では発表!2010年エアコンランキング
昨年夏頃の
新潟県内で暖房として使用する21年秋のお勧めエアコンの順位を独断で発表しました。ここ数年間はパナソニックが効率トップで商品が充実しており価格も結構こなれてました。そのため当事務所の選定するエアコンは4年くらいはパナソニック製エアコンです。
ところが今年からパナソニックが方針を変えてシリーズを一新したため、どうも一押しお勧めエアコンがありません。
変えた方針とは・・・
昨年までCS-X229AからCS-X289Aという機種が旗艦エアコンで主力でした。これは大きさの分類で「寸法フリー」という機械の外形寸法を限定しないもので、相反して「寸法規定」という分類もあります。カタログのスペックをよく見ると寸法フリーか寸法規定か書いてあります。現在寸法フリーで旗艦エアコンを持っているのはパナソニックを含め数社のみです。つまり後のメーカーは全て寸法規定ということです。
寸法フリーの方が寸法規定より効率が高くできますが、寸法規定分類より効率が一段高い「寸法フリー」機種にはとても大きな欠点があります。それは工事する人が大変ということです。
寸法フリータイプはトップランナー方式が始まった10年くらい前から あります。インバーター方式のエアコンの効率(COP)を高めるにはまずはその熱交換機を大きくするのが一番手っ取り早いのです。だからその熱交換機が入る箱(エアコン本体)がどんどん大きくなります。すると、大きくなったがために今まで窓と天井の間の壁や柱と柱に収まったエアコンが入らなくなってしまいました。
こうなると「工事に行ったけれど設置出来なかった」という事態になります。
すると家電量販店では嫌われてしまいます。量販店ではエアコン設置に詳しくない人が販売員をしてますから、設置出来るかどうかなんて考えて販売しません。多少効率(COP)が悪かろうが、どこにでも設置できるコンパクトな機種を勧めます。
それで現在は寸法規定タイプのエアコンがどのメーカーでもメインです。寸法フリータイプは一部のマニアックな人しか使わなくなってしまったのです。
今年のパナ製寸法フリータイプの旗艦機種 CS-HX220C室内機295×890×268mm 室外機619×799×299mm暖房COP6.84 APF7.2 APFは7以上になった初めての超高効率の量産型家庭用エアコン。
今年のパナ製寸法規定タイプの主力機種 CS-X220C室内機 295×798×268mm 室外機 540×780×289mm 暖房COP6.41 APF6.7 室内機寸法は長さが約100mm寸法フリータイプより小さい。
今年からパナソニックは、寸法規定タイプを主力にし、その分類でも効率COPでトップなる方針にしたようです。お家芸の効率トップ維持は寸法フリータイプでも達成し(なんと驚異的APFで7.2)こちらを旗艦エアコンとしてます(CS-HX220C)。しかし主力ではないため販売数が見込めないせいか大変割高です(価格.コム最安で15万)。以前の旗艦エアコンCS-X229Aの価格は主力エアコンでもあったため他のメーカーの規定寸法タイプの旗艦エアコンと変わらなかったのに・・・。
ちなみにパナ製主力エアコンCS-X220Cは価格.コム最安で10.5万。その差は1.5倍。
以上でパナソニックエアコンのお話は終わりです。
さて残念なお知らせがあります。10年以上前から財団法人省エネルギー機構がこの表を造っていたのですが、今年から止めたようです。大変便利なエアコンの省エネランキング比較表だったのにとても残念です。これさえあれば自分でカタログを集める必要がなかったので是非復活してほしいです。
さてこの夏のエアコンのお勧め順位は明日の「その②」でお伝えします。冷房の効率中心ではなく暖房効率と価格で選びます。
PS
最近のエアコンの効率はAPFで示されておりますが、どうもごまかされている気がします。以前もコメントしてますが、機械自体のハード的な効率アップではなく、ソフト的にCOPの山を定格出力の40~50%にして年間負荷の一番多い部分の効率を上げ、APFの数値だけを稼いでいる感じです。なぜならここAPF表示が始まった数年間は、COPの上昇スピードが止まってました。今年から再び上がりつつありますが・・・。
以前はCOPの山が定格部分にも配慮されていたので、小さなエアコンを少数で家全体を暖めた方が効率が良くなりました。しかしAPF重視のセッティングですと、エアコンの台数がより多くある方が効率が上がる事になります。やはり台数を売らなければならないメーカーの販売戦略でしょうか?