昨日は片貝の家の「なおらい」で、楽しいお酒を頂きました。沢山頂きすぎて今日の午前中は車の運転はできません。でもあの「あおやぎ?の焼き鳥」もお料理も、最後のそばもおいしかったです。ごちそうさまでした。
今回始めて行った、2階床下暖房・・・
結果は予想どおり、OK でした。
1階の吹き出し口を少し絞り、家の中央2つにある温風ダクトから強制的に2階フトコロに温風を挿入する事で、1階より2階が暖かい基礎内蓄熱床下暖房となりました。当初は補助的に使用する2階床下暖房のつもりでいたのでのですが、どうもメインに近い状態でご使用されています。
これには「なおらい」に一緒に隣席されていた電気屋さんがしきりに「なぜ基礎内エアコンで2階までもが暖まるのだ?」と何度も首をかしげておりました。
工事中は一切こういった事を聞かないでどんどん仕事進めていらっしゃったのですね。でもその基礎内のエアコンで家中が暖められるとは、ちっとも思っていらっしゃらなかったのでしょう。
蓋の開いているところが家の中央にある温風縦ダクト 左に見えるエアコンは夏期・暖房予備用で現在は不使用
中を覗くと循環ファン400m3/hが設置されているのが見える(矢印)
厳寒期の2月末(氷点下4度)に一週間ほどお住みになって「浅間さん、2階の方が暖かくなるよ」と言われた時に、始めて片貝の家の設計が終わったと思いました。
読者皆様には少し補足説明をさせて頂きます。
通常の感覚では、暖房すると1階より2階が暖かくなると思われるでしょう。でも高気密高断熱で吹き抜けなどない家で、床下暖房をすると2階まで暖気が伝わる事はありません。1階の方が暖かくなります。これは断熱性能の高い家では、暖気の温度が低くても暖まるので低温風(26度~40度)で暖房します。薪ストーブやペレットストーブ、FFストーブなどの高温風(60度~)を造るような暖房機では逆に、空気の循環が大きくなりすぎて気流感を生みだし、場所によって大変不快に感じます。
このように低い温度暖める家では、1階の床下暖房の熱は上階まで伝わりません。
和室壁に設けられた循環ファン。ファンの後ろに温風縦ダクトがある。
片貝の家では2階リビングを採用しているので、2階の床を快適にする事が大事です。そこで建て主さんが2階に床下の暖気を運べないか?と言うご要望になりました。当初私は前向きではありませんでした。それは2階床下が掃除できないこと、暖気を運ぶには相応の循環ファンが必要になるといこと、気流感が出やすくなること・・・が考えられたためです。その中で掃除できないことについては建て主さんからOkを頂き、また循環ファンは何とか省電力タイプで大風量を見つけ、施工が始まりました。後のこるは気流感の軽減。
工事途中で玄関の踏み板下で床下に循環される通路が確保されることを確信し、工事終了間際で、エアコンの位置を見直し工事は終了しました。
後は試運転で設計の思惑通りの温熱環境ができるか試すだけです。しかしその前日に建具屋さんが体調を壊し、温風熱ダクトの「扉」がない状態(つまり温風ダクトができていない状態)で、不完全な試運転しかできませんでした。それでも効果がわかりましたが、後はお住まいになってその本当の効果を建て主さんが試すことになりました。
そして・・・
1週間後電話があり「浅間さん、2階の方が暖かいよ」と言われた時に、片貝の設計が始めて終わりとなりました。
雪の降る中、奥様からわざわざ来迎寺まで送って頂き事務所に着いたのが丁度午前0時。
感謝です。
コメント
kim様
コメントありがとうございます。
おっしゃるとおりですね。
当事務所が床下暖房を標準にしたのは「加齢により代謝が下がり足が冷たく感じるような住まい人が原因に対し、家が可変して対応しよう」と考えたからです。
私の年齢で22~23度維持すれば足元はそう冷たく感じないのですが、50代になれば又代謝が落ちるかもしれません(泣)。その時に床を暖かくできればと思って採用しております。
松尾様
コメントありがとうございます。
これは違います。ロスナイです。
E-fan8はすばらしい性能なのですが、次の点で採用を迷っております。
・音が30db(ロスナイは26dbで、これでもうるさい)
・消費電力が弱でも32W(ロスナイは弱で11W)
30dbなのですが、本体が外部なのでここまで五月蠅くない気がしております。メーカーに聞いて今度大丈夫そうな箇所で採用して見ます。
問題なのは消費電力が32Wだと、見かけの換気回数によるQ値はちょっとだけしか下がりません。西裏館の家ではたった3.3W/kだけです(泣)。「モーターにもっと気を遣って」と言いたいです。
