熱帯夜と木陰

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何時もの査読論文から

台風が来ているせいか、三条ではひっそりと熱帯夜になりました。湿度も結構有り寝苦しかった人もおられるでしょう。

真夏ほど木陰が涼しいと思った感覚・・・それは事実です。

多分数ヶ月でネットに公開されるはず。全文ほしい方は
メイルで私宛に。

先日届いた建築学会の環境系の査読論文に面白いものがありました。
生きている樹木が自然環境の中でどのくらい水分を吸って蒸散させているかを正確に把握することは難しい事です。ビニールで樹木包んでその中の水分量を測れば、それは人工環境での測定で、自然環境中とは大きな乖離が出ると思われますし、簡単に樹木と土、水分重量を測定出来るようなあまりに小さい樹木では、大きい木のとの特性も違うので、これもふさわしくない・・・。そこでこの論文では、ある程度大きさの樹木を箱にいれた状態で多種育て、それを大型重量測定出来る器機で水分量を実測し樹木事の特徴と、既往の研究と比較する事でその精度も含め実態を推測するとの事のようです。

また幹径10cmですから、「緑の家」のシンボルツリークラスだと思って見れば実感が湧くし、建築主さんに「この木は真夏に1kw/hの冷やす能力がありますと説明出来るでしょうから楽しそうです。

で・・・何時もように結果から・・・

放射エネルギーとは気化熱によって得られる冷熱と思えばよい。

結構大きい放射エネルギーだと思います(但し冠水日、単木)。
高木種であるケヤキなどは最大で500w/m2程度にも達し、樫・楠はその上を行く700w/m2です。
中木種であるサクラやエゴノキは最大でも200w/m2以下・・・
これを見て感じるのは・・・
その木が育つ環境に適しているのだなーと素直に思います。
高木種は森の中心種で、森の中心部ではとにかく早く高くならないと日にあたることが出来ずに競争に負けます。高くなればなるほど重力に逆らって水を吸い上げる能力も必要となり、結果上部の少ない葉で最大の能力発揮しなければならない特性から蒸散能力が上がり潜熱エネルギーも増える事になります。特に樫は、横に広がるより上に行く方が得意で(森の中心部だから)、結果は上だけの葉付きとなり単位あたりのフラックスは増えますが、一本あたりでは横に葉を広げるケヤキに劣るかもしれません。

上から見て環形(直径)5mのケヤキは20m2となりますから最大で10kw/hの冷顕熱を作り出し平均でも約3kw/hの冷顕熱を生みます。これは10帖用のエアコンの定格能力と同じくなります。

またケヤキやコナラ、楠は日射が増えればリニアに蒸散量も増えますが、サクラと山法師などは頭打ちになる(これは箱の制限による根の成長と筆者は分析している)との結果が得られたとの事で、大地に直接植えないと木のバランスが崩れることを示していると思われます。

下は実測対象樹木の概要です。

楽しそうな研究テーマ。

で・・・木が10帖用のエアコンの能力があるなら、家の中に観葉植物を窓際に並べれば冷房の変わりなるかは・・・勿論なりません。顕熱は下がりますが潜熱がその分増えただけですので部屋の中は大凡太陽光が入って来るだけ暑くなります。

戸外では増えた潜熱が直ぐに拡散するので、冷気だけが下に沈み込みあの独特の涼しさを生みだすのです。それとて風が吹けば感じる事はできない位です。森林の中や、森林の裾野ので感じる事ができる冷気ですね。

で締めですが・・・
「緑の家」の山法師クラスの木では植えてから数年で1kw/h~2kwhクラスの冷気を作ることが可能で風のない日にはそれを肌で感じられるかもしれません・・・お勧めです。

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