耐力壁のチェック2回目

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2024.5.21にリンク先追加加筆

先週、耐力壁チェックに本所リバーサイドの家にスタッフAが伺ってきた。すでに外部周りは先週確認しており、今回は2回目で内部周りのチェックとなる。

まず耐力壁と違う話題だが、冒頭の写真をの矢印部分をご覧いただきたい。この矢印部分は外気の小屋裏になるので付加断熱材が必要ない。しかし部屋でなく外気の小屋裏でも建基法22条の地域なので軒裏まで内側にPB9.5㎜以上の施工が必要なる※。このPBを貼り忘れてハウスメーカー大手でも、違反建築となることがあり数年に一回はそのような報道がある。意外と勘違いや忘れやすく、また工事監理として見落としやすいので注意が必要。特に大手の場合はレオパレス事件のように、多数の管理建築士がいるにも関わらず起こっていることは、故意に施工していなかったとの証明になる。
※2階で敷地から5m離せる広い敷地に建てるのであれば必要ない。

小屋裏内部から見るとこのようにPBが貼られて外部は見えない。隙間部分は軒裏なのでPBは必要ない。

昨今耐震等級3以上で長期優良住宅を取得する建物が増えているが、長期優良住宅で耐震等級3を取得してもそれでその建物が耐震等級3になるわけではない。耐震等級3を取得した計画通りに正しい施工があって、初めて、初めてその耐震性が担保される。ここは勘違いされる建て主さんが多いが、長期優良住宅を取得しただけでは正しい施工が行われているかの行政の検査はない(だから上のリンク先のように2800棟の違法建築が出来上がる)。つまり自己検査だけとなり施工されていなくとも見た目は長期優良住宅として認められる。

筋かいは杉が多い。これは節が規定内になる材料として、杉が最も手軽に使用できるからである。

「緑の家」では内部の耐力壁も多くその大多数が筋かいによる耐力壁である。やむ得ない場合は合板を使うが、内部筋交い天井断熱時の気密施工を容易にするためであり、合板の場合はおさまりが複雑になるのでできる限り筋かいを優先する。

さて、下屋(一階屋根)も完全にふき終わったので耐力壁チェックと同時に防水処理のチェックも行う。

住宅の不具合としてはそのほとんどが外壁と屋根の雨漏りであり、建築初期は外壁から漏れる場合が多く、10年以上経過すると、屋根からの雨漏りも発生する。この原因は屋根の施工ではある程度施工技術がいい加減でも雨漏りに至る間違いは少ないのに対し、外壁(とりつく屋根を含む)はある程度施工技術がないと雨漏れを発生させることになる。よって屋根の防水チェックは写真や動画で済ませることが多いが、外壁周りの防水チェックは必ず目視することにしている。

10年経過して起こる屋根の雨漏りはシーリング切れによる原因が多く、そもそもシーリングに頼らない納まりで屋根は造ることが良い。

いつもこちらの板金(屋根)屋さんは、とても雨漏りに対しても意識が高く、10年以上お付き合いしていると思うが一度も雨漏りはなく安心して施工を任せられる。写真のとおり、ルーフィングの立ち上がりでさえも、胴縁など抑え木はつかわないで釘を抜かなくてもよい仮抑え施工としている。何も伝えたことはないが、このような気遣いは素晴らしいと思う。

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