ室温、湿度でも不快に感じてしまいます。
都市部では特に暑い日ほど夜も温度が下がりにくいので夜間通風さえも期待できません。←その論文です(たった2%の効果)。

さて昨日の続きです。

おさらい・・・

エアコンは空気だけを冷やしているのではなく湿気を除去するのに半分もの電気エネルギーを使用しているのですね。

それが前提でようやく換気扇の話になります。
顕熱交換型換気扇は温度だけを交換します。つまり折角全エネルギーの半分ものエネルギーを使って除湿した空気をそのまま捨てているのです。数値で表すと

顕熱交換率80%の顕熱交換換気扇は、実際には80%×0.5=全熱回収率40%
↑一昨日のエアコンは半分は除湿(潜熱)負荷なので0.5とした。

顕熱交換率70%、潜熱交換率50%の全熱交換換気扇は
70%×0.5=35% + 50%×0.5=25% →全熱回収率60%

全熱交換型換気扇の方が1.5倍も熱回収効率がよいのですね。

更に全熱交換換気扇の方が湿度を空気を冷やしすぎること無く下げる事ができます。つまり温度が高くてもカラッとした空気になりやすいのです。

夏にありがちな冷房病は低温高湿で起きやすく高温低湿の環境では起きにくいと言われてます。確かに夏に湿度が高い日本(新潟)より、湿度が低い中東(カイロ等)の夏の方が過ごしやすいですね。

さて、冷房中の家でどこに洗濯物を干すか?
ここまで連続第四回にお付き合いして頂いた方なら何となくわかりますよね。それは・・・

「排気用換気扇の近くで干す」事です。

例えば換気扇が動いている浴室内とか・・・夏は浴室換気扇を連続or4時間以上ON。

洗濯物が乾く時、空気から熱を奪います。これで冷やされた空気は下へゆっくり下がります。一方気化した水は湿気(潜熱)となって均一に広がろうとしますから、これを排気用換気扇で広がる前にできるだけ排出するのです。すると顕熱は冷やされ潜熱だけ排出されやすく、家の冷房効果が上がります。大きな効果は無いですが理屈ではこの方法が良いですね。普段も何となく排気用換気扇の近くで干しますが、これは夏が効果的で冬はあまり関係ないと言うより、逆効果になります(家中暖房する前提・開放型ストーブは論外)。

さて、ここまで4回で「超断熱住宅における冬の洗濯物」についてお話ししました。こんな理論的な話はつまらないと思いますが、設計者にとって理論は設計の拠り所となります。

最後にネットで見つけた個人ブログで、ある有名な工務店さんで家を建てた日記がありました。スラブヒーター(床下暖房)というキーワードで入ったのでそのページを見ると、
「新築後直ぐにスラブヒーターが工務店の説明とは違い、冬暖かくならなかった。メーカーにも来てもらったが機器は正常だがやはり家は暖かくない。そこで工務店さんは薪ストーブを代わりに用意してくださった。とてもありがたかった。」とありました。
普通は「いい工務店だね」となるのですが、技術者の私から見れば「建て主に原因を不明にして、追加で暖房機をもらってっも、この先暖房費を払うのは建て主さん。仮に暖房費を負担してくれてもあたりまえ。多分原因は、高断熱高気密性能がしっかり出ていなかったので、想定したヒーター容量では暖まらなかったのだろう。これは設計と施工のミス。」となります。ここから見ても・・・
まず理論、次に実践(施工)、検証という事がわかります


最近の事 敷地調査・相談・自然共生住宅・朱鷺等

2010/04/20加筆

本当は「超断熱住宅における冬の洗濯物④」ですが、ちょっと息抜きで最近の事から・・・

最初の話題は・・・
昨日は基本設計の敷地調査で新潟市北区にお邪魔しました。北区は名前の由来(豊栄)もすばらしいですが、ゆったりしたした町の雰囲気も大変良いですね。
基本設計を始める前に必ず現地へ足を運び、その土地にどんな家が建つのがふさわしいのか想像する時間は設計者としての基本中の基本です。これは儀式のようなもので、土地から感じる「気」のような物を察知しなければなりません。
ただ単に道の幅や水道、ガス、用途地域調査や採寸だけが目的では有りません。心をオープンにし、神経を集中して感じ、想像します。良き緊張感・・・感謝です。

