江戸から明治にかけて当時の都市内での暮らし方(環境との関わり)の査読論文を見つけました。
その論文の題名と論文作成者は上の方々です。通常このような史学がまじる内容は建築計画で発表となるのですが、ありがたい事に「環境系」での査読論文となりました。確かに暮らし方は「環境」があっての事・・・。元々私も意匠系(計画を含む)から設計者としての実務経験をスタートさせておりますが、環境に惹かれ、環境があっての計画、意匠だと感じております。
さて本題の江戸時代の庶民の暮らしを見てみましょう。表9はそれが良くまとまっております。
なんと言っても朝型生活がわかります。
日が昇ると同時に起床・・・
21時には就寝・・・
です。
そしてその日の設え(しつらえ)を行う事が重要で、戸の開け閉めと簾の設置、打ち水など環境の変化に合わせ生活してたようです。しかし表9のCとDの出職(つまり家から出勤して働く)人は今の会社員と思ってよいでしょうが、夕方以前は確かな記録が無いようです。もしかしたらまめに戸の開け閉めはできなかったのでしょうか?
表7からは日の低いうちに一仕事を終わらせ、暑い昼頃は休んでいたように読み取れます。そして再び14時くらいに仕事を行い、18時以降はゆったりとしています。
まとめ・・・
最近は省エネが枕詞になって通風がもてはやされておりますが、昔でも環境に合わせ戸の開け閉めや涼得る事行為をしております(というかそれしかできなかった)。しかし出職である人はそのような事がしにくかったと思われます。現世の殆どの人も出職なので、積極的に環境に合わせ戸の開け閉め、簾の上げ下げがし難いのでしょう。都市では通風を主に考えない方が良いのかもしれません。・・・あっ我田引水となりました。・・・すみません。
PS
夕方は寄席・・・何となく暮らしかたにおいて豊かな一面をもつ時代ですね。