木造住宅の大敵・カビとシロアリ

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住宅技術評論家の南雄三氏監修の特集「逃げ腰ではすまされない断熱・省エネ改修」

先日ご紹介した建築技術2020年1月号では「逃げ腰ではすまされない断熱・省エネ改修」という特集がある。2020年義務化される予定だった新築住宅の省エネ基準が見送られた。その一方中古住宅の断熱補修・改修は今後増えて行くと言われており、その時の疑問に答えたのが本書である。

築年数が増えると腐朽菌とシロアリが気になる。

内容はとても多く全て読み切るには大変だがその中で目についた記事のさわりだけ紹介する。

「床下に蟻道を見つけたら」・・・というよりは蟻道が見つかるような作り方が新築時に必要かも。

まずやはりシロアリのこと。シロアリは今や寒冷地の北海道でも問題とされている。シロアリに関する執筆記事は2つ有りその中で共通し気になったフレーズは・・・

「シロアリは0.6mmから1.0mm以上の隙間があれば容易に通過出来る」

とあった(執筆者は別々)。

基礎に使うコンクリートはドロドロした液体のような物が固まるのでしっかり施工すればこのわずかな隙間もできない・・・と言えるが、打ち継ぎ部分があれば(2度打ち)鋼製型枠用のセパレータ周囲等にそのくらいの隙間は容易に出来る事がわかっている。そのため基礎は一発打込みを行う事が推奨されている。しかしそれでも配管貫通部分や地震や収縮劣化で0.6mmの隙間が出来ていることもあるかもしれない。基礎コンクリートだけとってもこの隙間はまず実現不可能である。それを木造の土台や断熱材で0.6mm以上の隙間が出来ないように・・・とは現実的では無い。特に既存住宅の改修では難しい。

よってシロアリは予防と共にメンテナンスが大事だとわかる。0.6mmの穴をふさぐ施工方法と同時に早期発見、簡単対処しやすく作る事が肝心だと改めて思う。

次ぎにこちら・・・カビの浅間と言われるくらいカビに興味があるので一番最初に読んだ。

基礎断熱した床下にカビが生えるのか・・・という議論より既にカビが生えていることもあるからカビを見つけたときにはこうするよ・・・との見解ではカビを全部除去した後「防かび剤の塗布」も検討してみたらとある。そうのような時は速やかに床下暖房を中止検討する方が健康上にも精神的にもよいと思う。防かび剤を塗布してまで床下の空気を居住部分に積極的にいれる必要はないと思う。つまり床下暖房するときには出来るだけ床下にカビが生えることを避ける工夫をするべきであるし、常にカビが生えにくいように基礎断熱した床下内を清潔にしておきたいと思う。だがしかし防かび剤はエアコンや換気扇等に既に塗布されているので、気にしなければそれはそれでよいかも(私は気にしたいが)。

それとカビ大国日本とカビ文化圏ではないと感じる北米や北欧のカビに対する基準が同じでよいかについては、議論する必要がある。黄色系人種と白色系人種では紫外線に対する感受性が違うことが明らかになっているように、カビにおいても人は長い年月過ごしてきた環境によって耐性が違うはず。世界ひとくくりに出来ないはずなので日本人の基準で評価したい。

いずれにせよ貴重な情報源となるこの本書、やはり建築技術の一月号は毎年購入するとよい。最新号である建築技術1月号はこちらから購入できる。

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