昨年の日経ホームビルダーから  透湿防水シートの問題

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

日経ホームビルダー2011.8号

以前R2000の改修工事で最近透湿防水シートの酸素劣化をお伝えしましたので、古い記事ですが、業界では知っていて当たり前な、でも建て主さんには公開したくないこちらの情報もお伝えします。

ある工事現場の写真。白い壁下地材が透湿防水シートと言われる外壁下地。90%の現場で施工されるポピュラーのもの。

簡単に申し上げると、

透湿防水シート(タイベックやハウスラップ、セレラックス等)のシートは、柱に塗布される防蟻剤や、柱や間柱、胴ぶち等の染みこませてある防蟻剤が雨水で溶け、透湿防水シートの撥水効果を破壊し、水が内部に染みこむとのことです。つまり防水性が失われます。

ですので、この透湿防水シートを施工した後は、速やかに外壁を貼ってほしいとメーカーが注意勧告しております。こちらなど 詳しくは日経ホームビルダー2011.8月号をお買い求めください。

さてここで建て主さんから見た問題ですが、2011年の夏にこの件が公開されたのですが、これ以後の建物は何らかしら注意して建てると思います(していてほしい)。しかし・・・

ある大手2×6のメーカーの建築途中の写真。茶色いところが防腐防蟻剤の塗布部分(撮影2001年)

それ以前(2010年より前)に建築されていた建て主さんへはどうするのでしょう?多分このような情報はあえて過去の建て主さんへは伝えないでしょう。なぜならこの透湿防水シートが使われるのは、外壁より内部・・・。外壁を全て剥がさないと真偽の確かめようがないのですから、そのような多大なコストがかかる確認は普通はしません。ですので雨漏りがわかってから対処することになりますが、多分このような水の染み込みは、何も不具合が無いか、完全に木がなくなるまで腐るか、白蟻が食害するまでわからないと思います。

実は・・・「緑の家」では事務所設立以来、住宅で防腐防蟻剤を現場散布したこともなく、また防蟻防腐剤を染みこませた土台を使ったこともありません。14年前から必ず土台は米ヒバ(防腐防蟻剤がなくても耐久性がある木)でした。でも最初からこういったことを予見していたのではなく、ただ単にたった10年しか有効でない防腐防蟻剤というケミカルの特性が嫌いだっただけなのですが・・・。

自分の直感に救われた「緑の家」という手前味噌のお話しでした。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする