やっぱり超高断熱より構造が優先。

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何時もはっきりと言っておりますが、
超高断熱(パッシブハウスとか無暖房住宅)という性能より優先する性能が、正しい耐震性です。無論「緑の家」は両方しっかり性能があります。

現場でよく見る筋かい。これは立派な構造材で地震時に最も重要な部材。

オーブルデザインの最も良いところは・・・

建て主側に立った工事監理ができる事です。

今回熊本地震が起こってから何度か筋かいが話題になりました。誤解無きようにお伝えしますが、過去20年で今まで初めてお付き合いした建設会社さんの90%が、筋かいの材質不良が有りました。筋かいは構造材ですからミスは許されません。

青色チョークで×を付けている現場。こんな筋かいがあるなら他にも問題が必ず潜んでいる。

写真の公開をしてこなかったのは建て主さんの不安を煽るような事はしたくないので、言葉だけで今までは伝えてきましたが、これだけ話題になると逆に公開しない方が良くないので写真を載せることにしました。

筋かいが正しい施工が出来ないということは、合板の施工も危ういです。例えば釘の種類、ピッチを誰が検査しますか? たかが筋かいの施工が難しいので合板にしたと言うなら、今の木造軸組工法で正しい施工なんて出来ないでしょう。

複合している節。これも15mm以上の断面欠損でありNG。

施工会社と全く関係ないオーブルデザインのような工事監理者がチェックしないかぎり、第三者インスペクターだって工務店に雇われた会社です。最終的には雇われたほうに顔を向けるのは経済優先の社会ならあたり前です。

「緑の家」の105×45の筋かいでは直径15mm以上の貫通死節は無条件にNG。

「緑の家」は法律で定められた筋かい断面90×45に対し、幅方向に15mmの安全率をみて105×45で設計しております。これは現場では15mmの死節なんてざらにあるからです。

生き節だが耐力が落ちる面外座屈をおこしやすい流れ節。この節は見落としやすい。


この現場ではNG率が50%でしたが特別ではありません。殆ど気にしていない工務店さんはこんなものですし、悪い材を使っている事も知らずに「筋かいが合板より安いから使われる・筋かいの方が安い」という事を言っている専門家もいるくらいです。正しい材料+正しい接合金物+手間では合板9.5mm一枚を貼る事と同じか高くなります。

多分筋かいの斜め切りや間柱の斜め切りをしたことがない机上の専門家です。斜め加工は合板の四角加工より・・・相当難しい作業です。

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コメント

  1. 匿名 より:

    N様
    >工務店が雇ったインスペクターというのはそもそも第三者とはいえないかと。
    全くそのとおりです。しかし殆どの工務店さんが工務店自身で依頼しても「第三者インスペクター」と呼んでいるので故意にそのように明記しました。
    もし図面が正しければ法律では工事監理者=インスペクターですよね。それが違っているなら責任の重い工事監理者は廃止するべきでしょう。現在ある法律が機能していなければ新しい法律をいくつ作っても同じ事だと考えます。
    考え方は様々ですが、こういった議論で建て主さんが少し工事監理の大切さを感じとってくれると良いと思います。

  2. N より:

    >>第三者インスペクターだって工務店に雇われた会社です。最終的には雇われたほうに顔を向けるのは経済優先の社会ならあたり前です。
    工務店が雇ったインスペクターというのはそもそも第三者とはいえないかと。
    ・検査一本で他の建築業務に一切かかわりがない
    ・建築業務にかかわりがないからといって知識がないのではなく、きちんと現場監督暦等現場を知ってからインスペクターになった。
    ・年間数百件くらいはこなし、きちんと裁判も戦える
    こういったインスペクターさんであれば施主が雇う意味があるかと。完璧な第三者の厳しい検査になるので。問題はそういった業者さんがものすごく希少なことですね。たぶん全国でみて両手で収まってしまうかと