せめてバイパスモードが設置されて中間期は消費電力が10W以下になることを期待しております。それまでは冬期はこの換気扇、それ以外はたの熱交換しない換気扇を使うという裏技が良いかもしれませんが、Q値は・・・下げる計算が難しい・・・。
阿武隈高地様
実測結果、暖かいコメントありがとうございます。
阿武隈様の立地は多分水はけがよく、それ以前に根雪がない状況だと思います。この片貝の家は、周囲は2~3m積雪地で、地面はいつも雨が降っているような状態です。
地中の断熱性は土の湿り具合で大きく変化します。
住宅の次世代省エネルギー基準と指針の地中の断熱性の式によると
λ=0.7(乾いた砂)関東や太平洋側の冬
λ=1.7(湿った土)谷地や湿地
で断熱性は2倍の開きとなります。
片貝の家は積雪時は湿った土と見ており安全側に考えております。
我が家も2Fリビングですので、これはうらやましいです。全館21℃をキープしていますが、裸足でじっとしていると足元から冷えてきます。床の温度も20℃はあり、特にコールドドラフトもないと思いますが、考えてみれば当たり前で、体は長袖の服を着てちょうど良い温度なのですから、裸足でも足元の冷えを感じないためには床の温度をほんの少し高くする必要があるのでしょう。そのためだけに床暖房を入れるのはコストに見合わないですから、エアコンを使った方式が、これからのスタンダードになっていくのではないでしょうか。
E-fan8早速使ってらっしゃいますね。いかがでしたか?
コメント有難うございます。
立証は難しくできませんが阿武隈高地小屋冬2年間の経験では捨てコンを含めた蓄熱量で良いようです、地中の断熱効果は厚みで補えてるようです。
コンクリと地中の熱伝達率は大きな差が有るようです。
エアコンの劣化についてはこれから追跡したいと思います。
施主のため、常に前向きに良い住宅を設計されることを期待します。
こんにちは。いつもどうもです。
>質問です、基礎蓄熱量でスラブを100mmとしてますが、スラブはもっと厚みが有るのでは?
おっしゃる通りで、スラブ厚18cm+捨てコン5cm=23cmあります。なぜ10cmしか期待しないかというと、エアコンの温風程度では床スラブの表面温度は24~26度しかあがりません。「自立循環型のマニュアル」では15~20cm以下まで蓄熱体としてOKとなのですが、これは太陽光のダイレクトゲインでの温度上昇が元になっています。このような30度以上にもなる状況ではない事、放出側との温度差が小さいこと、タイムラグがあることを安全側に考え、10cm程度が有効な蓄熱体と考えております。しかし実験したわけでもありませんので、設計者の総合的な判断です。
>メ-カカタログには約10、000時間(暖房)と記載されています。
電化製品の一般的な寿命かまたはヒ-トポンプのシ-ル性能の寿命でしょうか?
すみません、わかりません。そんな記載があること自体知りませんでした。メーカーに聞いても、換気扇などに強制表示義務のある設計期待寿命は今まで教えて頂けませんでした。今やエアコンにもそんな表示がされるようになったのですね。まあ事務所のエアコンはなんと14年たちまだ壊れません。使い方は24時間で一年の2/3以上は使用中です。さすがメイドインジャパンの頃の物です。自宅は4~5年で潮によって完全に溶けます(笑)。機会あればメーカーに聞いてみます。
>24h運転した場合、寒冷地では3年以下の計算になります。
以前に塩害で5年位で寿命とありました。
5年目で消費電力が増える傾向は有りましたでしょうか?
すみません。これもわかりません。初年度と5年後の比較をしたこともありませんし、外部環境も違うので、実測では相当難しいでしょうね。
ただ一般的に消費電力は、冷媒液の漏れではなく、熱交換機の汚れ、フィルターやファンの羽の汚れ、可動部の摩耗で抵抗増のためでしょう。
自宅では妻はエアコンのフィルター掃除は1年に2回くらいしかしません(汗)。私が更に追加で年2回(計4回)します。だからお掃除エアコンが出たときうれしかったですね。
>結果は予想どおり、OK でした。
なによりです、設計者の至福の時ですね。
質問です、基礎蓄熱量でスラブを100mmとしてますが、スラブはもっと厚みが有るのでは?
エアコンに詳しいオ-ブルさんに寿命の質問です。
メ-カカタログには約10、000時間(暖房)と記載されています。
電化製品の一般的な寿命かまたはヒ-トポンプのシ-ル性能の寿命でしょうか?
24h運転した場合、寒冷地では3年以下の計算になります。
以前に塩害で5年位で寿命とありました。
5年目で消費電力が増える傾向は有りましたでしょうか?
よろしくお願いします。