床下暖房(エアコン)の事・・・その2理由

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床下暖房(エアコン)は少し認知されてきました。

高気密高断熱で24時間暖房の家になると一般的に床下暖房しなくとも床面の快適性は維持できます。だからこそ15年前から床下へエアコンを設置する「緑の家」は有りましたが例外でした。それがどうして床下暖房が6年前から標準となったのでしょか。快適だからという簡単な単語ではありません。

「緑の家」で標準化になった理由は2つ。

1.家の性能は年月が経過してもほぼ変わり無いが、人は大きく劣化する。

2.人それぞれ快適感は違う。

です。

20年ほど前に「「緑の家」ほどの断熱気密性能になると、床下暖房しなくとも足元も快適で真冬に裸足でも冷たくないと申し上げたのですが、あるとき

「私は真夏でも床暖房が必要です。そのくらい冷え性です」

という建て主さんがいらっしゃいました。
「高気密高断熱の家は足元の温度低下がほぼ無いので冬でも夏の頃の床表面温度だから床暖房なんて性能の悪い家に必要なもの」
と思っていたときに言われたその一言・・・その時に
「ああ、人はそれぞれ感じ方が違う。自分の物差しだけで快適性を語るのではなく、幅広く対応できる家の暖房方法を考えなくては・・・」と素直に受け入れました。それが2.の人それぞれ感覚は違うなのです。床下暖房ならその床下エアコンを使わなければ普通の高気密高断熱のムラのない暖かさが得られ、もっと足元を温めたいかたはこの床下暖房を使って頂ければとの想いです。

さて1の「人は大きく劣化する。」は気になりますよね。違うよ、家が劣化して断熱性能が落ちるのではないのか?と言いたくなりますね。

実は・・・

私と私の周囲の体験談、そして多くの人に当てはまることです。

多くの人が家造りに挑戦するのは、一番体力気力充実の30代でその頃を基準にして物事を考えます。又ある人は30代でも30年経ったら足腰が弱くなり1階での生活のみを考える人がいるかもしれません。しかしその頃よりもっと前に体の衰えがきます。
そうです。
筋力の低下による代謝の減少です(当然血流も悪くなる)。

体温は筋肉でつくられておりますが、筋肉の70%がある下半身の筋肉が体温維持には重要だと言うことはよく知られた話です。
30代は筋力が衰えませんが40代にはいると子供と一緒に遊ぶ事がなくなり、趣味でスポーツをしない人はまず下半身の筋力が衰えます。特に新潟県のような車社会では、徒歩による移動が大変少なく都心の40~50代より直ぐに下半身筋力は落ちます。すると今まで寒くなかった温度でも寒く感じたり、手の先や足の先が冷たく感じるように体が変化(劣化でしょう)します。私も私の周囲の人もこれが元で「弱い冷え性」になり始めるのが40代前半からです。40代後半では多くの人が筋力がなくなり冷え性になります。つまり家を建ててから15年すると家の性能が変わりないのに、住んでいた人が劣化するから同じ家でも床が冷たく感じるようになります。基礎断熱している家の床下暖房してしていない床の表面温度は通常厳寒時で19度から17度。これで裸足でも平気だった30代から15年経った40代後半では冷たく感じます。家は変わりません、人が変わったのです。
この変わった人に対応するべく床下暖房は生まれました(標準化された)。
床下暖房にすれば床の温度は22度~24度まで暖めることが可能です。
先ほどの17度から見れば5度以上もアップ出来ます。つまり家の暖房時の性能を変えると言ってもよい変化です。
家は変わらないけれど人の性能が劣化するのでそれに合わせて家の性能(表面温度)を代える事ができるのが床下暖房です。デスので30代の頃は別に床下暖房を使わないで、壁掛のエアコンのみでも配置さえ気を付ければ快適です。人が劣化した頃に床下暖房を使い始めてもよく、その頃には「そうだね」と頷いて頂けると思います。

「緑の家」の目指す性能は15~20年経過した頃なのです・・・。

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