 また本日は福島県からわざわざ当事務所にお越しいただき、ご相談された方がいらっしゃいました。遠路はるばる当事務所にお話があるという事でお立ち寄りなりました。たいしたお話はできませんでしたが、とても品のある話方は私も見習いたいと思いました。ありがとうございます。好物のシラスのお土産まで頂き感謝です。
本格的な春を迎えオーブルデザインはバタバタ忙しくなってきました。

次の話題は・・・
「自然共生建築を求めて」という本をアマゾンで購入しました。著者はこの分野では第一人者で著名な「宿谷先生(都市大学教授)」です。なぜ購入したかというと、いつもお世話になっている上野住建さんのご紹介で、宿谷先生が講師の5回連続セミナー(東京)のお誘いがあったからです。上野住建のYさん(名前出していいのかな?)にはいつも、とても感謝してます。
さてセミナーは一回2時間くらい。それだけにエネルギーを消費して5回も東京へ行く必要がありますので、それにふさわしいかまず先生の著書を読んで見ようと思ったからですが・・・。時間がないのでまだ読んでいませんがなんと今週末にでもと思ってます(この薄さで2450円だから中身に大変期待します)。

 読む前ですが私はまだ自然共生建築の理屈はわかりません。しかし自然の驚異(冬)と恩恵を常に垣間見る事ができる田舎「日本海の水際」に住み、更に自然農にも関わっていると、理屈よりその大地と共にある程度自給自足し生きる日常生活そのものに、「自然共生住宅」の答えや目指すところがあるような気がします。 4月19日に読み終わりました。感想はこちら

だからこそとにかく自然から産みだされる素材にいらぬ手を加えない「無塗装」の木の外壁を奨めたりしているわけです・・・。

最後の話題・・・
昨日の報道で「朱鷺のゲージには250カ所を超える穴が見つかった」と流されました。
250カ所以上も・・・朱鷺とそれを支援された地元の皆様にはさぞ無念だったでしょう。

「その1」でも話しましたが、このゲージの現場施工者にも責任はありますが、なんと言っても今回の責任は発注した行政とその工事監理者にあります。
工事を完璧にこなせば?と主張される方もいますが、人間のすることに勘違いやミスはつきものです。だから工事監理者が法律で決められていて2重のチェックをするような規定があるのです。

そもそも朱鷺のゲージ発注書(設計図書)仕様には、
「鉄骨と柵にできる隙間は全て金網?によって埋める」
と記載があるのに、それを完成時にチェックしていなかった工事監理者と発注者に大きな責任があると考えてます。
朱鷺はまだ子供です。子を育てる親は、安全性に手抜きはありません。手抜きがあればそれは生命の危機があるからです。子供がまだよちよち歩きのころは、勝手にどこかに行かないように家の中でも柵を設けたりしますが、この柵が閉まっていなかったことと同じです。こんな事は親(全責任者)にはありえません。

人間の都合で絶滅した朱鷺を勝手に再び生息させ、そして大きなお金を使い繁殖し、無責任な監理で朱鷺を死なす。そしてその責任の所在は曖昧。

住宅でもよくあります。誰が”設計図と完成した工事が同じか”チェックするのか?
それは法律上の工事監理者です。法律ではこの監理者はその職務が遂行されない時には責任をとらなければなりません。が、巷ではその監理者と建て主さんは工事監理契約をしませんから、責任が曖昧になります(今回は建築物でなければ工事監理者はいない可能性有りですが、そのなると最終責任は税金を使う行政になります)。

曖昧・・・時には良い事もあるのですが生命の危険や大きなビジネスでは不可です。


超断熱住宅における冬の洗濯物③ 新潟の自然素材の家から

昨日、一昨日も前文で

設計事務所では特に理論と実践を大事にします。設計はそもそもこの世に同じ物が無いので設計する事になります(あれば前の設計図をそのまま造れば良いので設計図の必要がない)。だから今まで一度も造くられた事が無いので「理論」を頼りにし、設計段階で「理論」が成り立たなければ「実現」は困難と言う事を知っているからです。←当たりまえですね。

と書きました。が、今日は夏のエアコンと換気、洗濯物に話が移ります。

まず、市街地に建設される家は、真夏のエアコンは必須といえるでしょう。様々な建設会社さんが「夏も涼しい家」と宣伝してますが、これは過度に期待しない方がよろしいです。

なぜか・・・  本当に暑い日、熱帯夜は

1.市街地で、最近は防犯上から窓を開けて就寝できない。

2.市街地で、同上の理由によりちょっとした留守でも窓を開けて外出は不可。

3.窓を開けても、網戸、目隠しのすだれ等で風の抵抗が上がり通風不可。

4.仮に通風ができたとしても、お隣のエアコンの音がうるさいので窓は閉める。

ですね。←ですが決して通風は否定してません。

窓を閉めたままなのにずっと涼しいという家は、何か断熱に欠陥があると思ってよいかと思います。それは人の体温は100Wの熱源で待機電力と合計すると家一軒で約500W、これに大型テレビでもONすると合計で1,000Wのストーブが家の中にあるようなものです。
本当に高い断熱性能がある家なら1,000Wのストーブがあれば数時間で空気が5~6度も暑くなります。だから冷やす仕組みや装置がなければ室温が上がるのは当然です。むろん数時間の外気の上昇と室温の上昇のずれはありますが必ず数時間で室温か湿度が上がります。←凄く科学的な事です。

冷却装置としてたまに天窓や越屋根を付けてそれで通風を得ようととの試みがありますが、それもヒートアイランドの市街地ではなかなか効果がでません(これも20年前に実験している)。

勿論、郊外の家で、敷地300坪、周囲は緑であればこれは、これは、木々による気化熱の天然冷房や通風涼も有りでエアコンは要りません。が、最近の多くの家はそんな恵まれた条件で建てる事は不可能です。

そこでエアコンが登場します!
今の高性能エアコンはなんと実際使用時の平均COPは8を超えております(10を超えるコこともあります)。下の図は数年前に論文作成時に行った実測です。冷房は使用時間も少なく効率も高いので暖房より数段気兼ねなく使えます。

さて、暑い日に何気なくスイッチを入れ使うエアコンですが、このエアコン冷風を造ると同時に強力な除湿をしている事は普段気がつきませんよね。その点のお話です。

まず・・・
エアコンの能力(使用電力)の半分は除湿に使われると必ず覚えてください。
なぜか?


この図も論文を発表した時に実測したエアコンのデータです。冷たい空気を吹き出している空気温度と室内の空気の吸い込み温度と湿度を1分間隔で計測しました。それを平均化して1時間のデータに直したものです(吹き出し湿度は省略)。

概ね吸い込まれた空気温度は26度で湿度75%。その空気がエアコン内で冷やされ吹き出された空気は15℃で湿度100%(内部で結露していますから)とします。

26度の湿度75%の空気は1kgに対し18.3g湿気があります。

15度の湿度100%の空気は1kgに対し12.8gの湿気があります。 その差5.5gが除湿された水の量です。

よってこの時の潜熱除去は5.5×586cal/g=3,223cal

一方、冷やされた空気の温度差は26℃-15℃=11℃だから

この時の顕熱除去は11×1000g×0.3=3,300cal

つまり 3,223と3,300・・・ほぼ同じ

如何ですか?ほぼ同じなのです。つまりエアコンは空気だけを冷やしているのではなく湿気を除去するのに半分もの電気エネルギーを使用しているのですね。だからドレン水と呼ばれエアコンの室外機付近から湿気が水になったものをダラダラ流しているのです。

そう考えるとリビングだけを冷房し他の部屋の窓が開いていると、無駄なエネルギーを沢山垂れ流していると想像できます。湿気の移動は空気自体より顕著ですから・・・。

例えばお風呂から出た時洗面所の鏡が一瞬で曇りますね。あの現象は空気自体が動いたと言うより湿気だけ先に動いた感じがしませんか?湿気の移動は早いのです。だからリビング戸が閉まっていてもサッシのような気密性が無いので、外の高い湿気はエアコンで冷やされ湿気のないリビングに向かって流入します。すると空気の温度は下がっているのに湿気が高く快適では無い→温度更に下げる→冷房病になるのですね。

高い気密断熱性がある家は家中冷房(除湿)がお勧めです。
あっ・・・、除湿といってもエアコンはできるだけ冷房モードでお使いください。どのエアコンでも冷房の方が効率良く除湿します。除湿モードは弱冷房だったり、再加熱するので効率が大きく落ちます。→エアコンマニアの意見です。

冷房という状態がはっきりしたところでようやく換気扇と洗濯物の話になりますが、長くなりすぎましたからまた明日にします。


超断熱住宅における冬の洗濯物② 新潟の自然素材の家から

昨日も前文で

設計事務所では特に理論と実践を大事にします。設計はそもそもこの世に同じ物が無いので設計する事になります(あれば前の設計図をそのまま造れば良いので設計図の必要がない)。だから今まで一度も造くられた事が無いので「理論」を頼りにし、設計段階で「理論」が成り立たなければ「実現」は困難と言う事を知っているからです。←当たりまえですね。

