現在各県で上のような地震被害想定調査という報告書が作成されており新潟県でも2年前にその報告書が公表されている。
この報告書では大地震時の被害想定を行い、行政としてどの分野にウエイトをかけてその対策を行うかという指針にもなるので、まずはそこからご案内したい。
多くの人はまずは結論を見たいとおもっているはず。その結論から言えば上図のとおりである。一言でいえば、「住宅の耐震性を上げる耐震化を行えば、行わないより86%の被害を削減できる」とのこと。「死者数にいたっては85%の削減、避難者数も49%の減となる」というもの。これに対し液状化対策を行っても「全壊の棟数は1%しかならないし、避難者数も2%の削減にしかならない」とのこと。この報告のインパクトは大きい。
今回の能登半島地震で新潟市を中心に液状化被害が起こりその数は1万棟にもなるとの報道も見受けられる。しかしこの報告書をみれば液状化対策より地震対策の方が明らかな効果及び人命を第一に考えるなら耐震化対策のほうがよい。
つまり現在液状化対策が何より優先のような気運になっているが、実は液状化被害で亡くなる人はごくわずかである。よって行政と私たちはまずこのことをしっかり心に刻んで行動や情報発信を行うべきであると私を含め自覚したいと改めて思う。
さてその耐震化であるが、まずはどんな地震が予想されるかであるが、最も大規模、揺れが甚大で被害が起こるのが下図の長岡平野西縁断層帯で起こる地震であり、広く震度6強となり一定地域で震度7が計測されるようである。これは能登半島地震と同じ規模かそれ以上だと思えばよい。
この長岡平野西縁断層帯で起こる地震についてはその2で御案内したい。