新潟で自然素材の家 木は濡らさない①

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最近「木」を外壁に使った家や建物を多く見ます。木を使った外観はとても柔らかい雰囲気を出し人気があると思います。
木の外観はとても歴史が古く、日本の建築の外壁は「木」だったと決めつけても問題ないくらいです。ところが戦後の建築から木の外壁が消えました。この原因は「防火仕様厳守」→「高価になる」という事が大きかったと思います。このことは後に再びお伝えします。

アイアンウッド(ウリン)で造った大きなT邸のウッドデッキ。当初この木は無塗装のままのでこんな茶色。これが数年でシルバーグレー色になる。

木は濡らさない①

今回は流行の「ウッドデッキ」から・・・。まず簡単に歴史を。

新潟県ではウッドデッキは15年くらい前から流行し始めました。当事務所でウッドデッキを初めて造ったのは、事務所開設後直ぐの12年前になります。この頃はウエスタンレッドシーダーという材で造りました。この材は当時は高価でしたが、腐りにくいのであえて採用しました。今も立派に機能しておりますが、やはりそろそろ痛みが目立ち始めました。

その後ウエスタンレッドシーダーと耐久性が同等と言われた防腐剤が入った針葉樹系の材料でコストを押さえた造りで2棟、そして6年くらい前から全てアイアンウッドでウッドデッキを計画してます。このアイアンウッドで造るきっかけとなったのがある建て主さんの一言です。

「木自体の材料価格が2倍しても、2倍の耐久性があれば、その材料で造ってくださった職人さんの努力は倍の時間は無駄にならない。勿論コストも・・・。」

本来なら私がそれを申し上げる立場なのですが、この一言で多少コストが高くてもアイアンウッドを奨めようと決めております。

ウッドデッキには色々な木が使われますが、ほぼ次のような耐久性です。

スプルス     ・・・4~6年
杉         ・・・5~8年
松         ・・・5~8年
檜(ヒノキ)    ・・・6~10年
ヒバ、米杉    ・・・6~12年

加圧注入(軟材)・・・7~15年
〃    (良材)・・・10~20年 公園の設備等に使用
アイアンウッド等・・・20~30年 桟橋などに使用

 これは防腐剤(ex.キシラデコール等)を塗布しても殆どかわりません。というのは、木は各接合部から腐り始めます。一度組み立てた接合部には、防腐剤を追加で塗る事はできません。その接合部でも木口と呼ばれる部分からの腐朽が殆どです。この木口は接合部であり、この接合部がだめになると安全性が確保できないので寿命となります。まだ丈夫な平部分があるのにも関わらず・・・。こちらのリンクはログハウスが築10~15年で腐ってリフォームした情報です。

今は流行で雨ざらしでウッドデッキが造られますが、メンテナンスの有無に関わらずアイアンウッドや加圧注入(中材)以外はほぼ10年で朽ちます。それは間違い無い事です。しかし多くの建設会社や工務店さんが「大丈夫!メンテナンスすればある程度腐らないよ」と奨めてますが、これは間違った認識です。
昔の大工さんは雨ざらしで木を使う事は絶対してません(屋根を除く。屋根がOKだったというのは、屋根が多少腐っても人が載るような、また建物自体に危険が及ぶ場所でなかったためです)。

木は雨ざらしでは必ず腐るのです。特に松、杉、檜(白太)は10年以内で使用不可です。この点は間違った認識をしている専門家(工務店、建設会社)より賢くなり、無駄なコスト削減と資源保護をしたいですね。

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