ある業界紙の情報によると、現在行政で行われていない木造住宅(いわゆる4号建築)の構造検査を2025年ごろから実施することになるらしい・・・。
背景にあるのは、断熱材や高性能サッシ、太陽光発電などの普及に伴い、近年の住宅・建築物の固定荷重や積載荷重が、重量化していることだ。
新建ハウジングHPより
2025年に高断熱が住宅においても義務化される予定だが、それに合わせて構造も整合性を行うとのこと。
引用にあるとおり、住宅の高断熱化は建物の重量増加を伴う。建物に及ぼす地震力は一般的に建物重量に対して比例するから、従来と同じ耐震基準で高断熱化をすれば地震に確実に弱くなる。それでは本末転倒な住宅施策となるので住宅の耐震性を見直すとともに、今まで行われていなかった耐震性の行政チェックを行うという内容。普通の建て主さんが聞いて驚くことは、
1.行政が構造の安全チェックを現在一切していないこと(長期優良住宅等を除く)
2.2021年義務化だった高断熱化時には構造チェック義務化計画されていなかったこと
3.住宅が高断熱化によって重くなると聞いたことがないこと
・・・ではないだろうか。
オーブルデザインでは以前から
↑最近トリプルガラスの窓が使用されるが、この重さが300N/m2もあることを知っているだろうか?
↑とかで、超高断熱住宅を始めた当初から超高断熱および太陽光発電のパネル重量(100~200N/m2)等は設計時に盛り込んで構造計算している。
上の3つの過去ブログを読んでいただければ、なぜ今回法改正して一般住宅の構造チェックを行わなければならない背景がわかると思う。超高断熱住宅は、その快適性、省エネ性ばかり紹介しているが、本当は構造と耐久性が先に来るべき性能であることを忘れてはならない。
無難な「緑の家」とは、「難」が「無い」ということをいつも目指している。