と書きましたが、ようやくその理論の方へ今日は話が移ります。

冬は家の中で積極的に洗濯物を干そう!と勧めて12年。その理論は今も変わりません。で、おさらいですが・・・

洗濯物が仮に10~12kg(5人家族の一日の量)とした時、その濡れている水の量は6kgありますから洗濯物からでる水蒸気の量も5~6Kgにもなります。この時濡れているこの水が気体の水蒸気になるための気化熱は586cal/g=586Kcal/kg=0.681Kw/kgです。つまり最低4kwhのエネルギーを必要とします。・・・とここまでは昨日と同じ。

この乾燥に必要な気化熱が超断熱住宅では結構な熱消費となります。

超高断熱ではQ値0.9w/m2k以下なので30坪くらいの家では真冬に一日あたり

0.9×18℃(平均温度差)×100m2(30坪)×24時間=38880wh=39kwh

あれば家中を22度で維持できます。これに対し

気化熱に対する全体の熱は4/39=0.1となり10%にあたります。洗濯物を乾かす行為は意外と結構大きな熱が室内から奪われます(超高断熱の場合は分母が小さいため)。

ところがこの奪われた熱は潜熱と呼ばれ室温から奪われたように見えますが、室内にある限り無駄にはなっていません。それは・・・
快適な湿度を維持する事になっているからです。快適な湿度とは約50%であり、湿度が低すぎると室温が22度あっても快適ではありません。ここから計算です。難しく考えないでさらっと流しても結果だけ見てもOKです。

では・・・

仮に延べ床面積で30坪家の気積(家全体の空気の量)が240m3ある家とすると

240/0.5回=120m3/h以上が換気されるように法律で最低設定されています。

この換気により外の空気が室内に入ります。
外の条件を冬のみぞれが降っている時とすると

単純に2℃の湿度100%の空気の水蒸気量5.6g/m3←外気

部屋22℃の湿度50%の空気の水蒸気量10g/m3←室内空気

法律で決められた24時間連続換気するすると考えると

一日で室内に放出される水蒸気16kg(洗濯物も含む1家族あたり)

結構多いでしょう!このくらいでてますよ。

120m3/h×24h=2880m3
120m3×5.6g×24h+16kg×1000=32128g

湿気が完全拡散であると考えると
当初部屋にあった空気の水蒸気量
120m3×10g=1200g
と発生する水蒸気の量の合計を総空気の量で割るとm3あたりの湿気となる。

(1200+32128)/2880=11.6g/m3・・・空気約1kgに含まれる水蒸気量

するとこの11.6gの飽和素蒸気量である空気が22℃の時は
湿度51.6%であり、当初の空気の湿度とほぼ変わりない。
と言う事は

結果

洗濯物を室内で干すと・・・

22℃の室内の空気は湿度約50%で安定する事になる。

実際は水蒸気の発生場所は排気用換気扇に近いので、湿気の完全拡散は無く湿気の多い空気は早めの排出されるので乾燥方向になります。そこで第三種換気システム(排気のみファンを使ったシステム)や第一種熱交換型換気扇(顕熱タイプ)を使った家では洗濯物を室内に干しても湿度40%くらいになります。 数日前にご紹介した全熱交換の換気扇を使用したA邸の室内の湿度。人間の活動と室温の変化で湿度も数パーセント変わる事が見て取れる。

一方、第一種換気システムでも潜熱交換をする熱交換型換気扇タイプでは、湿度50~55%になる傾向があります。インフルエンザのビールスはこの50%以上の湿度では長く存在できないとされていると言うことと、体力の衰えた時には湿度を高めにする事で体内の無駄なエネルギー消耗(呼吸による気化熱)が少なく、だから湿度50%がよいとされてます。

 熱交換型換気扇  この画像は三菱電機さんから※外気温度 0℃、室内温度 20℃、温度交換効率75%の場合。

オーブルデザインのSSプランではこの第一種換気システムでも潜熱交換をする全熱交換型換気扇(ダクトレス)を現在使っています。理由は、冒頭の洗濯物乾燥に使った熱を捨てない事による冬期の高湿度維持と、夏期のエアコン除湿の時、非常に効率が良いからです。この理由は次の③でお伝えします。

