情報の出所と信憑性 実測でも・・・

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様々な情報をインターネットで検索できる時代・・・。

確かに便利ですが、その情報は玉石混淆・・・

せめて「言い切るとき、断言するとき」には出所を明らかにしたいものです。

当ブログで断言するときにはその元となる出所や法文を必ずといってよいほど記します。また実測を解析したとか、条件はこれこれであるとか・・・。

特に実測等は、様々な要因(パラメーター)によってガラッと変わることもありそのために出来るだけ条件を記載するようにしております。

その点この建築業界は、規模の大小に関わらず多くのサイトでその出所・条件が明らかになっていないときがあるように見受けられます。

そんな中・・・今年初めのシリーズもの「床下スラブ中央、周囲からの熱流量」で、

断熱材がスラブ下に有るなしに拘わらず、基礎内断熱の場合は基礎外周部に向かって熱流が大きく移動していると申し上げました。ただし・・・ミクロ的には内外温度差(スラブ温度と床下内温度)にの影響を受けているので、床下エアコンがONになって数度床下内温度が上がると放熱から蓄熱へと熱のベクトルが変わります。その事を考慮しながら下の結果を見ると・・・

やはり外気温度によって熱流量が変化していると・・読み取れます。どの程度かはこの実測精度では確定出来ませんが、それらは何れ研究機関で明らかにされるでしょう。

浅間の推測したベクトル。
スラブはダブル配筋で上端筋は表面から40mm。鉄筋比は各方向0.8%、外周部までの距離はXY共に約4.5m。スラブ下部は砕石120mmで砂地盤。

最新の国の基準ではスラブ中央の熱損失は無視されているが、11年基準では計算式があり、ご覧のように土への熱移動がほぼ2/3を占める式である。

この熱流のベクトルは、もし私の推測が正しければスラブの厚さや鉄筋量によってかわり、特に今回の実測ではダブル配筋を行っているので(上端筋位置がスラブ上部から僅か40mm)、普通のシングル配筋のより大きな影響を受けると推測出来ます。

これは既往の研究が鉄筋とその位置を無視したコンクリートの熱伝導率のみで解析しているとおもわれ、その内部にコンクリートの30倍以上熱を運ぶベクトルに添った鉄筋の影響があることを無視しているのではないかと思われます。

この鉄筋量がコンクリートに及ぼす熱伝導率の変化については

上の2005年の論文しか見当たらず、しかも有料のサイトしかないのでまだ未確認です。著者は鹿児島大学の赤坂先生で、比較的新しい論文ですからまだまだ未開拓分野ではないかなと思われます。どなたか似たような論文があればご紹介ください。

・・・

床下スラブから外部に向かう熱流量は僅かだったので今までの温熱算定では無視出来ましたが、超高断熱でUa値が0.2w/m2kに近づくと無視出来ない大きな割合になるので、やはり解明したいテーマになると思われ今後の研究に期待します。

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