パッシブな暖房で考える伊達の家 6 窓

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緑字加筆 2017年7月

圧倒的な窓の高さ

伊達の家は南外壁の3/4が窓というガラス窓の家です。これを実現するために木質ラーメン接合を採用したことは以前お話ししました。

多分この窓の感じがピンとこないと思いますが、実際の寸法で考えるとその大きさにびっくりすると思います。

人と比べるとその大きさがわかる。この高さを一枚で行う。上部に綺麗に隠れる外部ブラインドのケース。上がっているときには見えなくなる。

普通の住宅の天井高は2400mmが多いと思いますが、この窓の高さはそれを遥かに超える

2850mmを一枚物で・・・

とても迫力ある窓ガラスです。それも吹き抜けがあるので上下2セット左右に4セットで合計8セット取り付きます。

日射遮蔽は大型ブラインド10基

こんなに窓が大きいと「夏の日射が大変」と思われるかた・・・

全くそのとおりで、そのために今回は「緑の家」としては初めて本格的な外付け電動開閉ブラインドを採用しました。その大きさは迫力満点・・・

巾が3500mm高さ3000mmが一枚で上下し、これが南面だけで8セットで、東にも2セットあり合計10セット。建て主さん曰く

「百葉箱」の家?

との事ですが、通風は積極的には考えません(無論通風可能な窓はあるが)。

窓は独製の高性能断熱サッシ

窓は独のクネアズードでUw=0.9w程度で日射侵入率が0.59と、国内の大手トリプルサッシよりトータル性能(一般的にUw値1.1で日射侵入率が0.57)がよく、これはクネアズードのガラスの空隙が大きい事によります。つまりトリプルガラスの総厚さが48mmにもなるためです。そのため日が陰った夜間の放射も抑えられ、エネルギーロスを2割減らせることができます。

大きな窓で沢山使うからこそ、質実剛健の独製のフレームとガラスをチョイスしました。

これを現在ミリ単位の詳細図をおこし細部を確認中です。

何時ものように後付サッシ※後から取外せるサッシデザイン

伊達の家は昨年の夏に全ての実施設計を終了しました。ところが事務所ではまだ伊達の家の図面を今も書いています。これは設計完了時には国内の樹脂トリプルサッシだったのですが、どうもデザインがしっくりこないと言う事と、性能も少し上げたい想いが募って、急遽1月から再検討を開始し、国内の主要木製サッシメーカーの図面を全て取り寄せ、その納まりと性能をチェックする事になりました。しかし結局国内の木製サッシは、建て主さんのお眼鏡にかなうことがありませんでした。そこで今度は海外製を検討。その中で輸入サッシの時間的実績としては国内トップの上野住宅建材さんが取り扱うサッシをチェック。

すると・・・そのバランスの良さで採用!

これがつい一週間前。地鎮祭が終了して、基礎が始まっているのに欧州製サッシ?

納期が4ヶ月かかる事が多い欧州のオーダー高性能サッシ。もう普通につける先付けでは間に合わない・・・。とのことで何時もように外壁が仕上がってから後付で取付ける事になりました。何度か体験しておりますが、流石に施工も設計も大変です。

しかし、デザインはよくなり性能もアップする事を願っていた建て主さんの想いが、関係者を強く動かし何とか採用する事になりました。施工会社さんの今野建業さんを始め、上野住宅建材さん、そして細かい点まで把握検討した事務所スタッフMにも感謝です。ありがとうございます。

※木製サッシは130kgを超えるので今回は建て方中にレッカーでつり込み。後付も出来るのだがコストの問題から先入れとした。

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