事務所移転と「緑の家」が目指すものはS造も その15

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ようやく新事務所玄関階段に看板(表札)が設置された。浮かせた切り抜き文字は真鍮製。

S造の倉庫をリノベして超高断熱の「入り子構造」で模様替えした新事務所の作業スペースはできる限りコスト抑えるべく、天井仕上げ材及び壁仕上げ材はない。天井は合板むき出しのままで、壁は掟破りの板状断熱材そのままが仕上げ材となる。

作業(執務)スペース空間は断熱材がそのまま露出している壁。床は打ち合わせ室と全く同じ杉だが、流石にここはシートで保護する予定。

シルバーの壁と相まって少し倉庫感が出ており、凄く気に入っている。これにより無駄なコストはカットしつつ、アルミの鈍い反射が逆に新しい感じである。

歩留まりをよくするためあえて板目方法は縦としている。当然無塗装のまま使う。

全ての執務机はオリジナルで大きさは同じ。1人当たり巾方向が2050mmで奥行800mm。これは「緑の家」でよく使う3層スプルスパネルの大判2500×2050を3等分した寸法として、一枚から3枚切り出して机としている。手前側には力板を設けずあえて天板のままで椅子で胡坐もかける机下の空間を確保。

足スパン2mだが力板をあえて設けず空間を大きくした。足は柱材と同じ県産材杉105角と打つ合わせテーブルと違い武骨。

サイドテーブル等の棚は前の事務所からそのまま使い続けるコストパフォーマンスのよいシェルフ。これも武骨さが倉庫感を押し上げる。このような棚は移動が簡単で模様替えが素人でできるがよい。

パーティションは板材を使い限りなく薄くしている。高さ2.5mで厚さ39mmの壁で、この壁厚でないと通路幅が確保できなかった。

またできる限り壁を薄くするために、集成材の板をそのまま壁代わり使っている箇所がある。

玄関内側の取っ手のみ金ピカから真ちゅう特有のくすんだ色にすでになっている。多分多湿による変化だと思う。
表側はまだピカピカしている。

そしてコストを掛けたところが玄関戸の取っ手。これは以前紹介したとおりLBRの座付きバージョン。この何とも言えないクラシカル、でもこの小ささが可愛い大好きな取っ手である。この取っ手一つで通常の扉本体より当然高価。

クラシカルな取っても桐でできたオリジナルな戸に似合う。とにかくこの鍵穴が何とも言えない。

またこちらの取っ手も相当かわいい。otomo vie centから発掘された取っ手だが、取り付けて見ると結構傷んでおりもし数年で壊れることも考え、今も似たような取っ手が販売されているので、バックアップ用に購入しておきたいが、今買うとこちらも結構な金額の取っ手である。

桐でできた壁と溶け込むように枠無しで出入り口を計画。扉も桐で存在感を消しつつ、主張する取っ手。

こちらは大きめのドアに目立たないが主張している取っ手。このように本家本元のLBRの取っ手をトイレに使う。トイレの取っ手は普段最も触る取っ手になるため、触るたびに心躍るこの取っ手にしたかったのである。様々なコストは削ったが、触れる取っ手だけは意のままにする強弱感。

この取っ手形状はほんとにかわいい。

真鍮でまだ色が変わっていないLBR。エマージェンシーも表示なしにして最もシンプルに・・・。

ドアを開けて木口(大手)を見る。

扉を開けて扉の木口を見ると金物があり、これがこの扉の秘密で、内外の音を限りなく聞こえなくする工夫がされている。そのため戸の内部には吸音材を詰め込み、枠無し部分でも戸当たりを設けそこに気密パッキンゴムを仕込む。

戸枠に仕込まれたしっかりしたパッキンゴム(発泡製)。丁番、ビスも当然本物の真鍮製。

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