ここから先は追加事項ですが実は・・・

寒冷地の超高断熱住宅やパッシブハウス等では結露対策をした顕熱タイプの換気システムが推奨されています。これは全熱交換型換気システムでは、

1.湿気交換時に臭気等まで移動する←トイレは別系統になる

2.お風呂排気は高湿度でふさわしくない←風呂は別系統になる

3.高断熱先進国では顕熱タイプが当たり前

であるからです。

これについて私は

1.別系統で問題なし。(3分でOFF。消し遅れスイッチだけでOK)

2.床下暖房の家は2時間で浴室は乾く。(タイマースイッチでOK)

3.高断熱先進国(欧米)は日本みたいに冷房期間がない

と考えてます。

実は20年ほど前(1991年)、以前の職場で新大と一緒にこの全熱タイプ換気扇が浴室に使えるかどうか実験をしています。すると結果は、瞬間的には湿度が高くなるが全体的に考えると影響はないという結果となりました。よくよく考えると欧米では浴室は部屋の片隅にあったりして、殆ど換気扇が無い状態もあります。拙宅浴室でも冬期は換気扇は2時間でOFFで問題なく乾きます(床一部除く)。20年間実績もあり、湿度が50~55%で安定する全熱交換型換気扇でも支障は無いと私は現時点では結論付けています。

全熱交換型換気扇の夏の優位性とは・・・次の日に!


超断熱住宅における冬の洗濯物① 新潟の自然素材の家から

設計事務所では特に理論と実践を大事にします。設計はそもそもこの世に同じ物が無いので設計する事になります(あれば前の設計図をそのまま造れば良いので設計図の必要がない)。だから今まで一度も造くられた事が無いので「理論」を頼りにし、設計段階で「理論」が成り立たなければ「実現」は困難と言う事を知っているからです。←当たりまえですね。

さて高気密高断熱住宅では、積極的に洗濯物は家の中で乾かす事が重要(12年前の記事)です。とっても当たり前の事ですが、なぜかその理由を知っている人は少ないですね。

濡れている物が乾くとき必要な事は、「熱」を与える事です。
「そんなの当たり前!」と思っている方でも、時にはこんな思いは無いですか?

「南側に洗濯物干し部屋がほしい」

実はこれは普通の事なのですが、新潟県ではどちらかというと×です。
私は2年間くらい鉄筋コンクリート造の県営アパートの4階に住んでいたことがあります。その時、南側半外部に洗濯物干し場があったのですが、冬期間は最初の数日間使っただけで使わなくなりました。理由は簡単で「乾かない」からです(笑)。仕舞いにはカビも大量に生えてきました。

ご存じ新潟県の冬は7日に一度晴れれば良い方で、時には3週間もお日様がでないときがあったりします。この時に半外部の南側の洗濯物干し場があっても太陽は当たりませんから、洗濯物はなかなか乾きません。当然ですね。3日間干しっぱなしで乾かないから最後は唯一暖かいリビングに吊す・・・。これでリビングに良く洗濯物が下がっている事が新潟の家では良く目にする光景です。

なぜ乾かないのか?科学的に考えましょう!

洗濯物が仮に10~12kg(5人家族の一日の量)とした時、その濡れている水の量は6kgありますから洗濯物からでる水蒸気の量も5~6Kgにもなります。この時濡れているこの水が気体の水蒸気になるための気化熱は586cal/g=586Kcal/kg=0.681Kw/kgです。つまり最低4kwhのエネルギーを必要とします。

この熱を与えないと絶対に濡れている物は乾きません(大気中)。4Kwとは結構大きいエネルギーで、普通のドライヤーを4時間付けっぱなしもしくは、アイロンを10時間使いっぱなし位の熱です。

一方、家中暖房する家ではどこも暖かいですから例えばお風呂場に深夜干しても、普通は次の日の昼までにはカラカラに乾きます。リビングで2度干しする必要が無いのです。←高断熱住宅でも家中暖房できない家は×。

家中暖かい住まいでは南側の洗濯物干しスペースは必要ありませんね。冬以外はどこに干しても乾きます。これは洗濯物が乾くための「熱」を与える事ができるからです。

この続きは明日の「超断熱住宅における冬の洗濯物②」で!


