昔から
「この建物は耐震性が高いです」
とか
「この家は断熱性能が優れています」
と
必ず住宅会社、建設会社、工務店は宣伝しています。
しかしその多くが第三者の評価(長期優良住宅認定や性能評価)を受けていません。
つまり勝手に自己の評価で宣伝しているだけです。
これは結構問題ではありませんか?
最近有名なドイツ発の「パッシブハウス」も必ず、必ず「評価」されて初めてパッシブハウスと名乗れるのですからね。自己評価ではありません。
耐震性や断熱性を高く設定すると、小さな間違いや入力ミスで大きく結果が変わります。性能が低いときはそれでも良いのですが、高い性能を宣伝しているのに本当はその結果にならない。これは問題です。それを知っていて行っていれば「詐欺」になりますし、仮に知らなくても問題はあります。
確かに長期優良住宅認定(取得)には申請コストがかかります。しかしそれを受けるだけの理由もあります。特に今年度(もう終了しますが)は補助金が100万円つきましたし、それを取得しない理由はないでしょう!
評価とは人のやることは間違い、勘違いはつきものですから、公(それらの機関)がチェックを行う事でそのミスをなるべく少なくし、公平にしましょう・・・ということです。
施工会社付属の設計事務所を含む設計を行う事を業とする会社(設計事務所登録)は、やはり請け負った半分程度の家については何らしかのダブルチェック(長期優良住宅認定や性能評価)を受けることは建て主さんへの責務と思います。それを行わないで、耐震等級2相当とかQ値がとっても良いと宣伝するのは誠意があるとは言いにくいでしょう。もしその結果に間違いがあるとわかっているなら「詐欺行為」です。
例えば耐震性では・・・
本来耐力が発揮できないところに耐力壁を設けたりすることもあります。筋じかいの方向で引き抜き強度を間違っていたりすることもあるでしょう。また梁間寸法が3185を超えているのに91cmのすじかい壁があったり・・・
また最近の耐力壁はメーカー独自の面材(モイス、ダイライト、かべ震火など)を使っていることが多くなりますが、その耐力壁計画を間違えたり(つなぎ間柱45mmなかったり)、90cmより小さい壁長だったりするとこれは所定の耐力壁とはみなされません。そもそも構造図が建て主さんに渡されていなかったりするとほぼ間違い無く構造チェックがされていないか、間違いがあります。
断熱気密性では・・・
最近は完成時の気密測定するのでしているのでほぼ問題ないでしょう。問題は断熱性です。特に基礎断熱の土間K値の設定や、換気の考え方などは大きな差となります。
何度も申し上げますが、設計評価を受ける事を肯定的として捉えている会社はまじめな会社です。それを受けるか受けないかは最終的に建て主さんが決めることで、最初からそれを受けさせないように「お金の無駄」とか「意味がない」とか言っている会社は、その技術力に?マークが付きます。
また工務店さんの宣伝では「長期優良住宅の認定」は補助金が貰える事しか言いませんが、本当はしっかりとした設計の評価をしていただける事、それが建築されることが本来のメリットなのです。それを伝えようとしないのは大変問題ありです。
元々古い大工さんは「評価」を大変嫌がりますが、実際その評価(古くは住宅金融公庫の検査等)が日本の住宅を良くしてきました。評価を嫌うのはその古い大工さんと同じ考えです。
「緑の家」をお選び頂いた皆様、評価にご協力頂きありがとうございます。