
通気層および軒裏換気と小屋裏換気の論文で昨年の続報である。


実践でよくあるパターンの換気システム。「緑の家」ではTYPE1が標準であるが、時折TYPE3(但し小屋裏有含)を使う事がある。昨年はTYPE3があまりよくないとの評価になっていたが、本報は条件を変えてもう一度計算したとのこと。確かに昨年の既報は壁通気層が21mmで屋根通気層が10mmと一般的ではなく、本報は壁通気15mmで屋根通気30mmと一般的になった。

先に結果を下に置く。

通気層の風速は上の圧力仮定法で求めている。外気温、通気層巾、屋根通気層巾を変化させており、概ねTYPE3が最も壁通気層の風速が早くなる。また屋根通気層巾を大きくすればするほど外壁通気層の風速は増すので、屋根通気でなくとも小屋裏換気なら少なくとも小さくなることはないと思われる。その結果は下図のとおり。



TYPE3の風速が壁、屋根ともに大きくなることの理由として考えられるのは、上下穴の位置の高低差で起きる煙突効果だと思われる。当然温度差が無くなればその効果はなくなるのだが、風が吹いたときにはどのように変化するのが知りたいし、昨年と真逆の結果になっており計算の条件で結果が変わる。特にεの形状抵抗値は影響が大きく、今後は実験値と計算値との突合せを期待したい。