意識の問題なのか。倒れた塀・・・。

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赤字2018年6月22日重要追記
2018年06月19日午後6時緑字修正。

隣地の塀であるが境界線に接している。現在は全て撤去され新たな塀がある。これは隣家の新築工事に伴う英断である。きっと工事を行った建設会社さんも進言したのだろう。

上は過去の敷地調査に行ったときの写真。

これを見て専門家(建築士)はすぐに感じる。

昨日発生した大阪北を中心とした地震で災害に遭われた方にお見舞いを申し上げると共に、亡くなられたご遺族様には心からお悔やみ申し上げます。

正にこの震源地に私は先週いた。その時はなにも感じる事はないが、今となってみるとあの風景が今は一部だけだと思うが「歪んでいる」と思うと、残念であると同時になんとも言えない気持ちになる。

大阪で地震があったと認識したのは母からの電話である。

休日である月曜日、自宅にはTVはないし情報も殆どふれないようにしている。そのためか、社会とは切り離されており、9時30分頃に母からの電話で

「最近仕事で大阪に行っているようだけれど、大阪で大きな地震があったこと知っている?知人は無事?」

と言われ、体が震えた・・・。

あの時もそうだった。あの阪神淡路大震災時も休日でTVを見ない生活の自宅では全く気がつかず、母の家に遊びに行って発生から4時間後にその被害を知った。あの時に感覚とにている。

「えっ・・・」

すぐにスマホを取り出し、ニュースを確認すると震度6弱・・・。これは被害が大きいと感じすぐに知っている方へ連絡をするが、何れも電話は緊急時制限でつながらない。メッセージは?ということで、送信すると数分で返信を頂き取りえず怪我など無く安堵した。

そして人的被害の第一報が

「大阪高槻市の小学生が学校のプールの壁に挟まれて亡くなった」

との事。

その報道に・・・

「その時間にプールに小学生がいるのか?プールが崩壊したのか?」

と想像していた。

本日の朝のニュースでは

「屋外プールの道路との堺にあるブロック塀がたおれた。」

と訂正されていた。

今日のニュース(6月22日)によると
「この塀は以前外部の人から危険では?との指摘を受け学校側では市に問い合わせていた。その結果問題ないとの回答だった」
との事。やっぱり・・・あまりにも市長の謝罪が早かったので何かおかしいと思っていた。専門家が見れば危険ではないか?と言うことはすぐわかる。是非徹底した調査が必要で今回は司法の介入を望む。

映像からも明らかに塀であり壁でない。一般的に壁と天井とセットで建築物になるが、塀は天井がなく工作物と定義されている。しかし間違うのも当然である。そのブロック塀は高さ3mで(よく画像を見ると1.6mはRC壁でその上に1.6m程度のブロック塀)それを道路側から見ている人は塀ではなく壁と感じる。ところがブロック塀であれば実は高さ2.2mを超える構造は現在は許可されておらず、たぶん・・・「不適格建築物」。もし不適格建築物なら建築基準法違反ではないが、どうもこれは建築基準法違反らしい。高槻市には他にも同様の構造のプールがある事がわかった。これは塀築造当時何があったのか調査する必要がある。

万一建築基準法違反でなくとも明らかにそれが他の人に影響を与える危険性があればその塀の持ち主は「不法行為」という民法での法律違反となる。「不適格建築物」とは、建築当時は適法だったが、法律が変ったことにより現法でみると違法性がある建築のことで、現在建っている古い住宅を始め多くの築23年ほど経過した建築物は不適格建築物となる事がおおいのが専門家の認識。今回の大きな問題は、このブロック塀の持ち主が建築基準法の審査も行う「市」であったこと。それがあの新たな阪神淡路大震災のすぐ近い都市で数十年も放置されていたことである。

ブロック塀は地震に弱く、数十年前からその改修をアナウンスされ続けてきたが、今だ多くの耐震性の無いブロック塀が存在する。でもこれだけ地震報道がされている昨今では「ブロック塀は地震に弱いものがある」とうことは既に周知されていると思ってよい。ではなぜ放置されるのか?

私達建築士は、そのブロック塀が仕事にテリトリーに入ったときには必ず・・・

必ず、

関係者さんに

「このブロック塀は危険(または安全)ですよ」

と伝えている。

これは専門家の義務だと思う。

普通の人は安全なブロック塀と危険なブロック塀の判断などつくはずがない。

↓のようの傾きがあっても気がつかない事もある。

低い塀だがわずかに傾く。低くても子供の人命を奪う。コンクリートブロックの破壊力は大きい。

しかし専門家(建築士の免許を持っているひと)には一瞬でその危険性がわかる。控え壁もなく、穴あきブロックなど、危険な構造というとが一目でわかる。

こちらも↓すぐに不安定なブロック塀とわかる。

控え壁の殆どないブロック塀。しかも増築されたようでゆがみも見える。

専門家はせめて危険か危険でないかをはっきり伝える義務があると思う。専門家が見て見ぬ振りをしたならそれは恥ずかしい事(これも不法行為かも)と感じる。私は大変恵まれているようで、殆どの建て主さんはこのようなブロック塀の放置は行わない。時には人の家の敷地にある塀の場合でも、自費で壊させてもらって全て自費で自分の土地に塀を作ることもいとわない・・・。この高い意識には心から敬意を表する。

そして・・・ブロック塀だけではない・・・。

今後予想される悲惨な都市地震災害は外壁やガラス等の公道への落下である。これは何度もこのブログでお伝えしている。行政内の専門家は間違いなく予見できるのに、自身には関係ないとか厄介だからと言って見て見ぬ振りは恥ずかしい行為であると感じるように率先して意識改革しないといけない。

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