事務所での打ち合わせでお出しするケーキ

当事務所では土、日曜日に建て主さんと打ち合わせする事が多く、長くなる打ち合わせには集中による緊張を柔らぐため甘い物をお出しすることがあります。
写真は先週の土曜日の打ち合わせにお出しした寺泊の有名な菓子店「ル・クレール」さんのスイーツです。小ぶりですが厳選された素材とシェフの感性で作り出されるケーキは、とても素直に味蕾へ吸い込まれ、脳においしいと瞬時で伝わります。
先々週は建て主さんの家でとてもおいしい手作りケーキを頂きました。おもてなしには手作りのケーキが最高です。しかしそれができないときにはこのようなすばらしい仕事をするお店のスイーツもまた格別です。
甘い物も好きな私の一押しのお店です。場所は寺泊のアメ横通りから2つ内地に入った旧道沿いで、史跡「聚感園」の真ん前です。おいしいですよ。
このお店がちょっと田舎の拙宅の近所にあることと、お打ち合わせ頂いた建て主さん、そして甘い物も(お酒も好きです)好きであった自分に感謝です。ありがとう!


新潟の家 責任不在の情報過多の時代

先月あるサイトから当サイトにリンクされてくるゲストさんがよくいらっしゃるので、そのリンク元サイトへ行ってみると・・・

そこは日本最大と謳った家の情報を集めたサイトで掲示板が多数有り、大手メーカーからローカルな新潟県のメーカーや建設会社さんを題材にしてコメントもされてました。そのコメントを多さは一ヶ月で1000以上となっています。
だいたいが一つの質問に複数で答える「スレッド」記事になっいて、例えばこんな質問があるとします。

話題提供者 「基礎断熱っていいの」

とすると

匿名A 「うちは選択肢の中にあったけれど床断熱にした」

匿名B 「基礎断熱ってよくないよ。だって(略)・・・」

匿名C 「○×メーカーのこれがよいよ」

などなどです。

殆ど全てが匿名の情報です。これはとても、とても不思議な事です。匿名だから同じ人が別の人になりすまして答える事も可能です。また思い込み情報でも可能で、私からみると平気でまちがい(法律に添わない)を答えたり、勧めたりしている発言もありました。仕方無いのでしょうか?プロが造る家でも未だに「手摺りのない階段」が堂々とチラシに載ってたりしますから、プロで無い方がどのようにコメントしても問題にならないのでしょう。

これも時代なのでしょうか?どの情報が正しいかと間違っているかよりも、そのやりとりを楽しんでいるコメント者も多く、何ともいえない気持ちになります。
コメントも「だと思う・・・」だったり、逆に根拠無し言い切り捨て型だったりしてます。

またそのようなサイトをよくご覧になり、あたかも「家に正しい知識を知ったかように」なってしまっている人も多いと思います。家は家電製品とは違い巨大な物です。ある小さな部位や一つの仕様などの特定情報だけでは判断できないところが沢山あります。だから国が専門職として「建築士」などの免許を与えるのですね。

随分前から申し上げているとおり当ブログやHPでは、できるだけ実測、実物、法律、または国が定めた仕様や規律、基準で表現するようにしてます。また間違った情報の時は訂正線等で後で見てもわかるように記述します。私が趣味で情報収集に訪れる他のHPやブログは殆どそのようになっています。それが責任ある情報発信と思いますが、不思議と建設業界のホームページやブログに「訂正線」があるのをあまり見た事がありません。

絶対間違っていない情報だからそうなっていると思いたいのですが、なんとなく違う気がします。建築業界は一度お客様になったらリピートが30年無いので、情報が毎年変わっても気にならない人が多いのでしょう。だから、造る側もその時よければそれでよし。となる習慣ができあがったと思います。また詳細な図面がないという習慣が拍車をかけたのでしょう。何事も図面が無ければ始まりません。 最低でも50枚以上ある図面。図面は大事な建物の履歴。増改築の時もこれが無いと始まらない。

10年の寿命の家電製品でも、品番検索すれば10年前の製品の仕様が残っていますが、家の情報は3年前でも全く残っていません。新しく建築しようとする方は、わざわざ3年前の情報を探す人はいません。ですが、家は他のMONOと違い、一度建てたら最低30年は使い続けます。ですので3年前の情報も大事なのです。・・・とオーブルでは考えてます。だからHPの情報は消さないし、間違った時は訂正線で書き直します。それが責任ある情報発信者だと思ってます。過去を消せない(消さない)から慎重になるし、吟味した情報と家の仕様を発信できるのだと思います。訂正線もなく、いつの間にか消えているページが多々あったり、数年前のページが全く無かったりすれば、間違った物を簡単に消して忘れられる気持ちになります。私は多分設計図を多く造るので、必ず手元に記録が残る事が当たり前=間違った履歴は残せない  と考えるようになったのでしょう。

あっ・・・誤字脱字は例外で、そこだけは消して修正します。(笑)