暖房だけが人のため。あとは全て建物のため。

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3年前に下のブログを投稿した。科学的なことではないが何故か賛同するご意見も他の記事より多く頂いている。

建物の寿命はカビと想いで決まる(仮説)。
門としてはとても珍しく2階に御仏像が安置される御影堂門。 科学的なことや物理的な事でなくて申し訳ないが、建物の寿...

上のご紹介したコメント欄の質問に対する返答が「緑の家」設立当時から変わっていないことに自分でも驚く。ご質問の内容は

緑の家では夏は24時間冷房するとのことですが、絶対湿度が何g/㎥から除湿を始めますか

に対し私の返答は・・・

「緑の家」では人の快適性のために夏季の24時間冷房運転しているのではなく、自然素材と床下などのカビ防止がメインで24時間冷房(除湿)を行います。よって絶対湿度はカビ防止にはあまり関係ないのでRH(相対湿度)で判断します。常時床下のRH(相対湿度)が65%を超えないように管理を推奨しております。居住部では人それぞれ好みのRH(相対湿度)やAH(絶対湿度)でよいとお伝えしております。ただ多くのオーナーさんが27度未満でRH(相対湿度)50%前半がお好みのようです。」

である。これはもう高基礎で床下収納を持つ「緑の家」をご提案してから変わらないこと。人の快適性は人それぞれであるが、カビの生育はRH(相対湿度)60~65%を超えると活発になる。一方人の快適性は複雑である。

人は想いがある建物でも年月が経てば「湿気っぽい、カビ臭い」とあきらめの気持ちが起こりやすい。そのためまずは建物が傷まないように地面から持ち上げ、雨がかかりにくいように屋根を大きく取り、夏は24時間空調を行う。これは全て家のためであり暖房のみ人のためとなる。建物は暖房しないほうが長持ちしやすいが、暖かくないと人の想いが育たない。

吹きっさらしの阿賀野川土手沿い

今月完成見学会が行われる本所リバーサイドの家は阿賀野川の土手沿いにある。

土手から見えるということは家からも土手が見える。

土手から見ると上の写真のように見える。通常太陽光発電設備を載せると片流れ屋根になるのが近年の主流だが、「緑の家」では招き屋根とする。これも建物のためにそのようにデザインする。片流れ屋根はこのような開けた土地では横から雨の降る暴風時に雨漏れのリスクが高くなるため。

ところで大手地上波のフジTV系で下のような特集があった。

人の想いがこの建物で育たなかったのかメンテナンスに対し訝しがるような報道。杉、ヒノキ等を露地で使えば10年おきにメンテナンスは必要。

24年で木の格子が腐った事例で問題にしているが、私は逆に24年も維持していたのだからすごいと思っている。通常このような杉の木を露地で使えば10年くらいでおかしくなり、20年持つことはない。木は土にかえりやすいから自然素材なのであり、土に返したくない場合は、屋根の下に置くことは日本が飛鳥時代から変わらず行っていること。面白いのはコメント欄で「細い木だから早く腐った」と複数あったが、細い木だからここまで維持できたのであり、一般的に露地では太い木のほうが乾くのに時間がかかるため腐朽菌が繁殖するスピードは速い。

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