事務所移転と「緑の家」が目指すものはS造も その13

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アルミニュームが鈍く照明を反射させる。断熱材のままの壁で表面にアルミ箔が貼られている。

壁は桐の無垢材の9mm、AEP壁と先回ご案内したが、もう一種類ある。それが断熱材の板のままの壁。

杉柱には将来桐ボード等貼られるようにボードじゃくりが初めから設けられている。

桐よりよりさらに柔らかい断熱材では、強く押しただけで凹んでしまうため、一般の住宅には全く向いていないが、事務所なら話は別。机や什器に囲まれるので、壁に触れることはほとんどない。そのためこの柔らかいアルミニューム壁を使うことが可能。傷んだ時のためにボードじゃくりを柱(S造の事務所内にはいわゆる構造柱はなく間仕切りの柱と同じ材寸)に設けている。これで傷んだ時に簡単に貼ることができる。

さてこのような真壁おさまりの時で且つ断熱材のまま仕上の時にコンセントやスイッチ類はどうするかというと・・・

BOXを断熱材に固定はできないので、柱材に横付けされて固定される。配線は122mmあるウレタンボードを貫通しており、一応見えない配線が可能で、入り子構造が遺憾なく生かされている。

当然露出型のコンセント等になる。上の写真のみて頂き「あっ」と思った方は当ブログをよくご覧いただいて方。そうこれは床下につくコンセントの箱を白にして使っている。こちらもスタッフMのアイデアで意外とこの納まりは良くて、少し癖になりそうである。

「緑の家」の床下内にある分電盤やコンセント類。ここでこの露出型BOXが使用されていた。写真は井岡の家から。

さて・・・直接壁ではないが、下の写真のように壁際に椅子を置くと・・・

白壁にピッタリとつけて椅子を置くことは普通は難しい。それは・・・

一般的な椅子の場合は、背もたれが最も後ろにあるので、壁に背もたれ部分がぶつかり壁はすぐ傷む。ところがこの「AZUKI」はデザインが秀逸で・・・

後ろ脚部分が張り出しているため背もたれより後ろにあり、巾木にくっつけても背もたれは壁にぶつからない。
背もたれと壁には15mm程度のスキが必ずできるため、よくある木の腰壁がなくとも壁は傷むことが少ない。ここは意外と盲点であり、木の腰壁は野暮ったくなるのであまり計画したことがない。

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