昨日吉田の家の配筋検査をおこなってきた。
吉田の家は何時にもましてスラブ配筋が密になっている。これは耐雪1.2m地域にもかかわらず、一区画のスパンが大きくなったため。ベタ基礎で1階がオープンな自由空間であると、柱が四隅にくるようにスラブを区画することが意外とむずかしい。よってスパンが大きくなって配筋が密になってしまった。何を言っているかわからない設計者の方は少し勉強が必要。
主筋方向の鉄筋間隔は50mmとこれ以下は鉄筋のあきに問題がでる限界の寸法。
それって経済設計では無いよね・・・と言われると、鉄筋の値段とプランの自由性を天秤にかけて決めている。仮に今回は加工無しのスラブ筋720kg増え、その代わりに梁が一つ増える分の鉄筋重量50kgと型枠、加工、生コン増費を相殺すると+2万程度となる。区画を狭くしても決して威張るほど経済設計とはいえないのでその程度ならプランの自由性を選んだだけである。
地鎮祭が11月であったがようやく基礎が行われたのは、敷地の確定測量と擁壁の施工があったためである。
花壇のような高さの差が300mm程度擁壁ならコンクリートブロックの土留めで計画する考えもまだ理解できるが、今回はU字溝が敷地直近あったためU字溝の底までの高低差になる。すると500mmを超える立派な擁壁となるので、しっかりしたRCの擁壁としている。ここで手を抜かないから震度6強クラスの地震で周囲の家が軒並み全壊認定受けたにもかかわらず「緑の家」の擁壁は何事も無かったくらいに地面の崩壊を防いだ実績がある。↓(2009年の記事)
見えなくなるところ、一番下で支えるものほど大事にする事が無難となるよい例である。