驚き!スラブ中央部から逃げる熱を熱流計で実測。その5 補足   床下暖房は省エネでは無い!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

今年の最初の連載・・・「驚き!スラブ中央部から逃げる熱を熱流計で実測」は4のまとめで終わりました。ただわかり難いとのことでポンチ図でわかりやすさを心がけて補足とします。

「驚き!スラブ中央部から逃げる熱を熱流計で実測」のまとめで、

新潟県の環境で今年の熱流計を使った実測から

  1. 基礎断熱のスラブ中央部から熱流量は、スラブ下断熱材無しでも極わずか。
  2. 基礎内側断熱では、コンクリートが床下の熱を屋外へ運ぶ最大の要因となる。
  3. 基礎内側断熱で床下暖房を行ったスラブ外周部は、スラブ下ではない新たな断熱対策も視野にいれるべき。

です。

基礎内断熱で、基礎下地面に水みちはない一般的な宅地では、

図中、ピンク色で塗られたところが断熱材が有る部分。基礎の床スラブ下にはピンク色はない。つまり断熱材が無いのが普通の「緑の家」。但し誤解を恐れずに言えば地面は性能の良い断熱材であり、国のマニュアルもそのように記載される。

「緑の家」Bグレードの基礎部分の熱画像。外気温5度。晴れ、15時の東面基礎。

「緑の家」A(As)グレードの基礎周辺。Bグレードの基礎より熱の逃げ方が明らかに少ないし局所的な逃げでは無い。外気温2度 17時30分。晴れ、西面の基礎。

実測の結果、基礎の立ち上がりから多くの熱が逃げるとほぼ断定出来ます。鉄筋の多く入った鉄筋コンクリート(コンクリートより1.5倍ほど熱の移動が容易)べた基礎スラブは、一般断熱材の1/40の性能なので、ここを流れて外気に接している基礎立ち上がりから熱が放出されます。つまり壁にGW断熱材が200mm設置された状態と同様の断熱性の得るには、コンクリートの厚さは8m!必要です(GW100mmなら鉄筋コンクリートは4m)。外皮に占める面積割合が少ないコンクリート部分ですが、この数値だけを見るとやはり気になります。

よって一番簡単な解決は、基礎外側断熱にすれば良いのですが、白アリ侵入の確率が大変高いので、新潟県から南の地域は、外側断熱が簡単に提案できないのです。一方中央部スラブから熱の移動量は、外周の1/10にまで減るのでスラブ下の断熱材は通常必要はありません(その環境条件注意)。

また図中「い」の基礎立ち上がりだけで無く、スラブ下外周近辺「あ」も立ち上がりにはおよばないのですが熱の移動が多い部分として考えられます。しかしこの部分(図中青い線)に断熱材を入れる事は「緑の家」では否定的です。この部分は建物支える地面の中でも最も外部因子を受けやすく、また受けた場合上部建物の不同沈下をおこす可能性が高いので慎重にならざるを得ません。建物中央なら地面が多少陥没しても、べた基礎で基礎自体の耐力があれば不同沈下はありません。

あと実測で再確認された事ですが、

床下暖房は省エネではありません。これを間違って建て主さんに伝えている事例を聞きます。
なぜか?

床下内から外部への熱の移動は内外温度差で決まります。つまり30℃と居室24℃と比べ必要以上に床下内温度を上げる床下暖房は、その暖房機にエアコンを使っても所謂「省エネ」ではありません。同じ条件なら床下暖房しない家のほうが省エネなのです。

これも「緑の家」が床下暖房していたときから申し上げていたことで、今まで床下暖房が省エネとお伝えしたこともありません。しかし床下暖房は究極の暖房方法であることに変わり無く、当初からその快適性の長期間「維持」のためにお勧めしております。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする