
昨年の元日に起きた能登半島地震では新潟市でも大きな被害を受けた。その大部分が液状化による建物の変形や破壊である。「緑の家」でも液状化が起きた地域に数棟建築されていたが、柱状改良という汎用の地盤改良のおかげか建物への被害はなく建物外の排水管だけだった。このように液状化にも有効に働く「地盤改良」ではあるが、私の知る限りの新潟における地盤改良工法で、液状化まで保証している工法はない。つまり効果はあるが保証までできないのが現在の地盤改良。しかし現在広島市で行っている地盤改良では・・・なんと!液状化まで保証する工法を採用している。
先ず建物概要だが・・・
広島市内の準防火地域で光庭を持つ専用住宅で構造は木造軸組み/
準防火対応「緑の家」AグレードUa値0.22W/m2k/
長期優良住宅取得 耐震等級3/
である。

基礎は「緑の家」のAグレードのダブル配筋のべた基礎のため根切底は160mmと少し深い。その概ね基礎梁下にスーパージオ工法の本体を埋め込むために掘削をする。

掘削後土木シートという透水性のあるシートを引き込みCRを引き込む。

均一にならし圧密にして再び土木シートを引き本体をのせる。

本体を土木シートで包みそのうえに専用の蓋状のものを設置する。

これで地盤改良はおわり、この上に防湿シート及び捨てコンを打ち通常の基礎スラブをのせる。専用重機は必要なくパワーショベルがあれば通常の基礎屋さんでも施工可能という簡便さ。
本体は写真でもわかるとおり樹脂製のかご状で、内部は空隙になっておりこの排出土分重量が場外排出することで建物本体の重量を軽減してくれること、及びかご状の弾性変形及び内部塑性し地震波を受け流す効果で免振効果となること、そして液状化が起こる原因となる土の中のあふれた水をかご状の内部に引き込み飽和させないことで液状化させないようにする。このため保証が可能になったと理解している※。しかもその期間は最長で30年(標準で20年)と長期にわたる。そして地震保険内容も一般的な地震保険の標準最大1000万円でなく、最大1億円となる。さらに保険料も一般の地震保険の1/5ととても経済的と3拍子揃っているちょっと信じられない地盤改良工法。疑り深い私でもこの内容で且つ大手損保保険会社が保証してくれるならもろ手を挙げて採用する。
※メーカーに伺っても資料を見ても工学的に理解ができないが、保証がしっかりあるので採用することにした。

残念なのが新潟県ではまだ施工する会社がないということである。なぜ液状化地域が多く被害も多かった新潟県で施工する会社さんがないのか?大変不思議である。このような既存ではない(既得権益のすくない)情報は建て主さんからもたらされることが多く、今後スーパージオ工法でなくとも、液状化時の保証が長期にわたって受けられる地盤改良がメジャーになるだろう・・・と考えている。